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2017年3月7日

サトウナナ (20歳)

欅坂46の未来

遠くて近い、幸せ

みんなと同じは退屈だけど、みんなと違うのは怖い。

学生時代からわたしはそう考えて生きてきた。
みんなと同じことをするのってつまらないけど、自分の意見を言えば嫌われるのではないか。個性を出してはいけないのではないか。
大人に支配され、周りの目を気にして思うように行動できなかった。
わたしだけでなく、誰しもそんな心の葛藤を抱えたことがあるだろう。

そんなずるくて臆病なわたしはあるアイドルに出会った。

2016年4月6日、欅坂46は
1stシングル『サイレントマジョリティー』で鮮烈なデビューを果たした。

渋谷川をバックに、アコースティックギターのイントロから始まるこの楽曲。

現在、YouTubeで公開されているMVは、総再生回数5000万回を突破しようとしている。
そして、この曲のセンターポジションで歌う、ひとりの少女にわたしは、衝撃を受けた。

黒髪のショートヘアーから睨むように覗く瞳。欅坂46 最年少メンバー、平手友梨奈だ。

彼女はメンバー最年少の14歳という年齢でありながら、圧倒的な存在感を放っていた。
笑顔を一切封印し、深緑の衣装を着て、歌い、踊る様子は、
従来のアイドル像の、キラキラした笑顔に、ひらひらのミニスカートで、カメラに向かってウインクするようなイメージとかけ離れていた。

めちゃくちゃ格好良い。
こんなアイドルがいるんだな、と思った。

〈君は君らしく 生きていく自由があるんだ 大人たちに支配されるな〉

〈見栄やプライドの鎖に繋がれたような つまらない大人は置いてゆけ〉

サイレントマジョリティーの歌詞では、1番、2番共に、大人という言葉が使われている。

若者の心の葛藤を拾い上げ、大人たちに縛られず、自分の好きな道へ進めばいいというメッセージに加え、大人たちへ、警鐘を鳴らす歌詞。

わたしはこの歌詞で自由になれた気がした。大人に支配されずに自分の道を進み、そして、つまらない大人にはなりたくないと思った。

〈誰かの後 ついて行けば 傷つかないけど その群れが総意だと ひとまとめにされる〉
メンバー、長濱ねるは長崎にいた学生時代、みんなと違うことをしたり、個性を出そうとすると、嫌われてしまうのではないかと考え、上手く行動できなかったと話している。

わたし自身も、学生時代はクラスメイトや周りの目を気にして、自分の思うように行動を取れなかったひとりである。誰かのあとをついて行かないと不安だった。
しかし、その誰かと群れになると傷つかない代りに、《みんな》としてひとまとめにされてしまう。
 

サイレントマジョリティーは、わたしのような臆病でNOと言えない多くの若者を自由にし、救ったとおもう。自分で物事を選択し、道を切り開いていき、大人に支配されず、生きていこうと思える。
 

先述した歌詞から分かるように、サイレントマジョリティーは非常にメッセージ性の強い曲だ。

他にも、2ndシングルのカップリング曲『語るなら未来を…』もメッセージ性が強く、クールな曲である。

《今だから言えることは語るな 墓の中まで持って行け 言葉にすれば安い願望とオーバーに盛った真実 過去など 自己嫌悪しかない 語るなら予言を》

わたしはこの曲を初めて聞いたとき、墓の中まで持って行け、というフレーズに強い意志や覚悟を感じ、ドキっとした。

過去のミスや挫折を振り返り、うなだれる自分が恥ずかしくなった。

《語るなら未来を》
過去の自分は振り返らない、未来だけを見て前進する欅坂46にわたしは叱咤され、とても背中を押された。

欅坂46はクールなイメージだと、曲やパフォーマンスを見て感じるひとも多いだろう。

ステージ上でパフォーマンスをしているメンバーの表情や仕草は力強く、特にセンターの平手は14歳のそれとは思えない。

本当に14歳なのか?と思ってしまうけれど、ステージから降りた彼女には中学生の女の子らしさがあった。

『欅って書けない?』 では得意のバスケを披露したり、お化け屋敷に入って泣いてしまったり、そんな14歳の中学生の女の子らしさを垣間見ることができる。

彼女を含め、欅坂46結成当時、メンバー21人の平均年齢は16.8歳と、10代のメンバーも多い。

垢抜けず、プラトニックな部分があることで、より曲やパフォーマンスの表現力も上がり、多くの人が魅力を感じているのだろう。

そして、メンバーと同世代である20歳のわたしは彼女たちに親近感と憧れを抱いている。

『欅って書けない?』などのバラエティー番組を見ていると、シングル発売ごとにある選抜発表では、メンバーが目標のポジションでなくて泣いてしまったりすると、テレビの向こうから応援したくなるし、逆に、メンバー同士でワーキャーと楽しそうにしていると、あたかも自分がそこにいるかのように笑ってしまう。

しかし、ステージで見せる真剣な表情や可愛らしさを見ると、『こんな可愛い女の子になりたいな』『同世代で頑張っていてかっこいいな』と少し遠い存在と感じながらも、憧れを抱くのだ。

遠くて、近い。

わたしにとって欅坂46は、そんな存在である。

21世紀、アイドル戦国時代。
先陣を切って走るのは、15歳の少女、平手友梨奈だ。

彼女の見据える先には、何があるのだろう。

未来は、始まったばかりだ。

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