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繋いだリボンと私

BUMP OF CHICKENの22年間

2月10日、運良く素敵なファンに同行させてもらいPATHFINDER TOUR ファイナルの埼玉公演に参戦してきた。そこで改めて感じたBUMP OF CHICKENという音楽への思いを綴りたいと思う。

私が初めて彼らを知ったのは小学3年生、9歳の時。テレビから流れる優しくて力強い藤原基央の歌声に聞き惚れた。急いでレンタルショップへ走りシングルを借りた。ひとつの眩しい、決して消えない光を追い求めて無我夢中で走る人間の曲、「firefly」。カップリング曲であり力強い「firefly」とは対象的で優しく包み込んでくれるようなメロディーに、不器用な2人が描かれた「ほんとのほんと」。BUMP OF CHICKENの楽曲は当時その2曲しか知らなかったが、9歳の私の脆い心には確実に刺さったのだ。
それから6年。9歳から15歳までの6年間、一言では表せないくらい本当にBUMP OF CHICKENに救われてきた。

「震える足でも進めるように 自動的に空が転がるように 次々襲い来る普通の日々 飲み込まれないでどうにか繋いでいけるように」

「そこで涙をこぼしても 誰も気づかない 何も変わらない 少しでも そばに来れるかい? すぐに手を掴んでやる」
「変わる景色に迷う時 微かな音が確かに響く 消える景色のその中に 消せない旗がある」

「勇気はあるだろうか 一度手を繋いだら 離さないまま外まで 連れていくよ 信じていいよ 息は持つだろうか 眩しい心の外まで 再び呼吸をする時は 君と一緒に」

「気にする程見られてもいないよ 生まれたらどうか生き抜いて」

「騙されても 疑っても 選んだ事だけは信じて 笑われても迷っても 魂の望む方へ」

殻にこもっていた弱い9歳の私から、人を、私自身を好きになれた15歳の私。誰にも言えない悩みを募らせていた9歳の私から、今でも散々悩んで迷っている15歳の私。いつだって彼らは側にいてくれたし、強引に殻を破ろうとする事も、無理に励まそうとすることもなかった。「僕らはこれだけ歩み寄ったから、あとは君がこっちに来てよ」と人懐っこく寄り添ってくれるだけ、「ここから先は君次第だよ」とリスナーに委ねる。BUMP OF CHICKENはすこし、リスナーの手助けをするだけ、だから私は自ら変わることが出来たと思う。

9月に開催された幕張メッセ公演から約5ヶ月の長いツアーが来月3月の福岡公演で終わる。9月に1度、そして受験を挟み今月10日のファイナルにも参戦したが、本当にこの人たちには敵わないなあと思うばかりである。このツアーで特に強く思ったのは彼らが音楽を続けていることは当たり前じゃないということだ。昨年の結成記念日に発表された「リボン」に「僕らを結ぶリボンは 解けないわけじゃない 結んできたんだ」という歌詞があるが、藤原は昔「繋いだ手は離せるよ 会いたいわけでもないよ」と歌った。しかし「手と手を繋いだら いつか離れてしまうのかな」とも歌ったのだ。手と手を繋いだら、いつかは離れてしまう。始まったら終わるのと同じだ。いつか離れる時を待たなくても、今すぐ離すことだってできる。しかし彼らは22年間、意地や恥ずかしさに負けず、心で正面から向き合ってきた。解こうと思えば解ける絆を何度も何度も結んできた。その事実だけで私は彼らに出会えてよかったと、心から思えるのだ。

藤原は常に普遍的な歌詞を書くが、今回のリボンだけは確実に4人だけの曲だと思っていた。しかし10日のリボンで藤原は歌詞を変えてこう歌ったのだ。

「側にいることを選んで “君の前にいるから” 迷子じゃないんだ」

リボンを結んできたことは、4人でいるためだけじゃない。君に会う為でもあるんだ。リスナーの存在を4人の曲の中で認めてくれた気がした。リボンは確かに珍しく私的な曲ではあるが、その時はこれは4人とリスナーの曲だ、と確信することが出来た。

藤原は9月の幕張メッセで「こうやってツアーの初めにお客さんに会うとああ、俺のやってきたことは間違ってなかったんだ、生きてて良かったって心から思うんだ」と、2月のさいたまスーパーアリーナで「話が上手くまとまらないけど、1つだけ言わせてください。僕達はバンドをやってきて良かった」と語った。5ヶ月間のツアーを通して彼らの思いは何一つ変わっていないこと、むしろ強く、確信に繋がった事がいちリスナーとして本当に嬉しい。

今まで大勢のリスナーを救ってきた曲たち、これからリスナーの元に届くであろう曲たちが存在することが、今回のツアーでこれからも君たちに届けていくよという彼らの決意が垣間見えたことがとても尊く思える。愛おしい彼らと彼らの楽曲がいつまでも大好きだと、心の底から思ったファイナルだった。今はBUMP OF CHICKENに「今までありがとう、これからもよろしくね」と、伝えたい気持ちで胸がいっぱいである。

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