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生きる力を借りたから

安心と信頼のBUMP OF CHICKEN

5年前 2月の深夜
くも膜下出血で救急搬送された。
目が覚めるとそこは集中治療室。

「あ、そうだ 倒れたんだ」

子供達の名前と誕生日は!?覚えてる!
体は!?動く!良かった!

それだけ思い出すと すぐに安心してまた眠った。

3週間ほどの入院生活。
ありがたい事に後遺症もなく、
主治医の先生から「奇跡です」と言われた。
そしてもう一つ危険な場所が見つかり早めに手術した方がいい事、その手術が開頭手術になる事も告げられた。

その後 二度目の入院と手術、そして退院。

自宅に帰り子供達の顔を見ると涙が出た。
中3で受験生の娘と幼稚園に入園したばかりの息子。
2人とも家では一度も泣かずに待ってくれていたらしい。

「本当に生きてて良かった」

開頭手術なのでしばらくは色々と制限もあったけれど
半年もすれば手術の跡も落ち着き 普通の生活を送れるようになった。しかし今まで通りとはいかなかった。
以前なら気にならなかった偏頭痛や時々襲ってくる目眩に過剰に怯える日々。
子供達と一緒の時は怖さは感じないけれど ひとりになると「また倒れたらどうしよう、また手術しなきゃいけなくなったらどうしよう」そんな事ばかり考えてしまい 不安に押しつぶされそうになりながら毎日を過ごしていた。
 
 

手術から1年後
娘が小学生の頃から大好きなBUMP OF CHICKENのライブにやっと当選。
娘にとっては 生まれて初めてのライブ
と言うことで 私も付き添いで一緒に行くことになった。
あくまでも付き添いで。

BUMP OF CHICKENは知っていた。
毎日のように聴かされていたので好きな曲も何曲かあった。
ただ 誰が誰かはさっぱりだった。

術後1年が経ったとはいえ初めての大きなイベント。
オールスタンディングのライブ。
人がぎゅうぎゅう。大きな音。
楽しみより恐怖と不安のほうが大きかった。
入場し待機している間もずっと怖くて
付き添いで来た事を少し後悔したりもした。

そしていよいよライブが始まる。
メンバーが順番にステージに出てくる。
ギターを掲げる姿は BUMP OF CHICKENをあまり知らなかった私ですら「格好いい」と思った。

「Stage of the ground yeah!」(Stage of the ground)

第一声に鳥肌が立った。
次々と演奏される曲を聴いていると
涙がこみ上げてきて とても驚いた。
それと同時に「泣いてたまるか!」と
何故か必死でこらえていた。

あの時の感覚はなんとも不思議な感じで
声が全身に広がると言うか「耳から入ってくる」ではなく「身体の中に直接届く」という感じ。
まっすぐに届いて その瞬間にパァーっと広がって
暖かで熱くて優しくて、、、
うまく言えないけれど
とにかく今までに経験した事がないような感覚だった。
毎日のように聴かされていたはずなのに。

私は涙をこらえるのを諦めた。
そして気がつくと頭の中から恐怖と不安が無くなっていた。

アルバムをあまり聴いていかなかったので
知ってる曲はあまりなかった。
けれどハチャメチャに楽しい!
そして とても優しい。
BUMP OF CHICKENの聴かせてくれる音楽は
とても力強く優しく 不安だった私を包み込んでくれるようで まるで自分に向けて演奏してくれているようだった。

ライブが終わり娘を見ると
ぐしゃぐしゃの泣き顔で笑っている。
私も泣き顔で笑っている。
2人ともぐしゃぐしゃで満面の笑顔だった。

「めっちゃ楽しい!生きてて良かったーっ!」
自然に出た言葉だった。
「生きてて良かった」
心からそう思った。

ライブからの帰り道
私はすっかりBUMP OF CHICKENが大好きになっていた。

それからは毎日BUMPの音楽を聴き
大先輩リスナーの娘とたくさん話をして
BUMPを知らない息子に聴かせたりした。
そして気づいた事がある。

BUMP OF CHICKENは「自分」に音楽を届けてくれているんだ。

初めて行ったライブだったのに
「自分に向けて演奏してくれている」
と感じたのは錯覚でも都合のいい妄想でもなく
実際にそうだったんだと思う。
それは彼等の音楽を聴いているリスナーみんなが思っているんじゃないかとも思う。

BUMP OF CHICKENは
「僕らの音楽を聴いてくれるひとりひとりに届ける」
「ここにいるひとりひとりに届ける」
と言ってくれる。
そしてそれは紛れもない事実だ。
彼等の音楽はどんなに遠くにいてもまっすぐに私に届く。
「そこにいるみんな」ではなく
「そこにいるひとりひとり」に届く。
こんなにまっすぐに音楽を受け取ったのは
生まれて初めてかもしれない。
彼等がまっすぐに届けてくれるから
「こんなおばちゃんが いいのかしら?」
などと躊躇する事なく
「ありがとう」
と素直に受け取る事ができる。

初めてライブに行った日。
BUMP OF CHICKENを好きになった日。
あの日以来 私の毎日にはBUMP OF CHICKENがいてくれている。
背中を押すでもなく 勇気をくれるでもなく
ただそばにいてくれている。
 

BUMP OF CHICKENの音楽は
聴く人によって姿形が変わる。
聴いているひとりひとりが必要とする形で
寄り添ってくれるように私は思う。
背中を押してもらう人 勇気をもらう人
聴く人それぞれの形。
私には【安心】という形で寄り添ってくれている。
そしてその存在を心から【信頼】している。

もしあの日 娘が私をライブに連れて行ってくれてなかったら 今でも毎日を怯えて過ごしていたかもしれない。
娘よ、
母をBUMP OF CHICKENに出会わせてくれてありがとう。

今でも一人になると時々は不安になったりする事がある。
そんな時 BUMP OF CHICKENの音楽を聴くと
安心できるし穏やかでいられる。

決しておおげさではなく
家族以外で 唯一 私を救ってくれたのは
BUMP OF CHICKENです
あなた達の音楽です
いつもそばにいてくれてありがとう。

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