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2017年4月17日

芳野 (38歳)

エレファントカシマシと私

命懸けで聴いた日々

2008年2月。
私は悲しみの果てにいた。
婚約していた恋人を難病によってうしない、生きているのか死んでいるのかわからない時間を過ごしていた。
そんな時、愛聴してきたバンド、エレファントカシマシから新曲が届いた。
「桜の花、舞い上がる道を」。
私は、そのシングルのカップリング曲である「それを愛と呼ぶとしよう」を繰り返し聴かずにはいられなかった。
「どんな悲しみも越えて お前と歩き続けるのが願い」
「どんな明日を迎えにいこう? 挫けそうな時は忘れるな 俺がいる」
「お前と出会って優しさや、今を生きる本当の強さを Oh baby 俺は知ったから」
エレファントカシマシ、直球ストレートのラブソング。
困ったことに、当時の私には、天国に行ってしまった彼からのプロポーズの言葉に聴こえてならなかった。
この曲を聴いては、ただただ涙流れるままにしていた。
エレファントカシマシのアルバム「STARTING OVER」と、シングル「桜の花、舞い上がる道を」を聴くと、今でも胸が締めつけられる。
彼の壮絶な闘病生活に寄り添った日々、永遠の別れの時、その後の、身が裂けるのではないかと思うような苦しみに満ちた日々、そこから立ち上がり、這い上がろうともがいてきた日々。
どんな時も、いつもエレファントカシマシを聴いていた。
命懸けで聴いていた音楽は、汗も涙も愛も祈りも罪も悲しみも、あの頃のすべてを連れてくる。
私には、そういう音楽があり、人生を懸けて愛した人がいる。
そのことを幸せに、誇りに思える今に感謝したい。

あれから9年。
2017年3月20日、私は大阪城ホールにいた。
30年の歴史に刻まれた名曲たちを、堂々と歌い、鳴らすエレファントカシマシに震えた。
彼らは、今も昔も、私の、聴く者みんなのヒーローだ。

「悲しみの果ては素晴らしい日々を 送っていこうぜ」

私は高らかに両腕を上げ、全身全霊のメッセージを、全身全霊で受け止めた。

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