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HEAVY POSITIVE ROCK

SuGというバンドがくれた、一歩を踏み出す勇気。

2017年9月2日、SuGにとって、最初で最後の日本武道館公演。
どうしても、今、書かなければいけない。
その一心で、あのライブのこと、その時感じた想いを綴ろうと思う。

SEが流れ、日本武道館という憧れのステージに立つ5人の姿。遂に、この時が来たのだと実感した。武瑠が手を高々と掲げると、幻想的なイントロが始まった。この曲、Aメロはいきなりラップから入る。サビの前で急にテンポを落としたと思えば、次の瞬間畳み掛けるように身体を揺らす音色を奏でてくる。SuGというバンドの音楽性は本当に滅茶苦茶だ。しかしいつだって、その根本には「HEAVY POSITIVE ROCK」というゆるぎないコンセプトがあった。10年間の成長と、それ以上の挫折や失敗、それでも挑戦し続ける彼らの意思が込めらた曲。「AGAKU」は間違いなく、SuGの最高傑作だ。

<ひとよりも欲張りだから / まだまだ叶えたりない夢ばかりだな><綱渡りだろうが / 傷だらけだろうが / 変わらず明日を生きてゆけ><それがただの虚仮威しでも / 間違いでも / 真実にする為に足掻くだけ>

10年間の最高傑作に続けて、彼らは間髪入れずにキラーチューンを掻き鳴らしてきた。彼らの楽曲の中でもずば抜けた爆発力を持ち、リリース後、ほぼ全てのライブで演奏してきたであろう曲「HELLYEAH」だ。この曲のイントロが流れた瞬間、観客にはいつも大歓声が起こる。そして、5人の表情には更に強い意志が宿る。ファンも彼らも知っているのだ、この曲はお互いの意思のぶつかりあいを持って初めて完成することを。この曲が出来てからの3年間で最高のパフォーマンスを彼らは魅せてくれた。

<容易く手には入らない / そうだからこそ飽き果てない>
<But / 最終的には手に入れたい / More / 深い深い所まで挿れたい><寄り道?むしろ / Bonus stage / 挫折の度 / そう、夢煩い。>

何度でも言おう。SuGというバンドは本当に滅茶苦茶だ。この最強のキラーチューンに続く曲として彼らが選んだ曲は心地よいドラムから始まる「不完全Beautyfool Days」、ファンに、メンバーに、笑顔が溢れた。ある種の悲しみや緊迫感に包まれていた会場の空気を、一瞬にして変えてみせたのだ。この楽曲の振り幅こそが、SuGの滅茶苦茶さの理由であり、彼らの音楽性の魅力である。

<何べんもぶつかった孤独の夜を越えたから><僕の心はきっと夢(キミ)を、愛せたんだ。>

ライブの勢いは更に加速度を増し、「Toy Soldier」「小悪魔Sparkling」「B.A.B.Y.」「無限Styles」とSuG流のポップなダンスチューンが、大勢のダンサーを交えて披露されていく。SuGが十年間のライブで積み重ねてきたのは歌唱力や演奏力だけではない。ステージの作りや照明演出・映像表現やダンサーとの掛け合いも含めたエンターテイメント性が、彼らのライブの売りなのだ。1つのショーを魅せられるような演出の中で、彼らだけの輝きを放っていた。

ここからまた、会場の空気はガラリと変わる。披露されたのはSuGが誇る2つのバラード曲「桜雨」「無条件幸福論」だ。
ファンと共に作り上げた映像や会場を照らし出す光に包まれた中で歌われる「桜雨」には、SuGにしか描けない儚くも美しい世界観が表現されていたように思う。そして、続いて披露されたのが「無条件幸福論」決してこの日のために作られた曲ではないはずだ。それでも聴いている私は特別な意味を感じずにはいられなかった。7年間歌い紡がれてきた「無条件幸福論」という曲は、メンバーとファンの間にある、深い信頼関係やお互いの想いを確かめ合うように、最初で最後の日本武道館に響き渡っていった。

