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Base Ball Bearとの再会

もうすぐ夏がくる

その再会はあまりにも計画的だった。
5月6日に行われた、JAPAN JAM 2018の3日目に参戦出来ることになり、その3日目にBase Ball Bearが出演することが分かると、さも当たり前のように、靴紐が解けたら結ぶように、見ようと決めたのだ。

Base Ball Bearと私の最初の出会いのきっかけは、本田翼さんだった。
Base Ball Bearの楽曲「short hair」のMVに本田翼さんが出演しているのだが(観ていない方は是非公式YouTubeチャンネルへ)、私は最初、本田翼さん目当てでそのMVを観た。観る前は、どんな風に映されているのかな、ばっさー可愛いんだろうな。その程度の心持ちでしかなかった。
本田翼さんが自転車を漕ぐシーンと同時にドラムのリズムが流れる。そして声と歌詞が耳に入る。
私は一瞬で虜になった。一聴惚れだった。
こんなにも透明な声で、恋しくて切なくて、気持ちを揺さぶられるなんて。
本田翼さんが映し出されている、淡い色で、しかしはっきりと焼き付く映像。
その衝撃以来すっかり私はBase Ball Bearが好きになった。
キューピッドが本田翼さんという、とんでもない豪華なものも一緒に付いて。
ショートヘアの人を好きになり、その人と夏の始まりに付き合い、夏の始まりに別れたり、17歳に「17才」を聴くベタな事をしたり、苦手な数学のテスト勉強を「LOVE MATHEMATICS」を聴きながら乗り越えようとして赤点取ったり。
私の中学高校の青春の一つ一つを、いつも爽やかに彩ってくれた。

しかし、私は何故か徐々に聴かなくなってしまった。
バンドが4人体制から3人体制へ変わり、新しいBase Ball Bearの流れに乗り遅れたと勝手に感じてしまっていた。

それからしばらく年月は経ち、JAPAN JAMの参戦が決まり、出演するステージに向かう。そしてそこから流れる、私の中では、全く新しく見えた3人でのライブ。自分の間違いにそこで初めて気が付いたのだ。人数は変わったかもしれない。曲が今までと変わったかもしれない。だが、Base Ball Bearは何一つ変わっていないのだ。流れに乗り遅れたのじゃなく、自ら流れから離れていったのだ。そう痛感した。同時に、解けてしまったBase Ball Bearへの思いがまた再び強く結ばれていった。
私はひたすらに聴いて聴いて聴き続けた。終わって欲しくなかった。
それでもやはり、そんな時間は一瞬で終わってしまった。悲しさを感じる事ができたのが幸せだった。
私の計画的な再会は最高の結果で幕を閉じた。

変わり続けてきた君を変わらず見られるだろうか。少し前までなら言葉を濁していたかもしれない。ただ今はもう、はっきりと答えられる。
見られると、見ていたいと。

もう再会は無いように、私はBase Ball Bearを聴き続ける。

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