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音楽の光に支えられ

ハンブレッダーズと私と青春

今までたくさんのバンドに出逢い、たくさんの音楽を聴いてきたが、
音楽を聴いて、自分の気持ちを言葉に残したいと思ったのは初めてだ。

<歌にしちゃうくらい君が好き>
関連動画から自動再生されたその歌声に一瞬で惹かれ、心掴まれた。
ハンブレッダーズの「スクールマジシャンガール」という曲だった。
求めていた音楽に出逢えた感覚。衝撃。
そのままの勢いでHPに行き、購入できるCDを一気に注文したのを覚えている。

あの日からどれだけ経っただろうか。
ハンブレッダーズは初の全国流通版ファーストアルバム「純異性交遊」を発売した。
私の住む田舎町の小さなCDショップでも、ハンブレッダーズのCDを予約し、受け取ることができた。
間違えて書かれていた郵便番号に、ロゴシールが貼られた手作業感満載の封筒で受け取った日を思い出すと
それだけで泣きそうになった。

CDを再生して流れてきた1曲目。「DAY DREAM BEAT」
心をえぐられるような気持になった。
我慢していた涙は溢れ出し、止まらなくなってしまった。
「これって、わたしのことだ」
何年も前に終わりを迎えた私の青春時代が走馬灯のように頭を駆け巡っていた。

楽しいとは言えない青春時代だった。
中学時代はクラスの中心的ポジションにいて、毎日好き放題、思うままに過ごしていた学校生活。
もちろん高校生活も楽しいものになると信じて、たくさんの夢を描いていたが現実は違った。
いわゆる高校デビューに失敗したのだ。
入学から1週間経っても、2週間経っても慣れない学校。クラス。
「これじゃまずい。置いて行かれる。」気持ちだけが焦り、過ぎていく日々。
気づけばクラスにはグループができ始め、私はひとりぼっちになっていた。
入学から1か月。私の高校3年間は終わった。そう思った。

<友情も努力も勝利も似合わない青春に 仕方がないから鳴らされた革命歌>

そんな学校生活。音楽だけが私のすべてだった。
必死でバイトをして、音楽を稼いで、CDを買いに行く。ライブに行く。
それだけが私の喜びで、幸せで、生きるすべてだった。

<ひとり 登下校中 ヘッドフォンの中に夢中>

登下校の時間が学校生活で1番楽しい時間だった。
15分のその時間が永遠に続けばいいのにと思っていた。

<たった一秒のあの旋律が たった一行の言葉遊びが 揺蕩う僕の光になったんだ>

体中を駆け巡るELLEGARDEN。10-FEET。私の光。
彼らが私の歩みを止めずにいてくれた。
彼らの音楽を知っていることが自慢だったし、誇りだった。
音楽の力に助けられていた。

スカートの短さや制服の着方を注意され文句を言って笑いあったり。
休み時間になるとずらずらと団体でトイレに行ってたむろしたり。
プリクラを交換し合ったり。
誰と誰が付き合ったとかウワサしたり。
先輩の誰がかっこいいとはしゃいだり。
ほんとにどうでもいい、どうだっていいことを大声で話しているあの子たちなんかちっともうらやましくない。
うらやましくなんてない。そんなことない。そんなことない、、、はず、、、。

大丈夫。私には音楽があるから。
そう思うことで理想とは程遠かった高校生活を美化して受け入れようとしていた。
受け入れたつもりでいた。

この曲を聴くまでは。

違う。やっぱり悔しかった。
恋愛だってしたかったし、放課後は友達とクレープを食べに行きたかった。
一生に一度しかない高校3年間。そりゃ誰だってキラキラしたい。
私のあの3年間は何だったのか。
ただただ孤独に耐え、気づいてもらえているのかもわからない空気のような存在。
誰の思い出にも私がいないのならば、こんな苦い過去、消し去ってしまおうか。

<自分の歌だとハッキリわかったんだ>

今、数年の時が経ち、自分と同じ気持ちが歌になって、耳に届いている。
そう、あの時私はひとりだったけど、ひとりじゃなかった。
安心した。仲間がいた。やっと肯定してもらえた。
そう思うと自分が過ごした冴えない青春時代を少しは素直な気持ちで受け入れれそうだ。

ハンブレッダーズは私の数年間のもやもやを一気に撃ち抜いた。
音楽の力で。

彼らがどんな学生時代を送っていたかなんてわからない。
でも彼らの中にも私と同じように音楽の光があって、それに支えられていたはず。

そして今、光を放ち始めている。
あの頃の私や彼らみたいな青春を送る君にむけて。

<さよならなんて 今すぐ撃ち抜けミュージック>

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