<あなた以上の人が居たとしても / あたしはあなたを愛すのでしょう><だからこそ / 瞬間を愛していこうよ / 一秒でも長く>

照明の落ちた暗闇のステージに送られた大きな拍手の渦を掻き消すように、メロディアスなサウンドが流れ、そこにドラムの音が重なる。ライトに照られたステージのセンターにはギターを持った武瑠がいた。彼にとって唯一のギターボーカル曲「Howling Magic」である。マイク一本でステージを縦横無尽に動き回る彼も良いが、ピックを指にはさんで手でマイクスタンドを掴む姿も非常に絵になる。これもまた、彼のカリスマ性なのであろう。感動的なバラード達から一転、許されない男女の恋模様を妖艶に歌い上げてみせた。

ステージを去った武瑠と入れ替わりで現れたダンサーを交えての楽器隊のセッションが終わった後、武瑠が再びステージに現れると、yujiがリフを刻み始める。「sweeToxic」絶対やるだろうと思っていた曲。ヘビーなバンドサウンドの中に、ファンクの踊れる要素を溶け込ませていったこの曲は、リリースされた2012年当時におけるSuGの新境地だった。おそらく当時は相当滅茶苦茶な取組だったのだろうが、後にこうした独特の踊れる要素とバンドサウンドの掛け算がSuGの一番の武器となっていったのだ。

ファンを躍らせ会場を揺らした後、彼らが奏でたサウンドは何とも大人びた音色の「契約彼女、生贄彼氏」だった。意外だった。この曲が日本武道館という舞台で披露されるとは思ってもいなかった。5年前にリリースされたにも関わらず、初めてライブで披露したのは2ヶ月前。彼ら自身、ライブ映えする曲ではないと知っていたからだ。では何故、事実上のラストライブとなるこの日に披露したのか。そんなことを頭の片隅で思いながらステージを眺めていると、あっという間に次の曲「FRIDAY!!」が聴こえて来た。今では鉄板となったダンスチューンであるが、この曲もまた、前述の「sweeToxic」で掴んだSuGなりの掛け算が生み出したのだと感じている。さっきまで何かを頭の中で考えていたのに、曲が流れると自然に手が上がる、自然に体を揺らしたくなる、音楽の力はすごいと感じた瞬間だった。そしてそんなダンスチューンの中でも、彼らは私たちの背中を押す言葉を少しずつ隠してくれているのだ。

<言いたいことはひとつ / 追い続ければそう夢も醒めない!>

ここまで何曲の歌が演奏されたのだろうか、ふとそんなことを頭がよぎった。もうすぐ彼らのライブが一生観れなくなってしまうかもしれないと思った。悲しみよりも先に、一瞬も見逃してはいけないと感じた次の瞬間、何百回と聴いてきた音が流れ出した。涙が止まらなくなった。ひとつひとつの言葉が、その全てが心を揺さぶってきた。迷った時、立ち止まった時、一歩を踏み出す勇気をくれたのはこの曲だったから。

<Wake up, you Ready? / そう夢をリアルにしてくJourney.><Don’t stop / 未知なる道へ / オーダーメイドのgr8 story!>
<「自分らしく」自分裏切れ / 想像超えてくストーリー><縛られたままでたまるか / さぁ / ぶち破れ / 現状の等身大>

涙の止まらない私を置いて、ライブは更に終盤へと近づいていった。「SICK’S」「mad$hip」と生粋のライブチューンが再び連発された。どうやら彼らには、しみじみと感動したライブで終わらせる気はやはりないらしい。立て続けにスクリーンに映像が映し出された。「10th ANNIVERSARY MEDLEY」というタイトルのもと、7曲が披露された。メドレーの7曲目「Crazy Bunny Coaster」が流れ始めた時、ふと気がついたことがあった。

このライブは「SuGの歴史を物語るライブである」ということだ。
10年間かけて作り上げてきたSuGの歴史。その歴史を振り返った上で、彼らは改めて「SuGとはこういうバンドである」という証明をしにきたのだと思う。ただポップなだけじゃない、踊れるだけじゃない。ゴシックな雰囲気が全てではないし、バンドサウンドが全てではない。ファンクの要素だってあれば、ラップだって使う。縦ノリがあればモッシュもある、ヘドバンもする。みんなで揃う振りもあれば、振りなんてない聴かせる曲だってある。そうしたSuGを構成してきた全ての要素を踏まえた上で、私たちに、最後に伝えたい歌と言葉を選んで、このセットリストが組まれたのだと思った。

