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2017年4月7日

しょたおじ (21歳)
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ありがとう

~SUPER BEAVERが私にくれたもの~

心に響く歌詞と自分の過去が重なった瞬間だった。
 
 

私は、小学3年から野球を始めた。
練習相手は祖父。夕食前に野球をするのが日課になっていた。
小学4年生になると私は少年野球に入り、本格的に練習するようになった。ボールもバットも変わり、練習相手も父に代わっていた。当時を思い出すと祖父は寂しそうな顔をしていたかもしれない。

中学に進学し、入部したのはもちろん野球部。
不意に祖父から「野球をやっているところが見たい。」と言われた。
「高校になったら見に来てよ!」と返す。
まだ、いいプレーができる自信がなかったのだ。
それから、祖父にかっこいいところを見せたいという想いで練習するようになった。
しかし、入部から半年後、肩を悪くしてしまい、上手く投げられなくなった。自分の思い通りのプレーができない悔しさ、チームにかかる迷惑が大きくなっていくのを感じた。
野球=辛い になっていた。
怪我が治らないまま、引退。卒業。

高校に進学したとき、野球部には入れなかった。
祖父にもそのことを言い出せないでいた。
しかし、祖父はそのことを察してくれていたのか、野球の話はせず、
勉強の方を応援してくれるようになった。
「いい大学に行きなさい。いい大学に行けば何か見つかるから。」
その言葉をもらった3日後、祖父はがんで入院した。余命は3年。
私は、当時入っていた部活を辞め、嫌いな勉強を始めた。
いい大学に行くことを約束した。

体調が悪化したと聞き、お見舞いに行ったときのこと、
とても大きく、ずっしりしていた体の面影はなく、痩せて小さくなっていた。
声もかすれてしまっていた。その辛そうな表情を見ると、なんだか怖くなってしまい、何も言葉をかけることができなかった。元気づけることができなかった。
がんって怖いね。人ってこんなに変わっちゃうんだね。と悲しくなった。

数日後、祖父は亡くなった。
 
 

私はSUPER BEAVERの”ありがとう”という曲を聴くと祖父を思い出す。
 

“「あなたに会えてよかった」なんて
  どうでもいいほど 当たり前でさ
  だけどね 言わなきゃね 死んじゃうから僕らは
  ありがとね 愛してる
  ありがとね ありがとね   ”
 

” 何度も何度も「ありがとう」を
忘れて忘れて見失って
失くして悔やんで また気付いて
何度もあなたを思い出して ”
 

祖父は私を受け止めてくれた。
祖父は私に約束をくれた。
祖父は私に虚しさをくれた。
祖父は私に大切をくれた。

歌詞が自分と重なり、感情が溢れる。
アーティストとの繋がりを感じられる瞬間だ。

SUPER BEAVERは私たちに大切なことを教えてくれる。
飾らないストレートな言葉を歌に乗せて、伝えてくれる。
だからこそ好きだ。だからこそライブで見たいと思う。
私は、曲だけでなくその人柄にまで惚れているのだ。

私は、この曲を聴いたときに決意した。
当たり前なことほど大事にする。
ありがとうと言う。     
死んじゃうから僕らは。

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