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卒業おめでとう

H△Gとみんなの新たな一歩へ

学校の卒業式に行く電車の中、ずっとこの卒業アルバムを開いていた。
 

ボーカル、Chihoとコンポーザー&クリエイター集団から成るグループ、H△G。青春の青さと葛藤をテーマにした楽曲を数多く発表し、2月14日にメジャー1stアルバムをリリースした。

リリースされる時期と青春というコンセプトからしてピッタリのテーマであろう。彼らが掲げたアルバム「青色フィルム」のテーマは「卒業」。それを象徴するかのように、ジャケットには制服の女子高生の写真―しかし、彼らが作ったのは別れの涙で溢れる「学生の卒業アルバム」ではなく、どうも「みんなの卒業アルバム」らしいのだ。そしてそれはH△G自身も例外ではなく。
 

「神社の境内通り抜けたら、駅まで続くあの坂道。
遠くで聞こえた君の声は、踏切待ちに掻き消された。」(Track.1 アロー)
 

アルバムの1曲目にしてリード曲でもあり、ジャケットの写真を象徴するようなこの卒業アルバムの表紙、「アロー」の冒頭の歌詞だ。アルバムを通して最初の歌詞だ。自分の故郷のことを思い出した人もいるだろう。世界観―否、身近な学生・青春時代の思い出を一瞬にして呼び覚ますのはH△Gの真骨頂であり、得意技でもある。
 

「ひとりだけマスクをして写した記念写真も。
授業中、君がそっとくれたのど飴の切ない味も。」
(Track.1 アロー)
 

ドキリとした人いるでしょう?「マスク」「のど飴」と言った青春を過ごすのに身近な言葉を平気で使ってくるのもまたH△Gだ。ずるいよなあ。
 
 

そして2曲目の「さよならガール」のイントロが鳴った瞬間のことは忘れられない。なんだこれ、ダンスミュージックじゃないか!と自然に笑ってしまった。最近リリースされた曲を聴くといつも思うのだが、メジャーデビュー以降のH△Gはサウンド面で簡単に殻を破ってくる。インディーズ期のバンドサウンドを基調としつつ、毎回毎回聞き手のハードルを軽々と超えてくるのだ。まるで彼ら自身があっという間に成長していく少年少女のようだ。
 

アルバム中盤に登場するのは既発曲の3連続「夏の在りか」「イタズラなKiss と ラブソング。」「銀河鉄道の夜を越えて」。「夏の在り処」のイントロのピアノが鳴ってからは、まさに卒業アルバムをめくっているかのようにH△Gの歩み、そして過ぎ去った季節を振り返っていく。春夏秋冬、そして素敵な恋をしたこと―
 

「ピリオドノック 君が好きだよ
ピリオドノック ふたりがいいよ
わたし、友だちごっこを卒業するよ」
(Track.10 ピリオドノック)
 

このアルバムには、H△Gと親交があるミュージシャン4組が提供した曲も収録されている。「ピリオドノック」はORESAMAの提供曲。インディーズ期にはスプリットアルバムを数多くリリースし、メジャーデビューしてからも地元、岡崎での活動にこだわるH△Gの卒業アルバムへ、友達からの嬉しい寄せ書きだ。
 

「卒業」―。アルバムを裏返せば、背中合わせに駅のホームに立つ高校生の男女がいた。卒業式を迎えるわけではなくても、この距離を縮めたい―そうやって一歩踏み出したら、それは「卒業」。今までの自分からの「卒業」だ。青春の中のみずみずしいドラマが背中を押してくれる。
 

そしてこれは同時にH△G自身の卒業アルバム。彼らは1stアルバムまでの旅を終え、また新たなネクストフェーズに旅立とうとしているのだ。ボカロカバーアルバムのリリースからメジャーデビュー、タイアップといった激動の1年を終えて、H△Gは次にどんな旅をするのだろう。どんな成長を遂げるのだろう。そのときにはどんなアルバムを見せてくれるのだろう。楽しみでたまらないのだ。
 

アルバムを開けたら、挟まっていた桜の花びら。青春の思い出を存分に浴びながら、未来の自分に思いを馳せるのもいいだろう。もうすぐ春がやってくる。その前に新たな一歩を踏みしめたH△Gへ、そしてすべての青春時代を過ごしたあなたへ、
 

卒業おめでとう!

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