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君は君のままでいい

BUMP OF CHICKENの音楽はどうしようもなく優しい

 
私はBUMP OF CHICKENが好きだ。大好きだ。

19年間生きてきて、友達も多いほうではないし、部活を頑張ったこともなく、唯一努力した大学受験ですら失敗し、結果一浪で第二志望の大学に通っている。

ずっと、何もない自分がきらいだった。
趣味も特技もない。友達も少ない。進路は親が決めた道。将来の夢もない。

小学生のときは、絵を描くのが好きで、可愛い女の子のイラストを描いたりして「上手だね」と言われ得意げだった。でも、中学に入ると、アニメが好きでもっと本格的な絵を描く子が何人かいた。

勉強もできるほうだと思っていた。実際は大したこともなく、仲良しだった友達は難関私立中学に合格したり、幼馴染が定期テストで1位を取ったりした中私はずっと真ん中より少し上くらいだった。

運動も好きじゃなくて、音楽センスもないから、ソフトボール部やテニス部、吹奏楽部でしんどいと言いながらも切磋琢磨している同級生が眩しかった。

なにもなかった。

強いて言うなら、J-POPではあるけれど、音楽を聴くことが好きで、特にバンドに興味があった。そんなとき、なんとなく名前だけ知っていて、聴いてみようかな、と思ったのがBUMP OF CHICKENだった。

なんとなく父に「BUMP聴いてみたいんよね」と言ったところ、たまたま父の職場にBUMPの熱狂的なファンがいるということで、CDを一式貸りてきてくれたのだ。
その数日後大量のCDが家にやってきた。

ワクワクしながら、CDをラジカセにセットして、「天体観測」を筆頭に少し知っているタイトルの曲を順に聴いていった。そして、ついにあの曲と出会った。
 

〈 得意な事があった事 今じゃもう忘れてるのは
  それを自分より 得意な誰かが居たから 〉

「才悩人応援歌」だ。
雷に打たれたような気分だった。あの瞬間の衝撃は一生忘れないと思う。
歌いだしのこのワンフレーズが、当時の何もなくて自信がなかった自分にぴったりすぎたのだ。自分よりも秀でている人間がたくさんいて、自分なんて大したことないんだ、という現実を中学入学で知った私を、真っ向から肯定してくれた。

そして、次にある曲を聴いて、ああこの人達の音楽が好きだ、と心から思った。
それが

〈 人間という仕事を与えられて どれくらいだ
  相応しいだけの給料 貰った気は少しもしない 〉

「ギルド」だ。

衝撃的だった。まだ14歳だった私は「生きること」は、感謝しなければいけないこと、と歌うものだと思っていた。もちろんこれも間違いじゃないし、BUMPの曲にそういう意味の曲だってある。でも、「ギルド」の歌いだしは、本当に衝撃的でしかなかった。

「生かされている」という概念に初めて触れた。

〈 美しくなんかなくて 優しくも出来なくて
  それでも呼吸が続く事は 許されるだろうか 〉

〈 その場しのぎで笑って 鏡の前で泣いて
  当たり前だろう 隠してるから 気付かれないんだよ 〉

〈 それも全て 気が狂う程 まともな日常 〉

全部、全部、一言一言が、私の胸に刺さった。
こんなにも肯定してくれて、当時の自分が見ないふりをしていた感情を丸裸にされた。
隠していたもの全てがボロボロと崩れ落ちていった気がした。

〈 愛されたくて吠えて 愛されることに怯えて 
  逃げ込んだ檻 その隙間から引きずり出してやる
  汚れたって受け止めろ 世界は自分のモンだ
  
  構わないから その姿で 生きるべきなんだよ 〉

これ以上のものはなかった。

その姿でいい、というこの上ない言葉で締められた。
閉じこもって扉を閉めて、あるいは閉めたことを気付いてすらいない聞き手を、引きずり出す、と彼らは歌う。
 

この日から、私はBUMP OF CHICKENの虜になった。
彼らの音楽は、優しい。優しくて、誰よりも何よりも肯定してくれる。
私のための音楽だ、と思ってしまうほどに。
 

この文を書くまでに、私はこのサイトに掲載されているBUMPの音楽文はすべて読んだ。
全部、愛おしいと思った。だって、みんな笑ってしまう程に、BUMPが大好きだから。
一人一人のBUMPの在り方があって、一人一人思い出の曲や忘れられないライブがある。
世界中にBUMPを好きだという人が1億人いたなら、1億通りのBUMPの存在がある。

でも、共通して言えるのは、みんなBUMPのとてつもない「優しさ」に救われているのだ。
彼らは「頑張れ」とは言わない。いつだって、今の自分を肯定してくれて、前を向けるまで、進みだせるまで、進みだしたあとも、ずっとずっとそばにいてくれる。大丈夫だって何回も何回も言ってくれる。
 

彼らは、ライブでもずっとずっと優しい。
会いに来た、と何度も何度も言ってくれて、優しい目で私たちを見て、時に強く、感情をこめて、激しく、時に切なく、1つ1つの言葉を大切に、心を込めて歌い、演奏する。

私はBUMPのライブに行った後、毎回心から「生きててよかった」と思う。
人生であんな幸福感を感じることは彼らのライブの日だけで、そのぶんの寂しさはあれども、あの空間にいた人たち、落ちた紙吹雪、テープ、すべてが愛おしくて、尊くて、何にも代えられない特別になる。

大袈裟だって笑う人もいるかもしれない。
でもきっと、同じようにこの文を読んでくれているあなたならきっとわかってくれると信じて言わせてもらう。

私は、BUMP OF CHICKEN、彼らが生きがいだ。

彼らの優しさに救われて、支えられて、見守られて生きている。
どんなことがあったって、彼らが活動し、音楽を届けてくれる以上、生きていたいと思えるのだ。好きで、好きでたまらないのだ。

一人じゃない。君は君のままでいい。
どうしようもなく優しい彼らが、好きなのだ。
最後まで読んでくださったあなたも、きっとそうであることを願って。

〈 僕が歌う 君のための ラララ 〉
 
 

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