1087 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

さよならから始まったサカナクションとの出会い

エモーショナルはセンチメンタル

去る2015年春、勤めていた会社を
私はクビになった。
人生で初めての「クビ」。

30歳過ぎた働き盛りの独身で健康的な体、
頭脳を持ち、中肉中背、至って特徴的でも
無い普通の容姿、世の中の人と
そう変わりない感覚を持って仕事をして
普通に生活をしているつもりだったが、
どうやら社会人の中にある暗黙の
“斯くあるべき姿”の基準値を知らず知らずのうちに
遥かに下回っていたようで、
自身でも実は薄々心当たりはあった。
仕事への「モチベーションの放棄」。

自業自得のクビだが、現実となるとこれが
案外、3月のまだ寒い夜の帰り道に一人
帰路に着くまでアルク30歳過ぎの私の心身に
結構堪えるもんだから虚しさMAX。

いつになく家に帰りたくなく、
橋を渡っている最中に、そのまま
川に身投げしてやろうか?という気分になったが、
何があっても生きなければならないのが生き物としての宿命の様な気がしてすぐにその考えは、川に捨てた。
会社もついでに捨てた。

そして新たな職探しのネットサーフィンの
日々が始まり、時折気晴らしに無関係な
サイトへ波乗りしていると
「日本の格好良いロックバンド」を管理者の独断で
紹介している島に辿り着いた。
お勧めのバンドのMVのURLが載っており
何組か観た中で、今の私の心に引っかかったのは、
サカナクションの
「さよならはエモーション」だった。

不規則な深夜生活を送っていた為、
深夜に波乗りする事が多い無能、無職な私に
この「無色な」MVは視覚・聴覚から
私の心に寄り添うような形で私の目の前に
突如現れたのだ。

現代アートのビデオインスタレーションの如く、
観ている側のイマジネーションを
掻き立てるような世界観に釘付けになり、
気がつくとリピート再生して歌詞を調べ始めていた。

「ヨルヲヌケ アスヲシル
ヒカリヲヒカリヲヌケ」

疾走感のあるメロディーに乗るこの歌詞に
私は今の自分にしか見えない絶望の中から
微かに見える希望の光を見いだす事が
ようやく出来たのだった。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい