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星野源 兄妹

魔法のような楽曲

私にはきょうだいがいない。
両親の愛情を1人で受け、幸せに育ててもらったけれど、生きている道のどこかに知らない部分があって、想像するしかなくて現実には知り得ない謎があると、ずっと思って誰にも言えず蓋をしていたのも確かである。

私が星野源さんを知りエッセイを読んだ時、彼には生まれてくるはずの妹がいたこと、2人分頑張って生きてこられたこと、兄妹という楽曲があること、を知った。

私と同じ一人っ子。でも少し違う一人っ子。

いつか自分にも妹か弟が産まれるんじゃないかと淡い期待を寄せていた子どもがいつしか ああ、このまま私は一人っ子なんだな、と静かに現実を受け入れた頃をふと思い出す。
そしてそれがもし、ほんとは生まれてくるはずだった妹がいると知ったとしたら人はどんな風にそれを受け止めるんだろうか、星野源少年はどんな風に受け入れたんだろうかと思いを馳せる。
私は何事も想像するのは昔から得意なのだから。

楽曲は楽しく軽快に流れ、その世界が目の前に広がるけれど歌詞が痛いくらい胸に刺さりいつも涙が出る。
 

「目にみえぬもの 触れられぬもの
話しかけてる ひとりきりの兄妹」

想像の世界に行くことは得意だし、いつだって自分だけの世界に行くことができる。私には兄だって姉だって弟も妹だって存在させられる。だけど、やっぱり彼には「ひとりきりの」たったひとりの兄妹がいるんだと痛いくらいに伝わってくる。
 

「夢でしか 逢えないようにできている」
「逢えないように できている」

繰り返されたこのことばに ああ、自分は一人っ子のままいくんだな、と私が受け入れた日の諦めに似た決意みたいな想いが重なり、ある種一人っ子にしかわからない共感を感じずにはいられない。
 

そして、最後の

「謎の 兄妹」

きょうだいがほんとは欲しかった一人っ子。
兄妹がほんとはいる一人っ子。
どちらにとっても きょうだい は謎でしかない。
このことばが一番胸に刺さる。作者と手を取り合って分かり合えたと実感したような気持ちになる。
 

家族計画への考え方は人それぞれで希望しても授からない命もある。家族構成に正解はないし、どれがいいと優劣も全くないと思う。いろんな家族があって、みんな色んな想いを抱えて生きている。この楽曲はそれを知る大切な楽曲だと思う。

私には一人っ子の夫と、息子と娘がいる。

つい最近息子が「いとこがいない、いとこが欲しかった」と泣いた。
わかってた。一人っ子同士で結婚した時からそれはわかっていた。でも、自分の子には きょうだい さえいればいいと思っていた。
息子に泣かれどうすることもできない現実に今も胸が痛んでいる。息子と娘にとってはいとこが謎で、人生において謎を抱えて生きていく淋しさを私はよく知っているから、その謎を子ども達にも背負わせたのか、と申し訳なく思う。だけど唯一、その謎をぶつけてくれたことに安心した。

星野源 「兄妹」

私の子ども達が以前から好きでよく口ずさむ楽曲。

また一緒に聴こうと思う。
人生の謎に蓋をする必要はない。
色んな生き方があって、彼らには切り開く未来もある。

星野源さんの作品はいつも私の心と生活に寄り添ってくれる。
そんな魔法のような楽曲がここにある、子ども達にも伝えていきたい一曲が「兄妹」。

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