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How to listen to the good music.

くるりが魅せ続ける、想像を超える音楽

 くるりの「HOW TO GO」を聴いて、かっこいい!と感じる人は、センスがいい。

 これは個人的な意見ではあるが、あながち間違った感覚ではないと自信を持っている。なぜ?と聞かれても明確な答えはない。しかし、センスがいいと思う。センスっていったい何だろう。よくわからないけれど、こういう感覚的な定義の言葉があるから、この世界は深みが増すのだ。

 「HOW TO GO」―2003年、今から15年も前に発売されたこの曲は、ボーカルの岸田繁氏自身も述べているように、ロック史上に残るスローテンポな曲である。

 「昨日の今日からは一味二味違うんだぜ
  自身も根拠もしゃれこうべみたいな顔のまま」

 胸の底に銅鑼を響かせるかのように、その重低音は聴く者の心にじっくりと響き渡る。
なんとなく東洋的な、そして日本のわびさびにも通じるようなそのメロディーは、僕を不思議な感覚にさせる。

 「意識は遠のく まるで昨日の夢のよう
  さっきまで気にしてた How to play the guitar 灰になる」

 灰になる。死をも連想させるような言葉で、この曲はより深みを増す。
「ロックンロール」が天国のドアを叩く時の曲であるとすれば、この「HOW TO GO」は人生の幕を下ろすときに聞きたくなるような曲だ。

 「まったり 夕暮れ待ったり するなよ」

 2月23日、僕はZepp Osaka Baysideにいた。くるりのライブツアー「線」の初日である。
 数多くの新曲に彩られたこのライブには、「HOW TO GO」を発売したころのようなくるりの姿はなかった。そして、残念ながらこの曲の演奏もなかった。

 「いつかは僕達も離ればなれになるのだろう
  僕達は毎日守れない約束ばかりして朝になる」

 何かを暗示するかのような歌詞は、人生の虚しさを表現しているというほど、深刻なものではない。そして頑張って前進しようというようなポジティブな表現というわけでもない。

 その日、僕の目の前にいるくるりは、「想像を超える姿」を見せ続けてくれた。15年前とは比べ物にならないくらい、進化しているようにも見えた。そして、僕たちに寄り添うように媚びる姿勢もない。相変わらずかっこいい。
 
 このバンドは一体何なんだろう。くるりというバンドの魅力は一体何なんだろう。

 「いつかは想像を超える日が待っているのだろう」
 「毎日は過ぎてく でも僕は君の味方だよ」

 どれだけ明るい曲に激励されるよりも、ずっしりと響く歌詞。音楽。

 「今でも小さな言葉や吐息が聴こえるよ」

 僕はくるりが好きだ。センスがいいと思う。

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