「ラストいけるか!」武瑠の口から放たれた言葉に続いて流れた曲は「39Galaxyz」だった。ラストナンバーであるにも関わらず、ステージ上の5人は最高の笑顔で会場を見渡していた。思わず私も周囲を見渡した。今ここに、彼らを観に7000人が集まっているのだ。おそらくSuGのステージ構成であれば、最大9000人近く入ったであろう。それでも、SuG知らない人にとっては言い訳のように聞こえるかもしれないけれど、これは奇跡に近い光景だった。4年前4000人近い会場を満員にしたにも関わらず、1年前は2000人の会場すら埋まらなかった彼らのライブに、これだけの人数が集まったのだ。

<ひとりひとりいびつなこころで / ささえあう此の場所が><失くせない失くしたくはない / たったひとつの居場所なんだ>
<臆病で弱いこのぼくを / 変えてくれたのはきみだから><きみをこころから / 『愛してる。』>

こう歌い上げた彼らは、笑顔でステージを去っていった。

彼らがステージから去り、暗くなった会場にはアンコールの声が響いていた。私は正直予定調和の中で行われる、アンコールという仕組みが嫌いだ。でも、今日という日ばかりは、もう一度ステージに戻って来て欲しいと願わずにはいられなかった。彼らはファンの声援に応えるように、再びステージに戻って来てくれた。武瑠は、この日のために作ったというライダースを着ていた。その姿を見て、私は全てを見届ける覚悟をした。彼にとって、ライダースとは正装である。だからこそ、ここから先の数曲に彼の想いが詰まっていると思ったのだ。

アンコール一曲目「dot.0」
言葉が出ないほどに、この歌を奏でる彼らの姿は美しかった。絶望の世界の中で希望の未来を求めるこの歌を、彼らはどんな想いで奏でていたのだろうか。
正解なんてない、真意は本人達しか知り得ない。でも、私にはこの曲が、暗闇の中で進むべき道を指し示してくる光に思えた。

<壊れてく世界でも / 僕らしく / 君らしくあれ><絶望の涙の後には / 希望の虹がかかるさ>
<行こう / 確かな明日に / 不細工な夢を抱き><泣き顔のまんまで僕ら此処で笑おう>

演奏を終え、今日一番の拍手が鳴り止んだ頃、メンバーひとりひとりのMCが始まった。誰一人として、同じことを言わなかった。それほどに、彼ら自身の中でも整理ができていない部分があまりに多かったのだ。SuGを支えてくれたファンへの感謝、SuGというバンド名を背負ってステージに立ち続ける覚悟、SuGという音楽をやって来た意味、SuGがここで終わってしまうことの悔しさ。それぞれがまとまらない想いを、自分に言い聞かせるように話していた。

そして5人目、武瑠がマイクを握り直した。

SuGを10年間支えてくれたことへの感謝。1年前、武道館という無謀な挑戦に挑む賭けにでたこと。武道館という挑戦に向かって、できることもできないことも、全てをやってきたこと。それでもSuGを守れなかったこと。話し続ける彼の目には、この日初めて見せる涙が溢れていた。そして彼は、泣きながら、マイクを握る手を震わせながら、強がり続け、逃げずに、武道館という無謀な挑戦に挑んだこの5人を誇りに思うと叫んだ。

会場中が拍手に包まれる中、続けて彼は、自身の過去について語った。毎日のように人生に対して悲観して生きていたこと。そんな生活の中で、友人に誘われてHYDEのライブを初めて武道館に見にきたこと。その時ふと、ライブという光景や、ステージからの景色を自分は知らないと思ったこと。漫画や映画のように、絶対これだと思ったわけではなく、やりたいことや夢につながる一歩を、13年前に、ここ武道館で踏み出したことを語った。そしてたった一人で曖昧に踏み出したその一歩先で、たくさんの人に出会いひとつの目標となり、大切な仲間やファンが増える中で、みんなの夢になったこと。そしてその夢が、今日、ここで叶ったのだと語った。続けて、彼はこう言った「だから、今ここにいるあなた達にも絶対にできます!その気持ちを今から届けます!この場所で、13年前の自分と一緒に歌うイメージをして書いた曲です。『teenAge dream』」

分かっていた、MCの途中からこの曲が次に流れるであろうことはわかっていた。
それでも、私は涙を堪えることがどうしてもできなかった。

24歳、様々な経験をしてきた。生きることの難しさも、やりたいことをやる難しさも、自分なりに知ってきた。大人になると、守るべきものが増えていく。人それぞれに守るべき大切なものがあって、それを守るために毎日を必死に生きるのだと知った。
だからこそ、自分にとってこれから先大切にしていきたい物は何なのか、成し遂げたいことは何なのか。私はそれを悩んでいた。好きな仕事をしたいし、結婚だってしたい、お金だって稼ぎたいし、家族と過ごせる休みは欲しい。言ってしまえば、欲張りだった。

でも、彼の言葉と、この曲を聴いた時、思ってしまった、気付いてしまった。

私は音楽が好きだ
こんなにも素敵な音楽をもっとたくさんの人に届けたい

いろんな経験をして、現実を知って、たくさんの人にやめておけばと言われても、唯一諦められなかったこと。

音楽を仕事にしたい

なにが出来るかなんて分からない、意味があるのかなんてわからない。それでも、一歩踏み出せば、いつか夢につながって、必ず叶えられる。「絶対できる」そう彼は言った。ずっと言って欲しかった言葉を、彼は最後に伝えてくれた。

「絶対できる」たったの5文字だ。
でも、私の背中を押すには十分過ぎる言葉だった。

<夢がなくたって生きれるし / なくなれば違うの見つけるし><でもなんで? / これじゃなきゃだめなんだ>
<本気になりゃそりゃ傷つくし / 失敗も挫折も怖いけど><でもきっと / やればできるさ>

あまりにも感情的で衝動的で、美しい歌に続いて、ノイズ混じりのイントロが流れ出した。彼らの10年間は、もうすぐ終わろうとしている。報われなかった努力、思うように変わらなかった現実。もうダメかもしれない。そう思った日もきっとあったはずだ。そんな想いも全部背負って、彼は今この歌を歌っている。不器用でまっすぐな彼らの生き様を、私たちに伝えてくれていた。

<We already know it, a lot of tears give a lot of things>
<上手に生きるとか / 向いてないからやめたんだ>

「dot.0」「teenAge dream」「CRY OUT」彼らの想いがあまりにも強く詰まった3曲、この曲に続いて奏でられる曲はこれしかないと、会場中が思っていたに違いない。

「Smells Like Virgin Spirit」
切なく、儚げなギターの音色が、日本武道館に響き渡る。

その時の私は、もう涙が止まらなかった。そこには、ステージに立つ彼らのへの憧れや、涙を流しながら発せられた大切な言葉への感動、様々な想いがあった。しかし何よりも、私は悔しかった。今日ここで、彼らの音楽が終わるということが、何よりも悔しかった。
決して、歌や演奏がずば抜けて上手いバンドではなかった。アイドルのように顔立ちが整っているわけでもなかった。4年前、男性ファンなんてほとんどいなかった。それでも彼らは、愚直に音楽を続けてきた。続けていく中で、彼らにしか作り得ない音楽を見つけた。その曲を、日本武道館という大舞台で自由にかき鳴らしている。強い意志を秘めた目で、あのステージに立っている。周りを見渡せば、4年前はいなかった、男性ファンが山ほどいる。確実に、彼らは彼らなりのやり方で、道を切り拓き、世界を変えてきたのだ。
それなのに、ここで終わるのか。まだまだ先があるんじゃないのか。SuGはここで終わるべきバンドではないと、そう思わずにはいられなかった。この未来を予想できなかった訳じゃないのに、何も力になれなかった自分に腹が立ってしょうがなかった。
しかし、いくら悔やんでも過去は変えられないのだ。だからこそ、今を本気で生きるしかないのだ。今、この場所で、私が彼らのためにできる1番のこと、それは最高の景色を見せることだ。このSLVSで過去最高の景色を作ることだけだった。

<そう / SuGはSuGなりに見つけてきたんだ>
一番のサビ、終わりの歌詞を、武瑠は変えて歌った。やはりこれが最後なのだ。
<あぁ / なにもかも全部捨てたくなるよ><もう / うんざりだ / なのに最高だろ?>
彼の声はあまりにも刹那的だった。今、この瞬間に全てを賭けているのだ。

「その声、今日のためにあると思え。叫べ!」彼の言葉と同時に会場中にシンガロングが起こる。
「もっともっともっと!過去最大の声くれ」日本武道館に、微かなドラムの音色と、ファンの声だけが響き渡っていた。

