616 件掲載中 月間賞発表 毎月10日

2017年11月24日

なるぽん (20歳)
187
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

君といた事をなくさないように、なくした事をなくさないように

BUMP OF CHICKENのほんとのほんと

わたしには、かつて仲の良かった友人がいる。もうきっと、向こうは友人だとは思っていないだろうけれど。

わたしがBUMP OF CHICKENのCDを初めて買ったのは、2012年にシングルとして出た『firefly』だ。
まだファンになって3ヶ月ぐらいだったと思う。
初めてCDショップに入って、初めて予約したCDを受け取った。その時の感情は今でも忘れられない。言葉に言い表せないくらいの喜びで溢れていた。
それまでは借りてかネットでしか聴いたことがなかったので、CDとして自分の手元にやってきたのがとても嬉しかったのだと思う。
帰って早速封を開け、CDカセットにCDを入れる。流れ出すギターの音と、ベースの音、ドラムの音。そして藤くんの声。そのどれもがカッコよくて、『firefly』に聴き入った。
そうして曲が終わると、今度は『ほんとのほんと』が流れる。
それは、当時のわたしには、理解しがたい曲だった。
「うわー、めっちゃ暗いやん、メロディーも、歌詞も」
そう思って、あんまり聴きたくない曲としてカテゴライズしてしまった。

それからほぼ1年の歳月が流れた。
多分、『ほんとのほんと』はその1年で、2、3回しか聴いていなかったような気がする。
そんなある日、前述した友人とある理由で揉めてしまい、連絡を取ることができなくなってしまった。
〈親友〉と言い合っていた自分からしたらとてもショックで、どうして、と何度も思った。仲直りをしようと、その友人の家まで行こうとした事もあるが、行動に移すほどの勇気もなかった。
学校に行くにも部活をするにも憂鬱で、家に帰った瞬間部屋に引きこもって泣いていた。
そんな生活が始まって少し経った時。部屋で音楽を聴いている時に、なんとなく『ほんとのほんと』を久しぶりに聴いてみた。
するとどうだろう、買った時はなんとも思っていなかった、最初の『尖った言葉がいくつか 壁にぶつかって 転がって冷えた』という言葉を聞いた瞬間、涙が溢れてきた。
歌詞を一つ一つなぞりながら、歌声に耳を傾けながら、わけも分からないぐらい涙でぐしゃぐしゃになった。
慰めてくれてるわけでもなく、元気付けてくれてるわけでもないけど、ただ寄り添ってくれる。そういう音楽なんだとその時初めて理解した。自分なりの解釈なので、感じ方は人それぞれだろうけど。
泣きながら聴き終わると、少し心が軽くなったようで、次の日から学校では明るく振る舞えるようになった。
その日から、『ほんとのほんと』はあんまり聴きたくない曲から、大事な曲へと変わった。
今でもふとした時に聴くと、思い出して泣いてしまう事がある。
でも、わたしはその友人との思い出をなかった事にすることはできそうもないので、たとえ向こうが忘れてしまったとしても、わたしは憶えていたい。
いつか仲直りができるように。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい