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2017年12月4日

K (28歳)
40
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

モノクロの世界に色を足す瞬間

SKY-HIのMarbleの世界

30手前にして、未だに人からの評価や顔色を気にし過ぎて心が悲鳴をあげそうになる瞬間がある。
もう何度も「自分は自分らしく」と唱えてきた。
気にし過ぎるこの性格は、学生時代に顔を出してから、なかなか私の中から出ていかない。

帰り道に、1日の反省をしながら、喉の奥がキュッと締まるのを感じる。
「あぁ、あの言い方はよくなかったな」「この時こうしていればよかったな」そんなことを考えながらいつも重い足取りで家路についていた。

無性に自分が嫌いになって、
「周りの人は、私を嫌いになったら離れて行くことができるのに、私はなぜ、自分から離れて行くことができないんだろう」
そう何度も心の中で繰り返しては、自分を否定してしまう時がある。

それを繰り返しながら、気がつけば薄っぺらいプライドを身に纏う大人になっていた。
人によく見てもらおうと、加工を繰り返した写真を、ケイタイの中に保存して
無理して買った洋服を身にまとって、オシャレなカフェの写真をSNSにアップして「ウラヤマシイ」と思われたくて、必死に自分を繕ってみる。
そんな大人になっていると小学生の頃の私は想像していただろうか。

テレビや雑誌の中にはキラキラしている世界がいつでも広がっている。
時には、その中に入り込んだ気持ちで、夢心地を味わってみたりするものだ。
しかし、それも束の間。私が、いるのはあのキラキラした場所ではない。
この目の前に広がる”なんとなく”の世界だ。
(もちろん、テレビの彼らは、私よりもとてつもなく厳しい環境下にいることは重々理解している)

そんな中で、私はまた、キラキラしている1人の音楽家に出会った。
それが、”SKY-HI”だった。

友人に「SKY-HIっていいよね」と言われたその時、私はまだ彼の存在を知らなかった。
ただ、”知らない”自分が恥ずかしく感じてしまい、「ね、いいよね」と、知ったふりをした。

(まずい…)

知ったかぶりをした以上は、次にSKY-HIの話題が出るまでに、曲を勉強しておかなくてはならない。
それが、今につながる始まりだった。

最初に《Enter The Dungeon》を聞いた瞬間に「面白い」と思った。自然に体が音楽にノる。

そして、次に聞いた《クロノグラフ》。
これが完全に私をSKY-HIの世界に引き込んだ一曲だった。
”別れを愛する歌”だった。
ピアノを弾きながら、クロノグラフを歌う姿にすっかり魅了されていた。
Enter The Dungeonとは、ジャンルが全く違った曲だった。

曲の幅広さに心が震えたのを覚えている。
そして、歌うときの表情、歌い方、そして歌詞やメロディから
”もっと聴きたい。この人の音楽を。もっと見たい。この人の世界を”

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それからすっかりSKY-HIの世界にのめりこんだ私は、気がつけば彼のLIVE会場に足を運んでいた。
ステージ上で、キラキラしている彼が目の前にいた。
テレビで見るより、雑誌で見るよりも、輝いていた。
マイクを握りしめた彼は私にとって、あまりにも眩しかった。

そんなSKY-HIが言う。
『俺は、夢を見させるためにLIVEをしているんじゃない』

『俺と出会ったあとの君は、何度だって俺に助けを求めることができるから…
何度だってイヤホン越しに力を貸しに行くから。』

『そのネガティブを全部俺のところにもってこい。俺が全部ひっくり返してやる』

と。
喉の奥のつっかえが、はずれた。
ずっと心の奥にしまっていた感情の鍵をそっと、はずしてくれた瞬間だった。

彼は、LIVE中にファンへ向けて言葉を伝えるとき、目に涙をためて話すことがしばしばある。
その姿を見ると、「あぁ、本心だ。本気で向き合っているんだ」と思える。だから私の心にスッと、届いた。
それはきっと、彼もまた、モノクロの世界を、感情の底を歩き続けてきたからだろう。
そして、そこから自分自身が誰かにとっての光となれるように音楽と向き合ってきたからだろう。
嘘じゃない、その言葉が伝わってくる。
 

そして、今年の秋、《Marble》が発表された。

『自分と違う誰かを愛せるように。
そして、それと同じように自分の中の色んな自分を、嫌いな自分も愛せるように』

”あったかくて、優しい曲だ。”
それが最初に聴いた時の感想。

「周りの人は、私を嫌いになったら離れて行くことができるのに、
私はなぜ、自分から離れて行くことができないんだろう」

そう何度も何度もそう思って生きてきた。
生きていることすら、苦しくなった時この世界から消えようとしたことすらもあった。
ただ、その勇気も出なかった。消えることすらも、決断できなかった情けない人間だ。

でも、
『かわいそうじゃないか。それも自分自身なのにそいつだけを嫌ってしまうのはさ、
そんな自分もいていいんだよ』

そうSKY-HIから言われた瞬間に全身の力が抜けた。
「ああ、ここまでなんとか生きてきたけど、よかったかもしれない」そう感じた瞬間だった。
 
 

LIVEで聞いた《Marble》には、生で歌うからこそより伝わるパワーがある。

《でもこの世界って奴は確かに君を選んだはずだ
同じように選ばれた僕と出会って今があるんだ
目を背けたい過去に色を足して
なぁこの世界はモノクロじゃないぜ》
(Marble歌詞より)
 
 

私の過去に色を塗ってくれた。
それも一色じゃない。
カラフルな世界をプレゼントしてくれた。

身に纏っていた薄っぺらいプライドも、無理にはがすのはやめて大切にしてやろう。

離れたいと思う自分もいるけれど、そんなやつでも自分くらいは愛してやろう。

さあ、2017年RAGツアーファイナルがまもなくやってくる。
私は、また新しい色を、彼からもらいに行く。

そうやって、少しずつ、色の溢れる世界をこれから作って行こう。

まだまだ大丈夫。
私は、まだまだ終わってなんかいない。

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