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悩み、苦しんで掴んだ僕の哲学。

amazarashi『フィロソフィー』がもたらした光明

去年の12月13日に発売された、amazarashiのアルバム『地方都市のメメント・モリ』。中でも僕が、特に好きな曲があった。それが『フィロソフィー』だ。

失踪感溢れる展開のこの曲は、僕の日常に欠かせない一曲となった。何も見ずに口ずさめるほどに、毎日聴いた。だがそのときはまだ、歌詞の意味は深く理解してはいなかったと思う。

発売から1ヶ月が経った頃、僕の生活を一変させる出来事が起きた。それは、新卒で入社した会社を退職したこと。人間関係が原因で体を壊したことが理由だった。すぐ次が見つかるしとたかをくくっていた僕だったが、現実は残酷だった。

『半年で退職』という経歴は致命的なマイナスイメージだったようで、採用はおろか、面接にすらたどり着けない。履歴書と職務経歴書の山に囲まれながら、僕はどんどん病んでいった。僕は貯金を切り崩し、ニート同然の生活をしながら、たまに日雇いのバイトに赴く生活を続けた。気付けば、退職してから3ヶ月が経過していた。

人との付き合いもやめた。結婚した友人、幸せそうなSNS。それら全てが、社会のレールから外れた僕を嘲笑っているかのように思えたから。

僕は存在意義を自問自答することが多くなった。そして行き着く先は必ず、最悪な行為の妄想だった。僕は毎日浴びるように酒を飲み、そんな負の感情と戦っていた。

そしてある日の昼下がり、僕は決断した。よし、死のう、と。今まで何度も頭を過った最悪の行為。普段はぼんやりとしたものだったが、このときばかりは本気だった。

駅のプラットホームで、ぼろぼろになったWALKMANを取り出す。最期の一曲は、フィロソフィーと決めていた。震える手で再生ボタンを押すと、何百回も聴いたあの歌が流れてきた。

〈悲しみを知っている 痛みはもっと知っている〉
〈それらにしか導けない 解が君という存在で〉

涙が出た。今まで音楽で涙したことなど1度たりともなかったが、このときばかりは違った。秋田ひろむ氏の歌声が、胸を抉る歌詞が、僕への応援歌のように感じられたのだ。お前は死んじゃダメだ。何があっても生きろ。そう耳元で訴えかけるかのように。

4分42秒の説得を受けた僕は、涙に濡れた顔を拭いながら、駅を後にした。気付けば心には、メラメラとした炎が猛っていた。

僕は1度死んだ。なら、新しい自分として生きていこう。そう考えた僕は、大した努力もせず諦めたあの頃の夢に向かって、もう一度進む決意を固めた。

それは簡単な道のりではない。何やってんだと馬鹿にされるかもしれない。でも、やろう。

〈この先を救うのは 傷を負った君だからこそのフィロソフィー〉

さあ進もう。未来は、希望で満ちている。

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