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the cabsの解散から5年

変わるもの、変わらないもの

「バンドは生ものだ」
「行きたいか迷っていたら迷わずライブに行っておけ」

そこそこ有名なバンドが解散する度によく耳にする言葉。

少なくとも自分はthe cabsというバンドは2回ほど実際に見に行っているし、
2回目のライブの際にはメンバー全員のサインをCDに書いてもらっている。

「見れなかった人に比べれば幸せだね。」

だけど、解散して5年以上経った今でも思う。
全く幸せでもなんでもない、と。

むしろ彼らのライブを生で見ていた自分だからこそ、
どうしても悔やまれることだってある。

彼らの音楽に出会ったのは大学生の頃だっただろうか。
当時大学の軽音サークルに在籍しており、人生の中で一番音楽というものを消費していた時期。

自分の音楽に対する格好良さという価値観に対し、
待ったく別の角度から格好良さを再定義してくれたのが彼らだった。

彼らの特徴として、
変拍子、複雑なコード進行、文学的な歌詞、演奏するには難しい楽曲たち。

全ての楽曲に対するアプローチが他のバンドとは一線を画していて、
唯一無二の存在として自分の頭の中で、今でも彼らの音楽は鳴り響いている。

そんな彼らを初めて見たのは地元のサーキット形式のライブで、
箱の規模としては250人ほどだっただろうか。

そんな規模の箱に人数制限がかけられるほど人は入っていた。

時間は30分ほどで5〜6曲ぐらいだっただろうか。
覚えていることは瞬きをするのも忘れるぐらい彼らに見入っていたことと、
ギターの高橋さんがライブ途中のMCで「照明さん。自分ギター下手なんで照明付けっ放しにしておいてください」
と言っていたことぐらい。

2回目のライブは対バン形式のライブだった。
この時覚えているのは、ライブ後カウンターでお酒を飲んでいた高橋さんに、
緊張しながらも声をかけて握手をしてもらい、メンバー全員にCDにサインをしてもらったこと。
更には次回決まっていたライブ(初めてのフルアルバムツアー)のチケットをそのまま購入したこと。

そしてその購入したチケットはチケットを切ることもなく、今でも手元に残っている。

突然の解散を聞いた時、どんなドラマや映画を見ても泣かない自分が少しだけ涙がでた。残念と思うと同時にどこで「彼ららしいな」とも思う自分がいた。

そんな彼らは今でもそれぞれ別の場所で、進むスピードや規模は違えど音楽を続けているし、現在進行形のバンドのほうが、過去のバンドより何よりも価値があるっていうのは重々承知なのだが、でもどうしても過去を美化したくなるのが人間の常で。

そんな自分も今年で30歳。そして彼らも30歳。
自分は気づいたら結婚もしていて、今年に入って父親になった。

好きじゃなかったお酒を飲むのがとても好きになっていたり、
周りで仲が良かった友人はたまにしか連絡を取らなくなったり、
仕事で後輩を指導する立場になり、責任を伴うようになったり、
土日はほとんど外に出ず家で育児をするようになったり。

自分を取り巻く環境は5年前に比べるとだいぶ変化した。

だけど、彼らが解散しても5年たった今でも、無理と分かっていても変わらず思う。
the cabsのライブが見たい、と。

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