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自分らしさとは

Mr.Childrenが気付かせてくれたこと

日本では高校生の大学進学率が年々高まっているらしい。それは大学を卒業することが大手企業と呼ばれる会社に入社する為の第一条件になっているからだ。大手企業に入れば将来を約束されるも同然。将来安泰だ。大手企業じゃなくとも高卒より給料が良いし働き口も多い。
 
 

社会や学校からそんな風に聞かされて私は育った。
だから私もなんとなくその波に乗りながらなんとなく勉強して、なんとなくその学力に見合った高校、大学に進んだ。何の為に勉強するとか何がしたいのかあまり考えずに進んでしまった。そこが甘いところだった。
 

大学で勉強していてもやっぱりなんか違うような…。目指したいものがあって専門学校に進んだあの子の方が輝いて見えるんじゃないか。なぜ大学に行くのか、なぜこの分野を学ぶ必要があるのか、私は何になるんだ、と悩んで落ち込んでしまった。
 
 

人間関係でも私はみんなと波長を合わせるために必死だった。流行っている服を選び、明日話題になるだろうテレビを見て、流行りの若手アーティストの音楽を聴いた。私にとってそんなに大事じゃないものを、何よりも大事な人間関係のために好むようにしていた。

しかしやはり好みを合わせたところで人間関係がうまくいくわけではなかった。自分に無理をしているのが苦痛になると思いがけないところでぽろっと本心が出てしまう。今考えるとただの八方美人だった。特別楽しいというわけでもないのに、そこでの人間関係こそが私にとって世界の全てだった。
 
 

そうやって進路にしても人間関係にしても私は自分の生き方を見失っていった。いつも周りを気にして生きていた。
 
 

そんな迷い始めた18歳の時に出会ったのがMr.Childrenだった。もちろんあの大物バンドのことは昔から知っていたし、曲もサビを聴けばミスチルとわかるほどだった。
しかし私の周りでミスチルが流行ったことはほぼなかった。小学生の頃にドラマの影響で「しるし」や「HANABI」を聴くこともあったが、それ以上深く追求することはなかった。

ではなぜミスチルに出会ったかというと、それはライブだった。18歳の私はまだライブというものに行ったことがなく、世間の ライブは楽しい、感動する という感情に触れてみたかったのだ。
そこでたまたま見た地元のチケット購入サイト。本当に偶然だった。Mr.Childrenが大規模なスタジアムライブをするというのだ。ミスチルなら有名な曲も多いしファンも多いからきっと楽しめるだろうという軽い気持ちで行くことを決めた。

ライブに行くと決まってから予習のために少しミスチルを聴いた。でもまだ魅力には気付けず、ほぼ無知のままライブ当日を迎えた。ものすごく暑い夏の日だった。

私は驚いた。
初めて聴く曲が多かったのだが、ひとつひとつのフレーズが私の心を撃ち抜いた。
 

/ 難しく考え出すと 結局全てが嫌になって
そっとそっと 逃げ出したくなるけど
高ければ高い壁の方が 登った時 気持ちいいもんな
まだ限界だなんて認めちゃいないさ / 「終わりなき旅」
 
 

/子供らを被害者に 加害者にもせずに
この街で暮らすため まず何をすべきだろう?/ 「タガタメ」
 
 
 

歌詞だけの力ではなく、ボーカル桜井和寿が叫ぶように歌ったり、あえてか細い声で歌うことでそのメッセージ性はより強く感じられた。
そして私の中の何かが動かされ、そこからミスチルを聴くようになった。何かはまだわからなかったが、このライブが私の運命であり、ターニングポイントとなった。
 
 

/表彰台に登った記憶なんかない
それで何不自由なく暮らしてきた
ひょっとしたら「あきらめろ」って僕は
僕自身を説得してきたのかも/ 「Wake me up!」
 
 

/今 僕のいる場所が 探してたのと違っても
間違いじゃない いつも答えは一つじゃない/ 「Any」
 
 

/過去は消えず 未来は読めず 不安が付きまとう
だけど明日を変えていくんなら今
今だけがここにある/ 「ヒカリノアトリエ」
 
 

/あるがままの心で生きられぬ弱さを
誰かのせいにして過ごしてる
知らぬ間に築いてた自分らしさの檻の中で
もがいているなら 僕だってそうなんだ/ 「名もなき詩」
 
 
 

彼らの曲は私を強くも弱くもしてくれた。そのうちに私は自分らしさとは、と考えるようになった。もう昔のように他人の意見に左右されるような生き方を断ち切りたいという思いに変わっていたのだ。進路も人間関係も私は自分を見失って彷徨った。やはり過去はどうにも変えられない。しかし未来を変えていくのは今の自分自身だと、Mr.Childrenが教えてくれた。
 
 

/誰の真似もすんな 君は君でいい
生きる為のレシピなんてない/ 「終わりなき旅」
 
 

しかしそれは容易なことではないとも気付いた。
何度も周りに流されそうになる。他人と比較してしまう。大学を出てなんとなく受けた企業に就職して働くのも悪いことではない。でもそれが本当に私の人生でいいのか、やりたいことなのか、そもそも私は何がしたいのか…。私は何度も何度も自問自答し続けた。
 
 
 

/人生はいつもQ&Aだ 永遠に続いてく禅問答/ 「I’LL BE」
 
 
 

Mr.Childrenに出会って私は初めて自分と向き合った。
人生で1番迷い、悩んでいる。今までずっと他人ばかり頼りにしていた私にとってはとても苦しい。しかしこの運命が無ければ私はいつまでも他人を頼り続けて、やりたいこともよくわからず晩年になってそれを後悔することになっていたかもしれない。
 
 
 

/悩んだ末に出た答えなら 15点だとしても正しい/ 「CENTER OF UNIVERSE」
 
 
 
 

それまでの自分がミスチルを聴いてもきっとこんなに響いていなかっただろう。自分を見失い、彷徨い始めた18歳の私だったからこそ彼らの音楽はより深く胸に刻み込まれたのだ。
だからこそ、あの時Mr.Childrenに出会ったのは運命だった。
 
 

運命の出会いから3年。
私は今もMr.Childrenの曲と共に自分らしさの檻の中でもがいている。そして微かに光が見えてきたような気がする。

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