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私の目に綺麗に映るもの

ELLEGARDENが教えてくれたこと

「人と同じになるのだけは絶対に嫌だ」
毎日そう思って生きていた。
普段高校では簡単に言えば、浮いていたのかもしれない。
自分が正しいと思ったこと、したいと思ったこと、面白そうだなって思ったことしか信じない。
私の生き方には敵が多すぎた。特に高校という空間の中では、あまりに息苦しくて目眩がしそうだった。
そして私の生き方には疑問を持つことが多すぎた。
社会に対して疑問しかなかった。何で?何で?何で?と全てにおいて聞き回りたかった。
ある日学校に髪を染めて行ったら怒られた。私は先生に「何で染めちゃいけないの?」と聞いた。先生は呆れきった顔で「校則違反だからです」と答えた。
まあ先生のセリフに関しては予想的中だった。やっぱり世界には疑問しかない。疑問と矛盾が渦巻いてるこの社会ではとても生きづらい。
何で髪を染めちゃいけないのか全くわからない。何で校則があるのかもわからない。高校生らしさって一体何?校則を守って私の学校のイメージを崩さないことに貢献するほど学校に義理はない。理屈っぽいのは嫌いだけど、個人を尊重する姿勢を目指してるこの日本で校則が厳しい学校はある意味それこそ違反であると思った。とてもとても生きづらい世界だと、毎日思った。
 
 

そんな訳で量産型になり損ねた私は欠陥品として、疑問と矛盾と敵に囲まれた生活をしていた。
しかし、こんなのは周りから見たらいたたまれないし、見苦しいだけであって、バカにする対象でしかない。
私に、周りの人達と分かり合おうとする気が全くない訳ではなかった。
分かり合えたら1番いいなと思った。分かってほしいなと思った。分かりたいとも思った。
でも私の生き方には敵が多すぎた。
思ってることを隠すことが出来ない。言いたいことを言ってしまう。正しくないことはしたくない。

そんな自分を抑制して、妥協すれば量産型に近付けるのかな、とまで考えるようになった。
「人と同じになるのだけは絶対に嫌だ」
そう強く思っていた自分はどこかへ消えてしまった。
ずっと持ってきた信念がポキッと簡単に折れる音がした。

寂しかったのかもしれない。
認められたいと思ったのかもしれない。
人間としての醜さが心の強さに負けてしまった。

でもどうやって。もう今更手遅れが過ぎる。
検品の途中で省かれてしまった欠陥品はもう量産型の良品の列に戻ることは出来ないのだと感じた。
 
 
 

そんな時、なんとなく音楽プレーヤーに繋いだイヤホンから聴こえてきた歌詞に、私は急に引き寄せられた気がした。
いつも流してる同じプレイリストなのに、いつもは聴き流していたはずなのに、本当に突然、その歌詞が私を捕らえて離さなかった。
 
 
 

「君の手に 上手く馴染むもの 君の目に綺麗に映るもの それだけでいい 君の手が今も暖かく 君と目が今も綺麗なら ただそれだけで 僕は笑う」
ーー ロストワールド / ELLEGARDEN
 
 
 

透き通っていて、でもそこには弱さの欠片もなくて、信念を曲げず、歌い続けてきた細美武士の歌声に殴られたような衝撃を受けた。
夢から覚めたような気分になった。
自分の気持ちの弱さに苛立った。
その通りだと思った。細美武士の言葉がストンと私の中に入ってきた。
我に返らせてくれた。

そして誰かに伝えたいと思った。
私はこんな人間だけど、これからもずっとそうやって生きてくよって、伝えたくてたまらなかった。
 
 

「いらないもの 重たいもの ここに置いていこう」

「何もかも 上手くやろうとか どれひとつな くさずにおこうとか 思う僕には 何も出来ない」

ーー ロストワールド / ELLEGARDEN
 
 
 
 

人生はタイミングだなと、思う。
全部神様に仕組まれてたみたいに、同じ学校の軽音部の、わたしと同じように浮いている男の子から声をかけられた。
「なあ、来年の後夜祭でバンドやらねえ?お前ギター持ってるし歌も歌えんだろ」
これだ、とすぐに分かった。
一発逆転だと思った。

学校で浮いていて名が知れているような人達が集まってバンドをやるとなると、評判は広まった。当然悪い意味で。
周りのみんなはどんなネタに出来るのかとわくわくしているのがこっちから見ててもわかった。

別に嫌な気は全くしない。言いたいだけ言えばいいと思っている。
ライブが終わったあとに、あいつら格好良いなって絶対言わせてやる。
本番は今年の9月。もちろん曲目はELLEGARDENのロストワールド。

もう迷わないために。
私の手に上手く馴染むもの、私の目に綺麗に映るもの、それだけを信じて、生きていくために。
大勢の前で宣言するつもりで歌おうと思う。

そして私を引き戻してくれた細美武士に届きますように。
皆に少しでも私の思いが伝わりますように。
 

ELLEGARDENが教えてくれた。ELLEGARDENがいたから、今の私がいる。
 

欲張りだけど、もうひとつだけ、見過ごしてほしい。
 
 
 
 

ELLEGARDENに会える日が来て、彼らに感謝を伝えられますように。
 
 

いつまで経ってもいいから、そんな日がに来ますように。

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