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2017年4月4日

しんじつ (36歳)
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生きていく意味

エレファントカシマシ

エレファントカシマシ。
もちろん知っていた。歌も聞いたことがある。
ボーカルの宮本さんはなんだかテレビで見かけるといつも独特だ。
今から10年以上前のフェスでも見たはず。
その時は次のミュージシャン目当てだったから、とりあえず見ておこうという感じだった。
私達がフェスに来たのに、ようこそーって言ってくれるんだー。優しいじゃないか。私はこの人は怒りやすい人って思ってたけどな。という印象。
曲なんてひとつも記憶に残ってない。歌声も。体いっぱいのようこそー!だけは残ってるけど。

今から思うと本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

そのくらい、今は私が生きていくうえでエレファントカシマシは欠かせない存在になった。
それもあっけなく。

きっかけは、ブラフマンと明日なき世界を歌っていた宮本さんをテレビで見たこと。

番組自体が素晴らしく、私は他の出演者にも感動していた。録画しておいたその番組をあとで見返したとき、どうしても明日なき世界のところばかりを見てしまった。
明日なき世界はエレファントカシマシの歌ではないことをわかっていたけれど、宮本さんの歌をうたうことのよろこびのようなものが伝わってきて何度も何度も見た。

細い体で髪の毛をぐしゃぐしゃにしながら、力強く、男らしく歌う姿にきっと多くの人が心を動かされたことだろう。

そこからは私の知らない最近のエレカシや昔の聞いていないエレカシの曲に興味を持ち始めた。
エレカシ。なんかオトコ臭くて暗い感じがする。という何とも今思えば愚かな先入観が私の頭の中に浮かんだ。
 

ちょうどその時の私は、とある理由でもう生きていくことがいやになってしまっていた。それまでは割と順調な日々を送っていたはずだった。私の人生、それほど悪くないとさえ思い始めていた。そんな時にほんの些細なことで日常って変わるのだということを目の当たりにして、本当に本当に生きていたくなかった。そんな日は突然やってきた。

生きる意味を考えたのは、もう何年も前だし、結局生きる意味なんて考えるのは無駄だって自分の中で結論を出して、ずいぶんとすっきりしたはずだった。いろいろな本を読んで、小さな頭で考えて出た結論はそれだったのに、また生きていく意味を考えてしまう日々が始まってしまって本当に辛かった。

また昔のように本屋へ毎日通い、自分の心に何かひとことでもいいから希望をくれるようなことばが載っている本を見つけるのに必死になった。今、思えばそれはほんの気休めで、本を読む事で他のことに集中したかったのかもしれない。

これだと思った本を買って家で読もうとしても、全然頭に入って来なくて読んでいない本ばかりが、自分の部屋にたまっていった。
 

生きていく意味を考えることは決して悪いことではないと思う。

生きていく意味を考えたことのない人を嫌だとさえ思うときもある。

それでもまた人生で何度目かの生きていく意味、生きていかなければいけない意味を考えなければいけないこの状況。本当に毎日が苦しかった。苦しくなるあの前に戻りたかった。

生きていく意味を考えるなんて、一体何があったの?誰かに聞かれて、ほんとうのことを答えたとしても、きっと他人は笑うだろう。そんなことと。そんなことが辛いの?と。もっと世の中には辛い人がいるんだよと。
 

そんなことわかってる。理解しているけど、本人にしかわからない悩み。まるで思春期の高校生みたいだ。大人になっても人はまだまだ悩むのだ。

まわりのひとを見渡せば、それぞれ問題を抱えているかもしれないのに、皆が幸せに見える。
 

そんな時だ。
 

エレカシは私に光をくれたのだ。
どんな歌を聞いたって前向きにしかなれなかった。
そこからはライブDVDを見る毎日。

一生懸命歌うエレカシを見て、前向きになれない理由なんてひとつもなかった。まるで、今の私の状況を知っているかのような歌詞。何なのだろうこれは。
 

今だ。
今だから私にはエレファントカシマシが響いたのだ。

10年以上前のフェスでは、何にも感じられなかった自分。当たり前。あの時は悩みなんてなかったし、何も考えず生きていた自分。いくら目の前で宮本さんが歌ってくれても何も響かなかった自分。

きっとこうしてエレカシに救われたひとが世の中にたくさんいるのだろう。私はそう思った。エレカシが好き。
言葉にすれば一言で終わってしまうけれど、その中にはきっといろいろな想いがつまっているのだろう。ひとりひとりのエレカシがいるのだろう。

音楽は素晴らしい。
歌が持つ力。

こうして言葉にしてしまえば、どこにでもありそうな言葉だ。けれど、私はエレファントカシマシに出会って本当に恥ずかしいくらいそれを今感じている。
 

どうしてもっと早くエレカシの良さに気づかなかったのだろうとおもったけれど、違う。
それは今だったから。
人はみんな違う。様々な状況で音楽に出会い、その人の何かになっていく。何にもならない音楽もあるのかもしれないけれど、エレカシは間違いなく私の何かになっている。間違いなく。

本当にエレカシに出会えてよかった。

今日もきっとエレカシは誰かを力強く励ましてくれている。すごくストレートに熱く。まっすぐに。
こちらもそれを真剣に受け止めていきたい。

人生はわからない。
生きていく意味がわからなくて悩んでいたのに、生きていくのに必要な音楽に出会ってしまうのだから。

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