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忘れられないあの日

銀杏BOYZのライブは私の人生をやっとスタートさせてくれた

「これ読んで」と渡された青りんごの可愛いノートはちょっと固めの素材で、おもいっきりこれで殴られたら痛いんだろうな。と思うぐらいに四角い角は鋭く、凶器のように感じた。

中学2年の夏、授業終わり、正門前に呼び出された。恋沙汰ではない、友達に呼び出されただけ。
最近その子たちと時間を過ごすことは少なくなっていて、向こうが明らかに私のことを避けているのは誰がどう見ても分かる状態だった。
そんなある日の学校帰り、急に正門前に呼び出された。
私を抜いたグループ3人がそこにいて、私がくるなり急にその青りんごの可愛いノートを渡してきた。
「なんだろう」って思って読んだそのノートは自分を抜いた3人がずっとしていた「交換ノート」で、
内容は、もうお分かりの人もいるだろうけど「私の悪口」だった。

私は人間関係を誰とでもうまく築き上げれる自信があった、テキトーにその場しのぎの人間関係を築き上げていた。
どうせ人は裏切るし、私も裏切る、だからテキトーにやるのが一番だと思っていた。
そのテキトーさが気に入らなった彼女たちは私のいわゆる「八方美人」をノートにここぞとばかりに書き溜めていたのだ。

それを始めて見た時、後頭部を鈍器で殴られた感覚で、膝から崩れ落ちそうになった。
ああ、こうゆう表現はよく本で読むけど、本当なんだなって、この世界に生まれてきて、初めてその感情になって、その感情を言葉にした人に「私、あなたの気持ち今ならわかりますよ」って言ってあげたかった。

そしてその瞬間、私はもう誰とも関わらないことを心に決め、学校に行かない日々が始まった。
いわゆる不登校というやつだった。

でも不登校になった日々はもちろんつまらなくて、当時はやっていたアバターを作るチャットをひたすら徘徊しては、同じ境遇にいるであろう人たちと話をするだけで、なんにも楽しくなかった。
そんな時、パソコンでユーチューブを見ていたらあなたにオススメに突然現れた
「銀杏BOYZ」というバンドの「SKOOL KILL」のライブ映像。

スクールキル?って読むのかな?なんて出来心でポチっと押してみた。
冒頭のMCを含めて、その映像は5分17秒。
その映像を目で見て受けた衝撃は今だに忘れられず、ずっと心の奥底で生きている。
実際何を言っていたのかもなんて歌ってなのかなんて当時は聞き取れてなかった、それでも峯田和伸という人間に画面越しに出会ってしまったその日、
今まではずっと、どうにかして光を探しながら前を向こうと生きていた自分だったけど、「こんな闇を受け入れて生きてる大人」がいてるこの世の中は、もしかしたら楽しいのかもしれない。と思った。

もう今までの自分じゃなくていいし、好きなことだけやったらいいんだ。
そう思った。

その後、すぐにツタヤに行って「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」のアルバムを借りた。
全曲、全曲自分のために作られた曲だと過信して、学校に行こうと思った。

学校に行けば、青りんごノートを渡してきたあの3人は明らかに嫌そうな顔をして、私の背後で悪口を言ってくるし、
全然話したことのない女の子たちが「インフルエンザだったん?大丈夫」と謎の心配をしてきた。
「そんなわけねえだろ」って思いながら「うん!ありがとう。もう大丈夫」なんて言ってみる。

その日から私は学校の休憩時間はずっと一人で、MAJORを読んでいた。
私も入りたいな三船リトルなんて気持ちはどこにも届くわけはなくて、誰にもその気持ちを話すことだってできなかった。
もちろん、体育の授業では友達がいなくて最後までグループに入れなかった。
その時始めて気づいた「ああ、私友達いないんだな」って。

今までだったら、テキトーに媚びでも売っておもしろくもないコイバナに付き合ってバイバイする時間を過ごして関係の修復を考えていたんだろうけど、
その時の私は「銀杏BOYZ」のおかげで最強だったから、もう一人でも、大丈夫だった。

_今は苦しくても 今は悲しくても 君がいるから そばにいるから 僕にはなんでもできる
(YOU&I VS.THE WORLD)

私にとっての「君」は銀杏BOYZ、いや、峯田和伸だ。
私の人生を狂わした銀杏BOYZ、私の人生を0にしてくれた峯田和伸。
本当にありがとう。
 

p.s.
今年23歳になる私は、おかげ様で自分の人生を自分らしく生きています。
なんとも驚くことに、その後の自分の人生は周りから「自分を持っててかっこいいね」なんて言われる人生で、もう一生、独りで生きていこう。と思っていた当時の自分に伝えてあげたいぐらい、周りの人に恵まれ、人に支えられて生きています。

そんな私は2015年に初めて銀杏BOYZを観ました。
大阪から新幹線「のぞみ」に乗り、東京で東北新幹線に乗り換え、
車内ではもちろん「東北新幹線はチヒロちゃんを乗せて」を聴きました。
なんでかって?私の名前はチヒロだからです。
これをやるがために、私は飛行機を選ばず、より時間とお金のかかる新幹線に乗ったんです。
車窓から見た景色のことはもちろん、新幹線の記憶は驚くぐらい何も覚えていませんが、とにかくこの夢をずっと叶えたかったんです。
これは人生で初めて自分で叶えられた夢でした。だから、チケットを取ったあの日から、新幹線に乗り、ウォークマンに入れていた曲をかけるあの瞬間までが「夢」そして、大事な思い出です。

そして、その日のライブは運がよく、最前列で、峯田和伸が歌うマイクの真ん前の場所をとることができました。
暗転して、とうとう銀杏BOYZが登場…
来るまでの自分は峯田和伸を見たら、きっとすぐに泣いてしまうんだろうなと思っていましたが、
実際は違うくて、「ああ、この人本当に実在する人なんだ」まずは、そう思いました。
肉眼でみて、声を耳で聞いて、歌を心で聴いて、初めて「本物だ」と感じた、その時、初めて涙が出ました。

なんだか書いていてもよく分からなくなってしまいましたが、とにかく私は銀杏BOYZのおかげで心の闇を捨てずに済みました。闇を個性として受け入れることができました。

本当にありがとう。

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