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そして星野源はつづく

今の時代になぜ必要なのか

 2018年に入り、源さんの勢いがより一層加速しているように思う。2月28日に11枚目のシングル『ドラえもん』発売。そして4月2日放送開始のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」の主題歌に新曲「アイデア」を提供。昨年2017年はシングル『Family Song』の発売のみだった(『Music Video Tour 2010-2017』もリリースしているけど。)ので、今年は沢山の音源が届けられるかもしれない。何より、まだリリースされてない曲がある(「Hello Song」、「Non Stop」)。
 フジテレビの番組「めざましどようび」に「Week End」、おなじくフジの「ノンストップ!」に「Non Stop」を。そしてこの春からの「半分、青い。」に「アイデア」をそれぞれ提供している。ここまで朝のイメージが最近強まっているのは、「国民的」になりつつある(いや、もうなってる?)証拠なんだろうなあと、ファンとしてすごく嬉しい。なぜなら、源さんの「イエローミュージック」がちゃんと浸透している、ということを感じるからだ。
 DREAMS COME TRUEや久保田利伸が行ってきた「ブラックミュージックを日本人なりに再解釈して、新しいものに作り変える」ということを源さんは受け継いで、例えば「ドラえもん」のイントロが「ニューオリンズと笑点のフュージョン」だったり、より具体的に「イエローミュージック」を形にしている。そしてなにより、それがきちんと大衆的なのが、すごいというかなんというか。ブラックミュージックをそのまんま真似して曲を作るのではなく、そこに日本らしさを加えていく、織り込んでいくのは本当に難しい作業だと思う。2018年の2月20日のANNでJustin Timberlakeの「Morning Light(feat.Alicia Keys)」を流したときに「自分のルーツと今の音楽を混ぜ合わせてアップデートしていて、本当に大好きなアルバム」と語っていたのも、こうした部分が関係しているのではないか。
 「Continues」という曲、ツアータイトルに込められた思いはこれからも源さんの核になっていくんだろう。細野晴臣をはじめとした日本のミュージシャンが紡いできた音楽の「バトン」は、源さんが受け取り、そして未来へ繋がっていく。そうした先達へのリスペクトが、確かな強みなんだろうなと感じる。
 『YELLOW DANCER』以降の作品で顕著なのは、歌詞が「誰も見捨てていない」という点だ。「恋」は、あらゆるジェンダーや虚構への恋慕を肯定しているし、「Family Song」はあらゆる家族の形を前提として歌詞が書かれている。こうした歌詞はたぶんこれまでなかったし、しかし一番‘‘今‘‘に向き合い、「普通」の概念を批判している。「どんな形の友情や恋、家族を肯定していく」というメッセージがポップソングとして社会の中で消費されていくことはとても平和で、しかし革新的だと思う。
 『ばかのうた』は源さんのファーストアルバムで、その1曲目「ばらばら」は、自分たちはいつまでもばらばらのままで一つになんてなれないのだ、と歌っている。そして『Family Song』のカップリング曲「肌」にも、「一つにはなれない」「二つにしかなれない」という言葉が出てくる。でも決して、源さんは絶望的な意味でこうしたことを書いたのではないと思う。「Friend Ship」について、互いに依存しない関係のすばらしさを語っていた。つまり、依存していないからこそ、相手を客観的に見ることができるのだと。
 自分たちが「普通だ」と思っていることは、実はそれに依存して他のことを客観的に
見れていないだけなんじゃないか。あらゆるものが多様化しているこの時代には、相手を客観視することが大切なんじゃないか。そして、それには源さんの音楽が必要なのでないか。

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