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負けた私へ

KOTORIの送るエール

ついにKOTORIの三か月連続リリースワンコインシングルが勢ぞろいした。YELLOW RED GREEN この三作が3,4,5月という出会いと別れの季節、変化や人生の大きな節目となる時期にリリースされたことには必ず意味があったと思う。特にGREENは五月病になる暇もくれないような最高の一枚だ。この三作は私にとってそうであるように、彼らの目指す世代もシーンも飛び越えて、多くの人の希望と、光となったはずだ。このタイミングで大好きなこのバンドについて書いてみたかった。昔との決別のために、負けを認め前に進むために、私をおいていったあの子の痕跡を探すのをやめるために。そして何よりも、このバンドの今をもっとちゃんと目にするためにである。
 
 私にとってのこの三か月は人生における大きな挫折の中で周りの人の成功を喜び、新しい環境での慣れないことの連続の中で絶望に何度も泣き明かした夜とともにあった。先のことなんて何もわからなかった。そういう時に聞く夢や目標、前に進む戦う人々はある意味で暴力的であり恐怖であったりする。そうなれない自分と比較するとあまりにも残酷だからだ。それから逃れるために私がとった行動が過去を懐かしむことだったのかもしれない。九か月ぶりにCORONA tourでKOTORIのライブを見に下北沢に足を運ぶとき、私の感情の多くを占めたのは懐かしいで、その次が情けないだった。最強になれると思ってたあの頃のことを何度も思い出して縋っていた。

 最強と思えたあの頃も、そこから抜け出すきっかけも彼らがくれた。彼らの決意も未来もこの先も、なにも怖いとは思わなかった。うまくいかない日常も、夢や目標も決意も不安も、故郷のことも東京のことも、決して飾らず綺麗に映し出すこともしないそのままの素直さは、拠り所を教えてくれる、思い出させてくれるあたたかさをもつ。無理に前を向かせるのでなく、思い出しても変わらなくてもうまくいかなくても負けてもそれでもいい、そういうときがあってもいいと教えてくれる。それはKOTORIの楽曲が優しいと言われる一つの理由かもしれない。GREEN収録のEVERGREENに 「なにもできなかった日々は なにかしようとした日々だ 」という歌詞があるが、親も先生も社会も誰も認めてくれない成果の出なかった過程を彼らは認めて意味をくれる。そんな中で優しさと紙一重の甘えがないのが彼らの強さの理由で、彼らをスーパーヒーローと呼ぶファンが多い理由だと思う。優しいけれど強い。そこには全力で音を鳴らし歌い、時代の、世代の、シーンの一番前で正々堂々戦い続ける彼ら自身という存在が大きな意味を持つのではないだろうか。そんな彼らを見てズルはできないなぁと思うし、戦いたいと思える。

 全敗の日々にやっと終止符が打たれた三月に久しぶりに会った友人は私にすごいことを言った。
こんなに今やりたいことも決まっていて、進路も明確で、好きな人ともまあまあうまくいっていて。こんなやつ隣にいたら死にたくなるでしょ。
あの時隣で泣かないようにこらえていた私のことを君は知らないだろうけど、その分私は強くなった。そう思える味方がKOTORIというバンドだ。君が負けた時にはまた一緒に聞こう。ライブに行こう。そんな日がこないことを願っている。
 戦う人へ、戦おうとした人へ、戦った人へ、途中で諦めた人へ、戦い方がわからない人へ、勝ったあの子にも、負けた私にも、心のどこかでまだ戦いたいと思うすべての人へ、彼らのあたたかくてどこまでも優しく力強い歌のエールが届きますように。それで勝ったら笑えばいいし、負けたらまたここに帰って来よう。一緒に歌を歌おう。また泣いて笑って何度だってまた始めよう。小さいことでいい、ちゃんと挑戦していこう。
 18歳の私の決意は19歳の私を見たらきっと笑うくらい青臭くて汚れを知らない、何も知らない子どもの決意だ。来年の私はそれをどう思うのか。今から楽しみである。
 
 
 

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