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がんばるのが苦手なあなたへ

がんばって、がんばれない人を応援してくれるバンド、愛はズボーン

わたしは、多くの音楽好きがそうであるように(偏見だろうか)自己評価がめちゃめちゃ低い。
 

今、大学3年生で就活をしている。これがまた、自信のない自分に向き合わなくてはいけない本当にキツイ時間である。
どうしても治らないコンプレックスが、ある。
 
 

最後まで、がんばれない。
 
 

……致命的である。バイトは上手くいかなくなったら辞めてしまうし、ギターを始めてもコードを覚えられなくて辞めて、ピアノも上達しなくなったときに興味をなくしてしまった。続いても、3年だ。
 

ゆとり世代?だろうか。みんながそうだと思えば、楽にもなれる。だけれど、世の中必死に頑張ってる人も沢山いるのは事実である。なんとも、自分が情けなくてならない。
 
 

あー、私もそうだなぁ、分かるーーー。
 
 

……とこの文を読んで思った人にぜひ、もうすこし辛抱して私の文章を読んでほしい。文章を書くのは得意ではないが、必死で書いた。本気だ。
そして、愛はズボーンのライブに、たどり着いてほしい。
 
 

「いや、ほんとにまじで、すごいいいんだよこのバンド、ちょっと聴いてよ」
 
 

そう言われて初めて愛はズボーンを聴いたのは、去年の11月頃である。正直に言うが、頭に???が浮かんだ。
ただ、サイケデリックな色のMusic Videoと歌詞のよく分からない言葉は、よく分からないからこそ頭から離れなかった。聴いてしばらくは、脳裏をチカチカしていた。
 

彼らが、私の人生を変えるライブをしたのは2017年12月の「下北沢にて’17」というイベントだった。下北沢のライブハウスのサーキットイベントで、好きなバンドが沢山出るイベントだったので足を運んだ。
 

タイムテーブルを眺めていると、どうしても、どのバンドを観ようか悩むタイミングがある。特に好きなバンドがないなぁ、この時間。
 

これを私は、運命のゴールデンタイムだと思っている。
自分主体で動くだけでなく、偶然の出合いを楽しむフェスやサーキットイベントならではの醍醐味だ。
 

この偶然の出合いを楽しむ機会は、最近ますます減ってしまっていると感じる。すこし前まで、CDショップに行けば沢山のCDが並び、「ジャケットがかっこいい」とか、「店長のオススメ」とか、そこでしかない出合いがあった。今はSpotifyやApple Musicなど無料・有料のサブスクリプションで気軽に音楽を楽しめる。その分、自分が求めているもの以外と、”意外と”出合うことが少ないのだ。
 

さて、話を戻す。その、下北沢にて’17で、運命のゴールデンタイムに選ばれたのは、愛はズボーンだった。少しMusic Videoを見たことがあって、なんだかよく分からない記憶が残っていたからだ。この際、こんな変なMusic Videoを作る人たちのライブはどんなものか、見てみたいと思った。
 

狭いライブハウスの中、人が満員で詰まっている。大きなSEとともに、メンバー4人が登場した。
驚いた。ギターボーカルのフロントマン2人が、イケメンすぎる。イケメンなのに、イケメンを売りにしていない。驚いた。私があんなに人を魅了する見た目だったら、きっとその見た目に甘んじて生きている。
 

彼らは、正真正銘のエンターテイナーだった。彼らは、彼らだけの音楽をやっていた。彼らは、誰にも似ていない。見たことがない。こんなバンド、見たことがない。沢山いろんなバンドのライブを見てきたはずだけれど、こんな音楽、知らない。
 

そこにいる観客全員を、文字通り、エンターテイン=魅了している。流行っている音楽に寄せたり、かっこいい見た目に頼ったりせずに音楽をやることは、どれだけ勇気がいることだろうか。ギターボーカル、金城昌秀の目の奥には、少しの臆病さと、それでも自分達の音楽を信じる決心、観客全員に伝える強い意思が感じられた。
 

途中で、急にロボットが出てきた。「図画工作」というらしい。意味がわからなすぎて、涙が出た。私は、いい意味での裏切りに弱い。意外性に心打たれる。突然出てきたロボット、一体何なんだ。彼らはバンドのキャラクターとロゴが印刷された風船を、ライブハウスにばらまいた。カラフルな風船と、下北沢shelterの低い天井、彼らの爆音が、とにかくサイケデリックで、軽いトランス状態に陥る。
 
 

……ふと気がつくと、泣きながら喘いでいた。信じられないくらい、泣いた。ライブを見てこんなに涙が出たのはいつぶりだろうか。NEWSの4人の活動再開ライブ以来である。(分からない人すみません)
 

がんばれない私は、がんばっている人に、弱い。がんばれないからこそ、がんばっている人に対する尊敬は、ものすごい。愛はズボーンは、がんばれない人のためにがんばっている。がんばれない人のためにがんばる人は、なんというか、世界一、優しい。
 
 

彼らの音楽は、優しいんだ。
 
 

彼らの音楽の優しさは、そのキャッチーさに一番表れている。がんばれないひとは、度々、音楽に、逃げる。音楽は、快楽をくれる。ベルクソンは、他に依存する快楽と、自分の内側から出てくる感情に付随する歓びを明確に区別している。
 

キャッチーで踊れる音楽、ノれるギターリフ、記憶に残る歌詞、そのライブの空気は、快楽をくれる。がんばれない私も、愛はズボーンのライブは、とっても居心地がいい。そこにたどり着きさえすれば、絶対に気持ちがいい。
 

だけれど、世の中には、与えられる快楽だけでは物足りないようにできているのだ。大学1年生から大学3年生までしっかり遊んできた私が愛はズボーンのライブで気持ちよく踊っていたとき、耳に入ってきた言葉はこんなものだった。
 
 

「死ぬ事忘れて遊びまくり それ死んだも同然 地獄
死ぬ事忘れて篭りまくり それ死んだも同然 地獄」
ーーMAJIME チャンネル ver.2.0/愛はズボーン
 
 

快楽は何かに依存しているのに対して、歓びは、自分ががんばった上でしか得られないものだ。歓びは、がんばった人の特権なのである。
愛はズボーンは、歓びを知っている。知った上で、快楽に逃げている観客に、必死で伝えようとしているのだ。がんばることは、他の何にも代えられない歓びとなる。その上に存在するものこそ、無敵の快楽だ。
 

彼らは本当に優しいのだ。がんばれない人に優しく、がんばることの大切さを教えてくれる。そして、背中を押してくれるのだ。
 
 

「99対1だとて『信じた道を貫きなさい』
綺麗事はTVの大きな音にかき消されました
僕らの時代です」
ーーどれじんてえぜ/愛はズボーン
 
 

冒頭にも書いたが、今私は就活の真っ最中だ。正直、やりたいことは?とか、あなたの強みは?とか聞かれても、何も思いつかなかった。やりたいことなんてないし、ましてや強みなんて、全くと言っていいほど思い当たらなかった。周りの人に仕事のことや就活のやり方などを聞いていたら、自分の本音が、分からなくなっていた。
 

もう何もわからない、逃げ出したい。就活なんて、適当に終わらせたい。どこでもいいから、内定がほしい。自分を認めて欲しい。
 

もうどうにでもなってしまえ、今はライブが観たいんだ、と投げやりになった。まさしく、逃げだった。そして下北沢にて’17に逃げて出合ったのが、愛はズボーンだった。
 

彼らは、この目の前の数十人のために、野暮な表現かもしれないけれど、がんばることの大切さを教えてくれている。下北沢の”シェルター”に逃げ込んできた人に、逃げなかったときの歓びを教えてくれている。
Gt.Vo.の金城昌秀の涙ぐんだ本気の目、同じくGt.Vo.のGIMA☆KENTAのパフォーマンスのクウォリティ、Ba.白井達也のメンバーを支えるリズム、Dr.トミナガリョウスケの風船とフロアに響くバスドラ、全てが物語っている。
 

そのライブを観て、決心した。一生をかけて、だめかもしれないけど、やってみたいと思った。
 
 

何としてでも、このバンドを、日本一、いや、世界一にしたい。
 

がんばれない人を、甘やかす音楽はいままで沢山出合った。愛はズボーンは、ちがう。がんばれない人に、怒るのではなく、がんばったときの魅力を全身で伝えることで、がんばらせようとしているんだ。その方が、幸せに、なれる。そう彼らは知っている。
 

誰かに対して、無条件に何かしてあげたい時は、知らず知らずのうちにその誰かに感謝しているんだ。映画『湯を沸かすほどの熱い愛』を観てから、そう思ってきた。
 

私は今、愛はズボーンに、何かしてあげたい。愛はズボーンを知らずに、がんばれなくて「はしっこ」に居る人たちに、教えてあげたい。良さがわかる人だけわかればいいよ!とは、正直全然思えない。世の中のがんばれない人みんなに、愛はズボーンのライブを観てほしい。
 

彼らの熱量は、もしかしたら、CDを聴くだけでは、伝わらないかもしれない。それでもいい、とりあえず、CDを聴いてほしい。そこまで惹かれるかは、分からない。……私自身、初めは消化できなかったのだ。
 

だけどそのあと万が一、どこかのフェスやふらっと行ったライブで彼らがライブをしていたら、絶対に、観てほしい。彼らの熱量は、本当に文章で伝えられるものではないんです。
 
 

彼らのライブを沢山の人に観てほしい。その気持ちが私に、行動するエネルギーをくれた。
ものすごく文章を書くのが苦手だけど、今、がんばって、書いた。少しでも多くの人の目に、留まってほしい。文章を書くことと、ライブに行ったり物販を買ったりしてわずかなお金を落とすこと、学生のわたしには今はこれくらいしかできない。だけど、いつか彼らの音楽が世界一になるように、がんばれない人を救うために、私の今後の人生を、使っていきたい。そのためなら、私はがんばれるかもしれない。
 

最後まで読んでくれたあなたがもし、愛はズボーンのライブに足を運んでくれたなら、私の初めての歓びにきっとなります。

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