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スーパースターには程遠いけど

back numberと私の足跡

テレビから綺麗なメロディが聞こえ、視線を移した。ヒゲを生やした厳つい男が綺麗な歌声で歌っている。back numberというバンドらしい。曲は「思い出せなくなるその日まで」。エントリーシートを書くのも忘れて彼らのことを調べ始めた。

彼らを知れば知るほど、好きにならない理由がない。同じ群馬県の出身。バンド名の由来は、好きだった女の子から見たら自分は過去のもの、バックナンバーだから。なんてロックバンドらしくないバンドだ、と思った。ただ、そんな彼らの作る楽曲は私の生活に欠かせないものになった。

当時は2012年、大学4年生。就職活動に失敗していた。何がしたいとか、どうなりたいとか、建前で偉そうにペラペラと語っていたけれど、心の中で何を言っているのかと内心思ってしまっている。おまけに大した実績があるわけでもない。そんな薄っぺらな人間に内定が出るはずもなく。そのくせプライドだけは一丁前にあるから、自分にも周りにもそれなりの言い訳を話して体面を保とうとする。本当に辟易とした、自分に。その癖、自分の弱さと一向に向き合おうとしない。ただただ現実から逃げていた。好きな音楽を聞くことで自分の殻に閉じこもる。今考えると完全にやばいやつだったなと思う。そんな中back numberのライブに足を運んだのは冴えない自分の選択としては優れた選択だった。back number@ Zepp DiverCity Tokyo
そのライブで人生の1曲と出会うことができた。「スーパースターになったら」だ。
この曲が、振られた女の子にもう一度振り向いてもらいたいからスーパースターになって迎えに行こうという恋愛の曲であるのは間違いない。
ただ、当時の自分には、過去の自分に対する決意を歌う歌に感じられた。

‘このまま終わってしまうのは
 絶対嫌だなって思ってて
 それでも何もせず変化を
 待ってたら君もいなくなって’

夢を抱いて上京した過去の自分を今の自分は否定して、なかったものとして生きていないか。

‘君を取り戻す手段はひとつ
 また好きにならざるを得ないような人に’

過去の自分に顔向けできる自分になるために、今を精一杯生きなければいけないのではないか。

今と過去では状況が違うから、と昔の自分に言い訳をしている口だけの自分。過去の自分は未来の自分に夢を見ていただろうし、自分のかっこいい姿を想像していただろう。そんな昔の自分を裏切っている今の自分を露わにさせられた気がした。それは考えれば当然のことだろうと思う。back numberはいつだって自分を取り繕ったり、カッコよくみせようとしていないのだから。情けないところを自らさらけ出すことで私たちにいつも勇気をくれていた。そんな彼らに私はスーパースターの姿を見た。

そして今2018年。私はもう27歳だ。その後の私はどうかというと、今だ、スーパースターとは程遠い。結局大きくは変われていない。好きでもないが続けられる仕事を淡々とこなす日々。未だ昔の自分には堂々と顔向けできる気がしない。一方back numberと言えば、その根本のスタイルを変えることなく、積み重ねた結果として多くの人のスーパースターになってみせた。彼ら自身は自分達のことをスーパースターなどと1ミリも思ってはいないだろうが。
私もいい加減変わらなければいけないのだろう。彼らのように多くの人を支えられる人間にはなれないとしても。18歳の私くらいは、スーパースターになって迎えに行こう。

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