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2017年10月2日

かわさん (18歳)
37
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キラキラした大人になるために

KANA-BOONという4人の少年たちの真っ直ぐで透明な音楽

ずっと子供のままでいたい。

私はいつも、そう思っていた。
いつでも自分の好きなことに熱中できて、何も考えずに楽しむことが出来るのは子供の特権だから。
それに、何をするにも希望に満ちていて、目にするもの全てがキラキラしている。
そんな子供ならではの新鮮さが好きだった。
いつかいろんなことを経験して、この新鮮さを無くしてしまうのが嫌だったから。
 

KANA-BOONというバンドがメジャーデビューしたのは、私が中学生のとき。
物心ついた時から親の趣味で家ではいつもガンガンのロックンロールミュージックが流れていたけれど、全く聴こうとは思わなかった。
そんな中、初めて自分で買ったCDがKANA-BOONの『僕がCDを出したら』。
初めて、自分から好きになったバンドだった。
その頃の私にとってKANA-BOONとは、生活の一部だった。
日常生活の中には音楽が溢れていて、イヤホンから音楽が流れてくるその間は、見える世界の色を少し変えてくれ、BGMとなり、何でもない生活に少し、色を与えてくれる。そう思っていた。
しかし、KANA-BOONの音楽がイヤホンから流れてくるときの感覚は少し違った。
ドン、ドン、というリズムの良さとポップなメロディに乗る少年のようなその声は、見える世界に色をつける訳でも、おとぎ話の世界に連れて行く訳でもなく、ただ自然と私の中に入ってくるような、そんな感覚。
その少年たちの音楽が、私の血液をつたって、素朴に、純粋に染み込んでくるその感覚が心地よかった。
受験勉強で不安な時、部活に一生懸命になっている時、失恋した時、友達と別れる時。
私の青春の思い出の中に、KANA-BOONの音楽は寄り添うようにいつもそばにあった。
青春の一部であった。
 

そんな私も高校生になると、親がいつか聴いていたようなガンガンのロックンロールを聴くようになった。
歳や経験の浅さで言ったらまだまだ幼いのだろうけど、色んなことを考えるようになって、経験して、大人の持つものに憧れを抱くようにもなった。
そんな私には、昔はわからなかった音楽を今は好んで聴いている自分が少しカッコよく思えていたのだろう。いつの日からか、彼らの音楽を聴かなくなっていた。
少し背伸びをして大人と同じ世界を見ようとするのは、ワクワクする。だけど、どこか寂しい気もしていた。
歳を重ねるごとに、悩むことも上手く行かないことも増え、諦めたり何となくでやり過ごすことも出来るようになった。
 

ある日、CD屋で懐かしい声が聴こえてきた。
KANA-BOONのニューアルバム『Origin』の中に入っている〝スタンドバイミー〟だ。
純粋で透明で素直なその声は、真っ直ぐと、私の心に刺さってきて痛かった。
何故この少年たちの真っ直ぐな音楽を聴くのが痛かったのか。

ーなにもかも綺麗に見えていた あの頃の僕はもうここにはいないー

そうか、KANA-BOONを聴いていた頃の、あのキラキラとした素直で純粋な気持ちを忘れていたのか。いつの間にか子供のような新鮮な気持ちを無くしてしまっていたんだ。
この曲はそれを思い出させてくれた。

ースタンドバイミー もう一度教えてくれ、笑い方や泣き方をー
 

どんなに歳をとっても、大人になっても、考え方が変わっても、彼らの音楽を聴いていれば、子供の頃見ていたようなキラキラした世界を忘れないでいられる。
私にとってKANA-BOONは少年時代の思い出のような青春そのものであり、原点に戻って、行く先を示してくれる道標のようなものだ。

“Origin”
彼らがこのアルバムで原点を再確認したように、私もまたこのアルバムに原点に戻る機会を与えてくれた。
これからもずっと、KANA-BOONの音楽を聴き続けるだろう。
そして、キラキラと純粋に透明に輝く彼らのような大人に、私もなろうと思う。

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