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2017年11月8日

なおゆき (42歳)
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中村一義に教わったこと

どうにもならない事はないから、逆に逃げられない。それを教える優しさ。

彼のデビューから聴いている。
20歳くらいだったと思う。「犬と猫」にやられて。
まるで魔法だった。
一番音楽が必要な時期だったのかもしれなかった。
人生に見切りを付け、
友達とはみんな手を離してしまっていた。
だけどその時期毎日ラジオから聴こえ始めた音楽はみな新鮮だった。

彼は1975年生まれで同い年だ。
東京下町の人。
彼も自分と同じように、世捨て人みたいな生活をしたんだろうか?
毎日聴いて、時々涙が止まらなくなった。

別れ際に、ほらそこに、これからの笑顔があるんだ。
今、あの頃の僕は、笑っているから。 「笑顔」

引きこもっていたことがある。
自分には生きる道が閉ざされたと思い込んでしまったせいで、人とうまく喋れなくなった。
長い間考えて、いつも同じ結論に至った、
(誰かに打ち明けたい、苦しい)という答え。

結局人って、自分の不遇と心の弱さを混同して、取り違えたりするものだけど、
それに気付くまだ随分時間がかかるもので、
どれだけ我慢しても何も変わらないことは分かってて、
それでも我慢するしかなかった時に、
彼の歌に出会ってしまった。

中村一義の歌を聴くととにかく元気になった。
それが全てだと思う。
考え出すと現実の方法論等で、先に進まなくなるけど。

夢にみえる構想の裏で、タネ、まこう、
目に見える闘争の裏で、タネ、しこもう、 「ピーナッツ」

毎日妥協しながらでも、就職探して、働いて、
そして、出来なくても、友達欲しくて。
何回やり直しても、初心忘れちゃって、一年経つと、
もう別の自分に、ガッカリして。

思い出したくないほど、散々な繰り返しの中で、
中村一義初期には既に答えがずっと出てた。

彼は探し続けることにしたんだと思う。
それは現実的な答えなのかもしれないけど、
彼の真理は僕にも共感出来て、分かってた。
真理に違わない現実を捜す旅に彼は出ていて、
それは、博愛のなかで、報われないけど、生きていく
という現実だったと思う。

そして、DNAの意味をなさないコードみたいな記憶で、僕の脳は溢れている。
過ごしてきた時間を、どんな出来事で埋めたのか、その時何を思っていたのかだけの、人生の記録の様な。

どうあれ、笑いはずっと、病気を治すように、
生まれる前からあって。
そうだね。そんな笑いが解る気持ちなら、
涙も笑うかなって。 「笑顔」

自分に同情するのは愚かかもしれないけど、この歌を聴いて、一緒に歌って嗚咽が止まらなくなったりする、自分が嫌いではない。

中村一義のすごい所は(優しさの厳しさ)みたいな所なのかな、と改めて思う。
自分の言葉の優しさに気づいて、相手をもっと傷つけないかな?とか、考えてしまうのではないか、もしかすると。

それでもその言葉を詩として書かずにはいられないんだろうけど。

彼の言葉に助けられて今ここにいる。

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