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DIR EN GREYの音楽と歩んで

人生と共に輝き続けるもの

 かれこれ15年ほど前、初めてDIR EN GREYのライヴを体験した。まだバンド名の表記も頭文字以外は小文字の、Dir en greyだった頃で、モッシュ・ダイヴも完全に禁止される前のこと。オールスタンディングのアリーナ席はブロックで区切られ、各ブロックに信号が設置され、それが赤色に灯った場合は中止せざるを得ないことになる、といった説明だったと記憶している。
 あの日、あの15年前の1月、横浜アリーナで体験した強烈な音の記憶は、強く今も残り続けている。その後のツアーも数回参加した。あの頃の私はまだ若く、そして若さゆえの不安定さを持っていて、音楽に縋って生きていた。(現在も音楽は拠り所であるし、生活の一部となっている。)

 私はDIRをずっと熱心に追ってきたファンという訳ではない。
 バンドの存在を知ってからCD音源を手に入れ、聴き込んで数年後に初めて、横浜アリーナでのライヴへ足を運んで、その後何度もライヴに通った。赤坂BLITZ5daysの最終日、10月の寒風吹きすさぶ日比谷野外大音楽堂公演、真夏の日本武道館2days、他にもたくさん。
 そして何年か経って、新譜をチェックするだけになり、ライヴからも足が遠のいてしまう時期にさしかかってしまう。仕事で独立したり、大きく変わっていくそんな人生の様々な局面。そばでいつもDIR EN GREYの音楽が鳴っていた。

 それは最新作のアルバムの曲ではないかも知れない、でも、私のポータブルオーディオや家のオーディオから流れてくるのは、大好きな彼らの音だった。

 2014年、初期の作品であるアルバム「GAUZE」の再現ライヴ・ツアーが発表され、私は友人から譲ってもらったチケットで、数年振りにDIR EN GREYのライヴに触れた。
 後方でじっと聴いた音は、彼らの今の音で、現在進行形がとんでもなく格好良くて、大好きなんだと深く痛感するのだ。

 空白期間を埋めるように、音源や映像を買い集め、じっくり聴く。
 DIRは直接的な表現で救いの手を伸べたり、リスナーを甘やかしはしない。昔からずっと、そういうバンドである。
 でも、共に苦しみ伝えられる痛みに、こちらは勝手に共鳴して、深く深く胸に響く。

 私の人生の傍らに、存在していてくれるバンド。大人に成った私が感じる、彼らの音楽。
 痛みが伝わるのに、赦されている心持ちになる曲。
 「Withering to death.」という作品に収録されている、「悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱」という曲の一節
 

[ 今だけでもいい 生きてください]

*悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 引用
 

 生きることの目的も不明瞭な中、この歌詞はぐっと胸を熱くさせ、涙を流したのをとてもよく覚えている。

 変わっていくのが常だ、人も環境も、そしてバンドも。
 それでも、人生の傍らで、音を彩ってくれたDIR EN GREYを、私はこれからも愛するだろう。

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