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青い炎を燃やすバンドWOMCADOLE

「今宵零時、その方角へ」から

「滋賀のスーパーロックバンドWOMCADOLE」。自らをそう名乗る4人組。ビジュアルだけを見れば、前髪を伸ばしがちで、スウェットにスキニーを着てそうで、巷にあふれるバンドと変わりがない。しかし、いつだってまっすぐ、直球ストレートで聴く人の心臓に投げ込んでくる、若くして本物のロックバンドだ。
 

そんな彼らが、先日『今宵零時、その方角へ』という題名のアルバムをリリースした。
発売前からMVが公開されていた『月』から始まり、そのあともいくつかの曲に「僕」から「あなた」へ恋心が描かれているが、もちろん安っぽい恋愛ソングではないし、恋愛ソングと思って聴いても熱くて苦しいくらい切ないのだが、単純に恋心を歌っているわけではないと聴けば誰もが思うだろう。

真夜中の0時。部活で先輩に怒られて、悔しくて、やるせなくて涙が止まらない夜。模試の成績が一向に上がらないまま迎えた面談の日の前夜。周りには部活とか勉強を頑張っている人がいるのに、自分だけ何もせず止まってると空しくなった夜。どれも、他人にとっては些細なことかもしれない。しかし、「こんな小さなことで寝むれなかったの」なんて言われたら、むきになって言い返すにちがいないくらい、こっちは苦しいのだ。青臭い感情は、いつだって答えがどこにもないと不安で、どこかにあるかもしれないと探して焦ってしまう。考えるだけ無駄だと思うけど、頭から離れないからどうしようもない。時計の針は12を通り過ぎてしまう。

私が苦しいくらいの大恋愛をしたことないから、歌詞を勝手にすり替えて考えているだけかもしれないけど、こんな風に何かでいっぱいになってしまった夜のことを歌っているように感じる。恋焦がれる気持ちは、深くたどれば、何かをかなえたい気持ちや負けたくない気持ちと似ている。とにかく必死で見苦しいところとか、まっすぐひとつだけを見ているところとか。

また、悩んでる側は、その悩みを理解してほしいわけじゃなくて、乗り越えるのに協力してほしいわけでもなく、気持ちが溢れてしまって処理に困っているだけである。こうやって、誰かが代弁してくれて、思いをぶつける先があるだけで、よく眠れるようになる。私は、「今宵零時、その方角へ」がその役割を果たしてくれることを望む。アルバムを聴いてすぐに、答えが待っている「その方角」を見つけられるとは限らないけれど、いつもと違って今夜は、不確かである「その方角」を信じることならできる気がする。

ここまで、感情だけで抽象的な話を進めてきてしまったが、難しいこと考える前に心が動かされるんだから仕方ない。ロックバンドWOMCADOLEの鳴らす音楽が詰まっているアルバム。突き進む彼らが見逃せない。

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