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PENGUIN RESEARCHというロックバンドを知っているか

1つのライブが私に届けてくれたもの

PENGUIN RESEARCHというロックバンドを知っているか。

私は所謂アニメオタクと呼ばれる人間である。好きな演者がいて、その演者が出ているアニメを探しては見るという何気ないオタク生活を送っていた。
ある時、ずっと見ていたアニメの次作が放送されると聞いた。好きな演者が出ていたし、ストーリーも面白くてとても楽しみにしていた。アニメを見る者としてかなり偏りがあると自分でも思うのだが、私は基本的にアニメのオープニング・エンディングは見ない人間である。早く内容が見たくて急いてしまう気持ちがあるからだと思う。
話が逸れたが、そのアニメの第1話も本編を見て満足な気持ちで何気なくエンディングを見ようかなと思いそのまま見ていた。すると、歪ませたかっこいいギターから始まるロックが聞こえてきた。イントロのギターだけでなく、ギターの音に乗って聞こえてくるピアノの音も驚くほどすっきり聞こえてきてとても印象的だった。そのバックで聞こえるドラムやベースなどのリズム隊も誰にも止め難いほどの勢いが感じられるような曲だった。その様々な楽器の上にボーカルの歌が重なる。Aメロの音が低いメロディーをそのボーカルは最高に楽しんでるように私は聞こえた。サビ直前の一瞬楽器の音が止まりボーカルのみになる所で一気に曲に引き込まれるような錯覚を味わった。とにかく何回聞いても聞く度に新しい音の存在に気づかされたり、新発見が止まらないという印象だった。
「ジョーカーなんて来ない 均等な不幸など 頼るな 縋るな 泥水でしゃんと目を覚ませ」
何よりもこの歌詞が曲が終わった後でも頭を離れなかった。ジョーカーとはご存知の通りトランプゲームで切り札とされるカードである。このカードを手に入れたか手に入れないかでゲームの戦況は大きく異なる。
“そのジョーカーが来ない。均等な不幸に頼ったり縋るな。泥水で目を覚ませ。”
一見何を言ってるか分からないように聞こえる歌詞かもしれない。しかし当時の私にはとてつもない衝撃を与えた。
ここでいきなりではあるが私自身の話をさせて欲しい。私はこの曲を聞いた当時、高校3年生になる直前という時だった。学校では早々と受験に備える雰囲気が漂い、模試に明け暮れる毎日だった。行きたい大学を決め真剣に勉強していた矢先、ある時期から全く成績が伸びなくなった。私は「きっとみんな自分と同じ状況で成績が伸びていないに違いない」て思った。ところがそんなことはなく、周りの友達は着々と成績を伸ばしていた。「私だって努力しているのに。なんで。どうして。」そんな風に思い悩む日が多かった。
そんな時にこの曲を聞いて、私は自分自身がいつか来るかもしれないジョーカーという切り札に甘えていつか自分は報われるはず、と信じ込み努力し続けることを忘れているのではないかと気づいた。自分はあてのない何かに縋ろうとし、友達はあてのない何かではなく努力し続けるという確かなことを貫いていたのだということだ。まさに寝ぼけていた頭に冷水をかけられしゃんと目を覚ますことができた感覚だった。
このときに出会ったロックバンドこそPENGUIN RESEARCHであり、『ジョーカーに宜しく』という曲だった。
それから何回も『ジョーカーに宜しく』を聞いて、努力し続けることを忘れてはいけないと自分を戒めた。また、PENGUIN RESEARCHの他の曲も勉強の片手間聞くようになった。今まで気になった曲はすぐリピートして聞いていたが、勉強する時は集中できなくて聞かなかった。しかし、PENGUIN RESEARCHだけは聞いていると歌詞が全て自分へのメッセージのように感じられて勉強中に背中を押してもらうような感覚で聞いていたいと思った。
来る日も来る日も登校中や下校中もPENGUIN RESEARCHの音楽が常に私を支えてくれた。いつからか私は受験が終わって最初に行くライブはPENGUIN RESEARCHがいいと思うようになっていた。それ以前も別のロックバンドのライブには時たま足を運んでいたのだがこんなに強く行きたいと思うライブは私の人生において無かった。
無事、受験を終えて第1志望の大学に合格し、私は意気揚々とPENGUIN RESEARCHの東京ワンマンライブのチケットを取った。あまり東京に行ったことがなかった私には1人で東京に行くなんて昔だったら到底考えられなかったことだと思う。母にもかなりの心配をかけた。
ライブ当日、地元から東京行きのバスに乗り、東京に着いた。東京に着いた足でそのままライブ会場へ向かったのだが、その日のライブはソールドアウトしていたので、ペンギンのロゴがプリントされたTシャツを着ている人が大勢いた。その数にびっくりしたしこんなにたくさんの人がPENGUIN RESEARCHが好きなんだと心から感動した。
いざ会場に入ると、すでにたくさんの人たちの熱気で思わず入口で立ち止まりそうになるほど圧倒された。私は一般チケットを取ったので、前に行くことは考えず後方でステージが見えそうな位置を確保した。
そうして待っている間にライブが始まった。一言で言うと、ずっと感動しっぱなしだった。受験期あれほど私を支えてくれた音楽を、生でメンバーが目の前で最高の笑顔で鳴らしてくれていたという感動は今でも忘れられない。そこで聞こえてくる音楽に私は笑ったり涙したり、力いっぱいの拍手を送ることで精一杯だった。ロックバンドとはこんなにも人を感動させるのかと身にしみて感じた。最初から最後までライブハウスを震わせるほどの観客の熱い歓声と帰る時のファンの人々のとても満足した笑顔を私は一生忘れないだろう。
PENGUIN RESEARCH今年の1月にNew EPとして『近日公開第二章』をリリースし、3/25にはZepp DiverCity TOKYOでのワンマンライブが控えている。この公演は既にソールドアウトしている。3/25にきっと彼らはまた溢れんばかりの歓声を浴びて最高の音楽を聞かせてくれるのだろう。
PENGUIN RESEARCHというロックバンドは、CDで聞くだけでは知ることのできないバンドの力強さやパワー、そして様々な問題に立ち向かう人々1人1人に大切なメッセージと最高の音楽を届けてくれるロックバンドだと私は思っている。

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