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いつまでもネクストブレイクで。

ヤバイTシャツ屋さん、2ndアルバム発売に寄せて。

CDJ17/18最終日。
Galaxyステージで多くのオーディエンスと共に最高の年明けを飾ったバンドがある。
彼らは勢いそのままに1月10日、メジャー2枚目のアルバム、「Galaxy of the Tank-top」を発売した。
新しいバンドが出てくる度に決まり文句のように言われる、
「今最も勢いのあるバンド」
という言葉。
それはまさにこのバンドにぴったりなのではないかと思う。

ヤバイTシャツ屋さん。

「偏差値が20ぐらい下がってく」という彼らの音楽を聴いた後ではあるが、精一杯書きたいと思う。

サントリーとのコラボによって生まれた『Tank-top in your heart』。
アップテンポでグルービーなサウンドでありつつ歌詞の端々からヤバTらしさが滲むこの曲でアルバムは幕を開ける。

昨日開催された「uP!!!NEXT ヤバイTシャツ屋さん ~大人が色々頑張ってくれたおかげで無料で出来るライブ~」の1曲目も「Tank-top in your heart」であったが、豊洲pitに集まった約3000人が一瞬にして彼らに引き込まれるのが目に見えるような盛り上がりだった。

アルバム2曲目は、今ではフェスの鉄板曲となっている『ヤバみ』、そしてノリノリのダンスナンバー『DANCE ON TANSU』、「寝んでもいける」に対するアンサーソングだという『眠いオブザイヤー受賞』、Ba.Vo.しばたありぼぼちゃんの高い声と少しエモーショナルなメロディーが印象的な『気をつけなはれや』、短い曲の中でひたすらUSBと歌い続ける『Universal Serial Bus』と続く。

ここまで聴いて、こんな曲前もあったような…という曲が一切ない。
それに加え、ヤバイTシャツ屋さんの魅力がどの曲にもみられ、まだ半分であるこの時点で大好きなアルバムになっていた。

7曲目は昨年発売したシングルに収録されている曲、『ハッピーウェディング前ソング』。
キスからの入籍と散々煽った後、サビでは「ノリで入籍してみたらええやん」と歌う。
この曲が度々渋谷の街中でかかっているということに驚くが、彼らの音楽だからこそ許され、彼らの音楽だからこそ面白いのであろう。

この曲を境にアルバムも後半、明るい雰囲気でありながら歌詞を聞くとちょっぴり切なくなる『ドローン買ったのに』、前回のアルバムに収録されている「L・O・V・E タオル」に続きありぼぼちゃんが作詞作曲を手がけた『ベストジーニスト賞』、それに続いて10曲目ではあるが『メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲』がインディーズ版をアレンジした形で収録され、11曲目はロッテのプロジェクトソングに書き下ろされた応援ソング『とりあえず噛む』。

そしてGt.Vo.こやまたくやさんがラジオ番組中に号泣した後でつくられたという『サークルバンドに光を』。
今まで、バンドなんかいつやめてもいい、バンドで食べていこうとは思わないようにする、というコンセプトでやっていくことで音楽を楽しみ、音楽で楽しませてきた彼ら。
しかしバンドとして注目されていくなかで、その気持ちのままやっていくことはとても難しいことだったはずである。
「ノリと勢いだけ そんなことない」
それは彼ら以上に彼らの音楽を聴き続ける私たちファンがよく知っている。
「分かる人は分かってる」
のだ。
だからこそこの曲で、涙ぐんでしまうのだと思う。
今までのヤバTを、そしてこれからのヤバTを、この曲に見てしまうのだ。

いつもノリがよく勢いがあって楽しいヤバTの楽曲だが、改めてちゃんと聴いてみると時々心に響くものがある。
少し話は変わるようだが、彼らのライブで「ネコ飼いたい」が演奏される時、決まって最後に全員で「ネコ飼いたい」と合唱する。
その時、感極まって泣いている人を見かけることがある。
文章にしてしまうと泣いている意味がまるで分からないのだが、実際ライブに行かないと伝わらないあの一体感には、言い様のない感動を覚える。
ちゃんと聴けば聴くほど、彼らの音楽を実際に感じれば感じるほど、今まで見えなかったヤバイTシャツ屋さんが見えてくるような、そんな気がする。

と、リスナーをこんな気持ちにさせておいて、このアルバムを締めくくるのは『肩 have a good day』。
しかも元東京事変のベーシストである亀田誠治さんとコラボし、音の厚みが増している―2018 ver.―だというのだからさすがヤバTである。

知名度の上昇からくる大きな期待や尋常ではなかったであろうプレッシャーの中でつくられたとは思えないほどヤバTらしいアルバムでありつつも、確実に今までとは違う一面も垣間見える素敵なアルバムだと感じた。
文章で語ろうにもこれ以上は語りきれないが、このアルバムには文章では伝えきれずとも聴けば誰にでも伝わる彼らの面白さが詰まっている。
百聞は一見に如かず、と言う通りでとりあえず一見……ではないが一聴してみてほしい。

3人は、どこまでも楽しく、時にはどこまでも真面目に、いつでも面白いことを考えている。
移り変わりが激しいと言われる音楽業界。
その中で「いつまでもネクストブレイクでいけるところまでいく。」という決意表明をしたヤバイTシャツ屋さん。
一番になりたいという気持ちがありつつも、いつまでもネクストブレイクでいたいと願う彼らは、少なくともメジャーデビューからの1年で、多くの人の一番になってきたように思う。
これからもずっと、音楽の新しい在り方を切り開くネクストブレイクのバンドでいながらも、様々な人の一番になっていくに違いない。

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