<音楽(きみ)に初めて出会った瞬間><ぼくは産まれた意味を知ったんだ>
7005人が、最後のシンガロングを日本武道館に響かせた。間違いなく過去最高の瞬間だった。

<どうか / このまま / 時を止めて>
そう歌い上げた武瑠は、涙を堪えながら天を仰ぐように叫んだ。少しずつ、少しずつ、ギターのリフが小さくなっていく。本当に、これで終わってしまうのだ。ステージを移動し、ファンに感謝を伝えていった武瑠が中央に戻ってくる。そして、お決まりの言葉を残していった。

「SuGでした。ありがとバイバイ!」

暗転した日本武道館、アンコールの声は鳴り止まない。もう少しだけ、まだもう少しだけ、彼らを見ていたい。そんな想いが、会場中に響き渡る。ステージに再びライトが照らされた。5人は、この公演のために作られたTシャツを着ていた。きっと、これが正真正銘のラストステージなのだろうと思った。

各々の位置に着くと、「最高の武道館を用意してもらって、湿っぽくなんか終われないよな?」武瑠はそう言い放ち、曲名を宣言した。「LOVE SCREAM PARTY!!!」
なんともSuGらしい選曲だと思った。彼らの音楽は「HEAVY POSITIVE ROCK」泣き顔で終わらせる訳がなかった。数分前まで、涙を流していたファンの表情が笑顔に変わっていた。ステージを縦横無尽に駆け回る彼らや笑顔で踊るファンを見ると、音楽の力を感じる。たった一曲、たった一小節で、人の心を動かすことができるのだ。やはり、音楽は素敵だ。

「オーラスいけるか!」彼らが10年間の最後に選んだ曲は「ときどきすてきなこのせかい」だった。一音一音が愛おしかった。不思議なことに、悔しさや悲しさは消え去っていた。今、その瞬間を楽しむことで頭がいっぱいだった。
いつか、武瑠のインタビューで読んだことがある。『ときどき』素敵なことがあるからこそ、世界は美しく見えるのだ。素敵なことしかない世界では、その大切さを感じることが出来ないから。辛いことがあるから幸せを感じるし、幸せなことがあるから辛い感じるのだ。

彼らの10年間は、言ってしまえば辛いことや苦しいことの方が多かっただろう。そんな彼らがこの歌を歌うことに、最後の曲に選んだことに、大きな意味と、メッセージが込められていると思う。私達は、これから先も、『ときどき』素敵なこの世界で生きていくのだ。
夢を持って本気で生きれば生きるほど、壁にぶち当たるし、嫌な思いだってするのだろう。それでもまっすぐに進み続けることの大切さを、何一つ無駄なことなんてないことを、彼らは教えてくれた。「絶対できる」と言ってくれた。一歩踏み出す理由なんて、それだけで十分だ。

“NO MUSIC,NO LIFE.”

音楽が好きな人であれば誰もが一度は耳にしたことがあるであろうこの言葉。
私は、この言葉が嘘だと知っている。

「音楽がないと生きていけない」そんな訳がない。音楽がなくたって幸せな生活を送っている人はたくさんいる。音楽を聴いていなくたって、漫画を読んだり、映画を見たり、好きな人とデートをしたり、スポーツをしたり、幸せや楽しみを得るための「何か」は世の中にたくさんある。

それでも私は、音楽が好きだ。

音楽には「人生を変える力」があると信じているから。
誰になんと言われようとも、私は、その力をSuGからもらったのだから。
自分の足で、一歩踏み出す勇気をもらえたのだから。

だから私は、音楽をより多くの人々に届ける仕事がしたい。音楽を聴いたことで、その人の人生が少しでも素敵な方向に変わるような出会いを作り出したい。SuGに出会って変われた自分のように、「音楽があってよかった」そう思ってくれる人が一人でも多く生まれるように。

「私の夢は、音楽と人々をつなぐ架け橋になることです。」

12月20日、SuGが解散を発表した。

10年間お疲れ様でした。それ以上に、ありがとうございました。
あなた達が作った音楽は、あなた達の生き方は、私の人生を変えてくれました。
この24年間で、SuGというバンドに出会えた事が一番の幸せでした。

自分だけの、自分なりのやり方で、絶対に夢を叶えてみせます。
「自分らしく自分裏切れ」

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