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シンプルでありながら唯一無二

ズーカラデル「トーチソング」を聴いて、私は

ズーカラデルの3rdミニアルバム『がらんどう』を聴いた。
1曲目の「トーチソング」を聴いて、私はほっとした。
 
 

ズーカラデルの音楽はとても澄んでいる、と思う。
とてもシンプルで、まっすぐで、なんのしこりもなく耳に届く。

現代の流行りの曲は日々アップデートされて、複雑になってきているように思う。
1曲の中で目まぐるしく変わる構成、意外な箇所での転調。数分間に詰め込まれるたくさんの音。もちろんそれは悪いことではなくて、作曲の可能性はどんどん広がっていって、聴いている方も今までとは違った曲の展開にワクワクするし、電子音を聞くと心躍るし、四つ打ちのビートは身体が自然と揺れる。

だからこそ、この時代だからこそ、これほどまっすぐなバンドサウンドを奏でているズーカラデルは私の中で異質であった。
初めてズーカラデルの「ダンサーインザルーム」を聴いた時、今の時代にこんな直球で勝負を仕掛けてくるバンドがいるのかと驚いた。こんなにストレートで、ここまで心惹かれる音楽にこのタイミングで出会うことがあったんだと。

ごまかしのない削ぎ落とされたメロディ。
力強く、しかし淡々と語りかけてくる歌声や日常に溶け込む歌詞。
彼らが伝えたい音や気持ちが、なんのフィルターも通さず、直接耳に流れ込んでくる。
だから聴いていて心地が良いしあたたかさが心を覆う。

冒頭に戻るが、今回リリースされたズーカラデルの3rdミニアルバム『がらんどう』を聴く前、私は緊張していた。

バンドは成長していく。それはどんな形でも。
バンドが追い求めている音はバンド自身にしかわからない。
その、いわばバンドとリスナーの答え合わせが新曲であると私は思っている。
彼らが思い描いている理想の音楽と、自分が求めている音楽が違っていたらどうしよう、いや、彼らの理想の音楽に自分がついていけなかったらどうしよう。
はたから見ると1リスナーのエゴ満載の戯言であるが、毎回そんな心配をせざるを得ないのだ。

だからこそ、1曲目の「トーチソング」で、変わらない実直なメロディが耳にすうっと入ってきた瞬間、私はほっとした。
相も変わらず、飾らないメロディと歌詞が、シンプルでありながら唯一無二のズーカラデルの音楽が、収録曲7曲を通して感じられた。
 
 

そしてアルバムの最後に収録されている「夢が覚めたら」を聴き終えた時、私の中での答え合わせは完了したのだった。

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