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KEIJUが「Let Me Know」で示す“自信”と“矜持”

メジャーアーティストとしてのKEIJU、清水翔太との関係性も交えて考察

 KEIJUが、5月16日にメジャー1st配信シングル「Let Me Know」をリリースする。KEIJUは、昨年12月に<ソニーミュージック・レーベルズ>とのメジャーディール締結を果たし、今年1月には渋谷 SOUND MUSEUM VISIONにて『KEIJU as YOUNG JUJU Presents “7 Seconds” Supported by PIGALLE』を主催。まさに今、メジャーアーティストとしてのスターダムを着実に駆け上がっている最中だろう。本稿では「Let Me Know」を題材に、KEIJUのシンガーとしての一面や、前作「Right Now」までとの心情の変化へ考えを巡らせたい。

 まずはじめに、彼のアーティストスタイルを見ていこう。これまでKANDYTOWNとして発表した「GET LIGHT」や、ソロナンバーの「The Way」では、タイトに言葉をぶつけるスタンダードなラップを披露してきたKEIJU。一方、今年1月に発表したDJ CHARI & DJ TATSUKI「Right Now feat.KEIJU & YZERR」を皮切りに、メロディへの忠実なアプローチが特徴的な、シンガーらしい歌唱スタイルが見られるようになった。「Let Me Know」においてもその傾向は引き続き、ラッパーらしい細かな韻を踏みつつも、Aメロからサビまで一貫して、メロディを外れて歌う箇所は見られない。

 この背景には、KEIJUの友人であり、シンガーソングライターとして活躍する清水翔太の存在があると考えられる。清水は、彼が2017年に発表した「Drippin’」の制作を機にKEIJUと知り合い、以前の武道館公演時にも、ゲストとしてKEIJUを招いている。一方で、先述のイベント『”7 Seconds”』において今度は、清水がゲストとして迎えられ「Drippin’」を披露したことは記憶に新しい。同公演のMCにてKEIJUが「(清水は)遊びにも連れて行ってくれる、兄のような存在」と語ったように、普段より親しい間柄であることが伺える。ここから読み解くに、直接的ではないにせよ、清水はKEIJUの音楽活動にポジティブな影響を与えているのかもしれないということだ。昨年のメジャーデビューを境に、KEIJUが“シンガー”としての一面を存分に見せている背景には、清水翔太の存在が隠されているのかもしれない。

 あわせて注目したいのが、<ソニーミュージック・レーベルズ>への所属が、KEIJUの心境にどのような変化を与えているのかだ。ここでは、「Let Me Know」のリリックより彼の心持ちを想像していきたい。

 「Let Me Know」のストーリーを概括するならば、現状のアーティスト活動を<今が好き>だと肯定し、<みんな踊らす曲作るStudio I’m just gonna do my thing 他にないよ>と、楽曲制作への意向を語りつつ、<でも君がいないと よくない方に事が行きそう でもIf you are alone, please let me know…>と、この作品のキーワードともなる“君”への想いが綴られる。「Let Me Know」はタイトル通り、フックにおいて<let me know>というワンフレーズが繰り返される。この<let me know>という願い(或いは要求)は、過去作「LONELY NIGHTS」や「Right Now」では見られなかったものだ。

 この2曲においてKEIJUは、“alone”(孤独)というものに想いを馳せるのみであった。しかし「Let Me Know」では、同様の“alone”という感情に対し、主体的と言えるまでに<let me know>とリアクションを示す。これは、先述の2曲には見られなかった大きな違いだと言えるだろう。あわせて同曲では、前作までにはなかったKEIJUの明確な意志を感じることができる。曲中の<俺、今が好き>や<全てのことはDepens on me>といったフレーズを聴けば、それらを理解してもらえるだろう。「全てのことは自分次第だ」といった内容は、メジャーアーティストとして“自信”や“矜持”が無ければ力強く言い切ることはできないだろう。そして、「LONELY NIGHTS」や「Right Now」においては見られなかった“孤独”へのリアクションが、この曲で初めて<please let me know>と自信を持って歌われたことも、そのような感情に由来するのかもしれない。これらの“自信”や“矜持”を歌った「Let Me Know」こそ、KEIJUのメジャー初作品にふさわしいのではないだろうか。

 「Let Me Know」で、更なる成長を感じられたKEIJU。5月25日には、代官山UNITにて開催される『NEVER STOP PLAYING in TOKYO』に、ゆるふわギャングやWONKらと出演するなど、その存在感をさらに増しているように思われる。そんなKEIJUに、国内ヒップホップシーンの“未来”を託してみるのはいかがだろうか。

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