1525 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

郷愁と音楽

おもいでに寄り添うMIZの楽曲

音楽は目に見えない。それでも聴いた音楽からおもいでが鮮明に浮かぶときがある。
たとえば幼い頃に行った場所、そこで嗅いだ匂い、湿度や気温、その時一緒にいた人、話したことなど。
自分が今生活している場所と遠く離れた田舎町だったり、祖父母が住んでいるあの町だったり村だったり、ふとした瞬間に思い出すどこか懐かしい景色。こんな記憶があったのかと自分でもびっくりするような景色だって浮かぶ。
MIZの楽曲はそんな懐かしいおもいでと景色に寄り添ってくれる。それもちょうどいい距離感で。
MIZは4人組バンドMONO NO AWAREのメンバーであるボーカルギターの玉置周啓とギター加藤成順からなるアコースティックユニットだ。それぞれギターを一本ずつ、ツインボーカルでだいすきな音楽をゆったり鳴らしている。
そんなMIZが先月末に初音源である『パジャマでハイウェイ / 君に会った日は』をレコードの形でリリースした。
『パジャマでハイウェイ』は二人のコーラスが印象的だ。韻を踏んだ歌詞とぱらぱらと鳴らすギターがどこか変てこで面白い。田舎町にある、おかしな文章の看板を思い出した。自然と笑顔になるような楽曲だ。
『君に会った日は』は流れるようなギターの音が川のせせらぎや木漏れ日が差し込むような清々しさを感じさせる。〈君に会った日は〉と繰り返されるフレーズが良いテンポを生んで心地良い。

故郷は人それぞれ違うものだが、郷愁の思いはみんな同じだと思う。ふとした時に思い出し、それを思い出す時、落ち着いた気持ちにさせてくれる。同じようにMIZの楽曲を聴くと本当に心が落ち着く。もしかすると、MIZの楽曲を聴いて浮かんだ景色に心がホッとしているのかもしれない。草木の匂い、ちょっと湿った土の匂いや風の匂いがしてくる。遠くに連なってる山々とか、奥までずっと広がる海とか、本当に様々だ。
そしてもう一つMIZの音楽に感動することは、慣れ親しんだ土地でなくても思い浮かべることができるということだ。旅先の電車の窓から見えた景色や夢で見た景色が思い浮かぶ。

通学路で聴いていた音楽がたまに流れると学生時代を思い出したりするものだが、MIZの音楽を聴いて思い出す風景や匂いは不思議なことに特定されない。すべての“懐かしさ”に変幻自在にマッチしてくれる楽曲たちだ。ユニット名であるMIZの通り、水のように形を変えて寄り添ってくれているように感じた。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい