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ねえちょっと聞いてよ、

SUPER BEAVERは運命の人じゃないらしい

SUPER BEAVERというロックバンドをご存知だろうか。わたしは数年前に運命の出会いをしたと思っていたんだ。
友人達が飲みの席で「乳首が流星群♪」と歌っていなかったらわたしはビーバーのビの字も知らなかったんだと思う。
たかが乳首、されど乳首。乳首の流星群のインパクトは計り知れない。乳首はわたしに素晴らしいものを認知させてくれた。ありがとう乳首。
音楽文にこんなに乳首と書き連ねてある文章は未だかつてないと思う。わたしの初めてを貰ってくれてありがとうスーパービーバー、音楽文。

飲み会が終わって、すぐにビーバーを聴いた。結局何が言いたいのかわかんねえよ!!と叫びながらもYouTubeの再生が止まらなかったのを覚えている。
ビーバーはザ、ロックバンドだという印象だった。わたしは音楽の知識については本当に乏しいし、高校時代までゴリゴリのアニメオタクだったわたしは「ロック」なんて語る術を持ってすらいなかった。なんなら、当時付き合っていた彼氏に「わたしがロキノン厨()になったらどうする?」と聞いて、「アメリカとロシアは戦争をするね」と言わしめた程。きっとわたしがオタクを卒業してロックバンドを追いかけているせいで、世界は混沌の真っ只中に陥ろうとしているのだろうな。元彼氏、きっと世界の終わりにはヴォイヴォイ言うてるわたしのことを思い出してくれることを願う。
そんなアニオタ街道まっしぐら芋女だったわたしの脳内辞書に、ロックバンドという言葉が刻まれたのは、乳首を流星群させていた友人達のおかげであるというのは他でもない。

中高時代から何事も詰まる事なく勉強も部活も恋愛もそつなくこなして来たとわたしは思う。そして大学受験も第一志望に受かり、人生もうこのままなんやかんやうまく行くんじゃないか?と勘違いするくらいサークルにバイトに恋愛に、毎日骨身を削るほど遊んだ。
うまく行くと思ってた。なんやかんやわたしはなんでもうまくやれる子なんだと思ってた。
そうじゃなかったと思い知らされたのは、思い出したくもない、就活だった。

落ちに落ちて、落ちに落ちた。春が来ても夏が来ても、来るのは「お祈り申し上げます」のメールだけ。最終面接まで行き、不採用を第一志望群の企業で繰り返した時は本当に自殺を考えた。兎に角、自分の代わりはいくらでもいるし、わたしのやりたいことはわたしがやらなくてもいいということだけが重くのしかかった。恋人がわたしの志望する業界から内定を貰ったと笑顔で告げて来た時、わたしはトイレで声を押し殺して泣いた。最愛の人が憎いなだなんてどうかしている。
違う、こんな話をしたいんじゃないんだよ、わたしはスーパービーバーの話をしたいんだよ。

就活中、移動の時は毎回音楽を聴いていた。もうわたしは音楽を聴いていないと真っ直ぐ歩けない程、音楽にどっぷり浸かっていたし、そういう自分に酔っていたんだと思う。
そんな時にビーバーはこう言った。
『意味を見つけられない残業に 肩落としてる人も もう何枚目かすらも忘れた 履歴書を書く人も 期待していた未来の自分に 落ち込んでしまう日も 全ては今に繋がってるけど 別に今が全てじゃない』

就活中、言いたい放題言いやがって本当に無責任だよな!!と思いながら聴いていたスーパービーバーがこんなにストンと心の奥に落ちたのは初めてだった。
「今が全てじゃない」
そんなこと言ったって、つらいもんはつらいし、涙は出るけど内定は出ねえんだよ、毎日ヘラヘラ笑って生きていきたいけど全然無理。
でも明日はわかんねえだろ?明日はもしかしたら笑ってるかもしれないしまた不採用通知がきて泣いてるかもしれない、わかんないんだよ、だって『全てを 運命と言いたくはない』から。

綺麗事ばっか言ってんじゃねーよ!どんなに未来が楽しくても今が!今が辛いんだよ!アホか!逃げたいって思うのが当たり前でしょ!
ってわたしは思った、バンドマンなんて好きなこと仕事にして歌ってお金貰えてメチャクチャ羨ましいと思ってた、そんな人たちから「今が全てじゃない」なんて言われたって微塵も響かないと思ってた。
でもビーバーは違った。
ビーバーは、メジャーデビューまでは順風満帆だったものの、音楽の方向性の違いから事務所やメンバー間のギクシャクが絶えず、チャートも低迷、メジャーを離れて自主レーベルで活動するという決断を下したという過去を持つ。数字にすると約10年、苦しい時間を過ごして来たらしい。

彼らも苦しくたって『今が全てじゃない』と、未来のために、歌を待つ人のために、もがき苦しんだんだ。
『未来を始めるその瞬間に 結末は知らずとも 歪むギターを鳴らして あなたと 共に生きてる今日も』
ビーバーはあなたと、わたしと、生きてる。楽しくて明るい今も、悲しくて涙が止まらない今も、わたしと一緒に生きて、来るかどうかもわからない未来に生きてる。だから、運命だなんて決まりきった結末だったなんて、言いたくないし言わせたくないのだ。

だから、運命という決まりきった明日が来ないから、毎日が『誰かにとって 「たかがそれくらい」の ありふれた歓びでも 嬉しいと思え』る美しい日になり得るんだと思うし、辛くて苦しい時も『時間が解決してくれる / でも正しくは 生き続けている 自分で導いている』と実感できるのだと思う。
 

挫折も悩みも悲しみも、さよならも言いたくない、『でも転んでみて痛みを知った 悩みながら選択をした / 361°の位置 今そこに立っている 何一つわからなかった あの日とは違う』
あの日とは違うわたしであるために、沢山の選択をして失敗をして苦しんだ、その時は絶対苦しい、でもその経験全部に意味があると今のわたしは思える。就活中絶望の只中に居たあの日のわたしとは違う。絶対順風満帆に生きてきた人間よりも、いろんな物差しでわたしは景色を見る。それでいいんだって、思えるようになった。それは全部ビーバーのおかげ。

2017年12月31日、カウントダウンジャパンの年越しのステージでボーカル渋谷龍太は言った。「2017年、楽しかったことも悲しかったことも、積み重ねてきたのはあなた自身だ。あなたにしか積み重ねることの出来なかった2017年がある。その積み重ねをしっかり愛して、受け止めて、2018年に持っていけるのも、あなたにしか出来ない。」(多分こんなこと言ってた、マジで多分、大体合ってる)

生きてる意味とかマジでわかんない、わかんないけど、ザーーーッと死ぬ前に振り返って、わたしは『誇り高き人生』だったと言いたい。その価値は自分にしかわかんないんだもんね。それでいいんだもんね。

か〜〜〜〜〜〜〜、色々語って来たけど最後に言いたいのは、わたしはスーパービーバーのことを運命の人だと思ってたけどスーパービーバーはわたしとスーパービーバーとの出会いを運命だとは言ってくれないって悲し〜〜〜〜〜〜!!!!!ってこと〜〜!!!
だって、それはつまり、出会ったことが奇跡とおんなじくらい尊いものなんだってこと!わたしの文章を読んでスーパービーバーとあなたも出会うべくして出会ってほしい!!!よ!!!

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