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SKY-HI ツアーファイナルを見て

光と影 肯定を生み出す否定

SKY-HI TOUR 2018 -Marble the World- ツアーファイナル 京都に行った。

アルバムリリースツアーではない今回のツアー。どんなテーマが、どんな曲がツアーの中心にあるか。それは参加した一人一人それぞれが感じたことが正解。それでいいんじゃないだろうか。僕にとっての今回のライブの中心は光と影で、中心曲は「Over the Moon」だった。

幕開けからライブは華々しく展開されていく。スポットライトに照らされるSKY-HIはとても眩しく太陽のように思えた。カッコいい人が持てるスキルを余すことなく出し尽くしエンターテイメントすると、ため息が混じるほどにカッコいい。そんな当たり前のようだけど難しいことを簡単そうにやってしまう。そんな姿には神のような全能感すら漂っていた。

ライブ中盤で、チルな曲のゾーンに突入する。「Over the Moon」ではリリックが背景に映されていた。

“派手に転んだらさ 足下に月がいた”

自分の足りなさを月に見透かされるこの曲。先ほどまでの太陽の様な彼とは違い、この時は僕たち観客を見透かす月のようだった。 そして、彼自身にも影が確かに存在することを意識させられた。もちろん、満月のような完全な光を見た人もいると思う。彼と観客1人1人の感情の相対的な位置関係によって見える光景は全く変わってくるはずだから。でも、僕はこの曲で影を見た。

演者と観客という関係性の間柄において、完璧なステージを魅せる上では影は不要なのかも知れない。ただただ幸せなだけの完全なステージも彼は魅せることが出来るはずだ。それでも、光があることで生じた影を隠すのではなく見せる。それは演者と観客が全く別の存在ではないと伝えているようで、自分達との繋がりを残してくれるように感じた。音楽は最高のコミュニケーションツールだとSKY-HI は言っていた。まさにそれを表す、眩しくも、暗いが暖かい曲だ。

“走れども止まれども変わらずに
どこまでも着いてくる月の歩み
優しい光が目に眩しい
何だよ、照らす人も場所も他にあんだろ
何か用があんのかい
ほっといちゃくれないかい”

自分達にもスポットライトは当たっている。非日常だけではなく日常でも。それは弱い光のときもあるだろうし、強いときもある。自分が望むときもあれば、どこまでも逃がしてくれないそれを疎ましく思うときもある。

“見上げてみりゃ 雲間から月が笑う
僕の心の 全てを見透かす様に
つい思わず 僕もつられて笑う”

だけど、そうして光に照らされてみなければ分からないことだらけだ。そして見透かされた自分を肯定していくだけだ。

ラップ音楽の根幹にある自己肯定性。自分がNo.1だと言い切る彼らを見て、「ああ自分とは根本から考え方が違う人達なんだ」と認識していた。だけど、それが自分の暗い面も見つめた上で自分を鼓舞させる言葉達だとしたら…?
自己否定を経た自己肯定。その自己肯定による他己肯定。真の優しさがそこにある気がする。
それは「Marble」でも強く歌われていた。

“自分と違う色の輝きが羨ましい?
混ざりゃとても綺麗
汚し合うなんて馬鹿馬鹿しい
はみ出したり 間違えたり 繰り返して僕ら触れ合えたみたい”

最後の曲「カミツレベルベット」の時、客席にもライトが当たった。ステージと客席の光量が同じになった。本当にスポットライトはみんなに当たっていた。2時間を超える夢のような現実を見た後の客席の僕らはSKY-HIまでとはいかないまでも眩しかったに違いない。

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