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2017年10月16日

nira (26歳)
87
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04 Limited Sazabysという生命力

今だからこそ、2013年sonorツアーレビューを

あぁ、何やってんだ、私は。

04 Limited Sazabys(フォーリミ)のライブに行くと、私は、いつもそう思う。
打ちのめされる。
だって、私と彼らは3つとかしか歳も変わらなくて、いわゆる同世代、同じ時代を生きてきたはずなのに、彼らはこんなにもエネルギッシュで、強くて、眩しくて、そして、
常に進化し続けている。

彼らを初めて見たのは、2013年に福島の郡山#9で見たsonorツアーだった。とは言っても、私にとってその日はALL OFF主催の対バンライブに出ていた、地元・郡山出身の“the sense”を観に行ったつもりで、フォーリミはその他4ついた対バン相手の1つに過ぎなかった。

しかし、そこで度肝を抜かれた。

その日1曲目に聞いたのは「Now here, No where」。そして次の2曲目が「Remember」だった。

私は、なんとなくではあるものの、主催のALL OFFが推していたバンドではあったし、自分と同世代ということもあって、彼等の1枚目のアルバム「Marking all!!!」と、当時のツアータイトルともなっていた「sonor」の2枚は予習していた。その当時は「sonor」の初めの2曲となっている、この「Now here, No where」と「Remember」を聴き、「あぁ、この1曲目から2曲目の流れは、ライブの沸点上げるやつね、はいはい。ハイスタ辺りに影響受けてるのかな?彼ら。」と、ぶっちゃけ「ふ~ん」程度にしか思っていなかった。

しかし、やられた。やられてしまった。

私は彼らのその“策略”にまんまとハメられ、その魅力に憑りつかれてしまったのだった。

(Now here,No where)
《ここから見えないほど 汚れた昨日
言葉にできないことの 繰り返しだ》

一心不乱に向かってくる彼等のバンドサウンドとGEN(Vo.B)の歌い出しに、私は、ただただ佇んでいた。自分が彼等から、大きく突き放された感覚だった。
でも、不思議と一体感を感じる。

なんだ、これは。
なんだ、この衝激は。

《自分の弱さ 平行にある時代 日々に勘違いしてる 
此処で 音で、創造で、塞いでるから》

《関係ないふりしてると なんでもない 不信感の
正体忘れはしないな 残ってるから》

《完成前の真実も 完全なる 個人戦も
生涯楽ではないな 分かってるから》

そうか、でも彼等も私と同じなんだ。
怖いんだ。不安なんだ。
だから私はこんなにも今、彼等に共鳴しているんだ。

GEN(Vo.B)の言葉1つ1つが、鮮明に、はっきりと私の脳内に刻まれ、体内に浸透していく。

《あ あ ああ 膨らんだ世界には
今、無数の 未来 ラライ ララララ》

ああ、これだ。このメロディーが、歌声が、どこまでも昇り切っていくかんじ。
こういう歌を歌うから、私は彼の歌声に、彼らの音楽に、無限の可能性を感じさせられるんだ。

まるで、生後1年も経たない赤ちゃんが「立ちたい、立ちたい」と必死にもがくような、生まれて間もない鳥達が「飛びたい、飛びたい」と必死に羽を動かすような、
そんな感覚を覚えさせられる。

GEN(Vo.B)のハイトーンで透明感のある声が良い、パワー溢れる、けど繊細さを感じさせられるバンドサウンドが良い、キャッチーかつ心に突き刺さる詞とメロディーが良い…。
確かにそれもそうなのだが、そんなことじゃなかった。

俺たちは、まだできる。
もっともっと飛んでいけるし、もっともっと突き進んでいける。
こんなんじゃない。
そうだ、そうなんだよ。
分かるだろ?

そういう想いや強さをまとったナイフが、私の体内にグサグサと突き刺されてきたのだった。

2曲目の「Remember」は、あっという間だった。
曲自体も49秒と短く、非常にパンクな曲なのだが、
「何やってんだよ、ぼやっとしてると、置いてくぞ」
そんな彼らの声が聴こえてくるようだった。

《Never thought I’d be all alone
Everything has just gone along
No one turned to help you out
All this time has just past for nothing》

(和訳)
〈想像していた未来とはちょっとちがう
時間は何度も君を裏切りながら過ぎていったようだ〉

そうか、時間って残酷なんだ。
「自分は何がしたいんだっけ」
そんなくだらないことばっか考えてたら、あっという間に置いてかれんだ。

あぁ、だめだ、だめだ、だめだ。
まだ自分は、何も出来ていない。
私も、私も走り出さなくちゃ。

ドクドクと打たれるドラムの音が、私の背中を猛烈な勢いで押して、止まらない。

何かに撃たれた衝撃で、私の思考回路はショートし、気づくとSETLISTも終盤になってしまっていた。

最後の3曲は、「glass hopper」、「Lost my way」、「buster call」の流れだった。

「glass hopper」は、メジャーデビューした後のアルバム「CAVU」にも「Grasshopper」として収録されている曲だが、インディーズだった当時は「glass hopper」との表記で、曲のアレンジも少し違った。

その時の私は、この曲との付き合いがこれほどまでに長くなることを想像しただろうか。
いや、想像したかもしれない。

そっか、メロコアとかロキノン系とか、そんなんじゃないんだ。
フォーリミはフォーリミなんだ。
04 Limited Sazabysという、生き物なんだ。生きる力なんだ。
彼らは、きっとずっと生き続ける。
きっと、もっとずっと色んな色彩を持った曲達を、私達を突き動かして止めない曲達を、伝え続けるのだろう。
そんな想いが、私の脳内を巡ったからだ。

しかし、その時の私は、もう、なんか、新しい音楽との出会いに頭の中をいろいろな想いがぐるぐると駆け巡り、もはやHPは瀕死状態だった。

そして、「Lost my way」。
これでやられた。確実にHPはゼロ。
なんだろう、この感覚。
泣きそうになる。
赤ちゃんが産声を上げたようなGEN(Vo.B)の歌声に、私は確実に打ちのめされた。

《why am I in here, place like this on Earth
looks like someone else,who am I? tell me
why am I in here, place like this on Earth
lost my heart looking for,
in fact, I’ve lost my way》

でもそうか、彼らもまだ探してるんだ。
自分がこの世界に産まれた意味を。存在する価値を。役目を。

そういえば、1曲目の「Now here, No where」の最後にも歌ってたっけ。
《生涯 役目はないか 探してるから》

不安定で、ちょっとした脆さを抱えつつ叫び続ける彼等の曲を聴きながら、
私の思考能力もふわふわと、宙に浮いていくのを感じた。

最後の「buster call」の時には、もはや思考回路は宙に舞っていた。

ただ1つだけ覚えているのは、「buster call」の歌い出しを聴きながら、私は号泣し、ワンドリンクのビールを一気飲みしたこと。

《I can’t be saticefied such things
I wanna stack up higher than you did
If you want to create do break a real things
Let’s break everything anyway》

(日本語訳)
〈少しずつ少しずつ積み上げてきたものを
ここで一度台無しにしてみないか〉

眩い閃光を放ちながら歌われるGEN(Vo.B)のこの歌い出しを聴いた時には、もうだめだった。
〈ここで一度台無しにしてみないか〉
そんなことを言える強さを纏っているなんて、格好良すぎるじゃないか。
そんなありきたりな言葉しか言えない自分が、ひどく悔しい。

《hey, here why don’t you ruin
everything you have been stacking enough little by little
The decision might piss you off
but you know distruction gives us drastic creation》

(日本語訳)
〈その決断は簡単じゃない
でも破壊が創造を生むことを君は知ってる〉

知っている。彼等は、知っているんだ。
時間の厳しさも、生きていくことの辛さも。
それでも突き進んでいくことの強さも。

《break everything
and get start over again》

(日本語訳)
〈全てぶち壊してまた一から作れば良い〉

あぁ、そうだ。私達は、誰だっていつだって再出発できるんだ。
生まれ変わることが出来るんだ。

彼等はこんなにも真っ直ぐ向かって、私達と対峙してきているのに、
私は斜に構えて俯瞰して、なんて格好悪かったんだ。
そうだ、私も彼等みたいに真っ直ぐに音楽と対面して、戦ってやろうじゃないか。

聴き終わった時には、私の視界には白旗が見えていた。
余っていた残りのビールを飲み干すと、妙に甘ったるい味がした。

それはたぶん、曲中に身体をゆらゆら動かしたり、
ぴょんぴょん飛びハネているうちに、ビールがひどく泡立ったせいだった。
私は瞼を閉じると、隣にいた後輩にもたれ掛かり、それからの記憶はない。

そしてこれは、2013年“sonor tour”のお話。
それから4年経った今でも、やっぱりビールは苦くて、すぐ眠くなる。
フォーリミの勢いは加速し続けていて、私はその勢いに置いてかれぬよう、必死だ。

それでも私は、負けない。私も、音楽という武器を纏って、負けて終わらないんだ。

苦くて眠いビールのアルコールにも。

04 Limited Sazabysという生命力にも。

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