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幸せになる方法

ラックライフがあなたの世界を変える

音楽で世界が平和になったら素敵。そんな幻想を真面目に考えてしまうのは、このバンドに出会ってから。しかし世界はほんの些細なことでいとも容易く変わってしまうらしい。地球規模の話ではなく、あなたが今見ているその世界のお話。
 

出会いと別れ。終わりと始まり。毎年この時期になると、”GOOD LUCK” という、それはそれはとてつもなく愛に満ち溢れた音楽の祭典が開催される。場所は大阪、なんばHatch。

大阪高槻で結成されたロックバンド、ラックライフによる自主企画がこのGOOD LUCK。所縁のある仲間、先輩後輩バンドたちが集い、ステージで音を鳴らし合う。2018年はイベントがこの会場で5回目、そしてラックライフは結成10年目を迎えるという、非常に大きな節目となる年だった。
 

4月中旬、一足先に東京編と銘打って渋谷のライブハウスでこのイベントが行われた。いつもは大阪だけなのだが、何せバンドが10周年なもんで、ボーカル曰く「調子乗って東京でもやっちゃった」のだそう。その夜に写真がアップされ、さぞかし良い日だっただろう様子が画面越しに伝わった。

そして迎えた5月4日。この記念すべき日をわたしは心待ちにしていた。初めて行った去年のGOOD LUCKは途中参加だったが、こんなにもアットホームで見所満載なイベントがあるのかと大変心踊った。それが今年はお祝い要素がてんこ盛り。前回以上に楽しい日にならないわけがない。会場に着くと既にロビーは大勢のお客さんで賑わっており、その光景を見るだけで胸が高鳴った。

このイベントは2ステージ制で、メインであるGOODステージと、サブのLUCKステージに別れている。片方でライブをしている間にもう片方で転換作業を行い、演者やスタッフさんが忙しなく動き回る。袖ではバンドマンがライブを見守り、フロアには和気あいあいとしたムードが漂う。
今年のトップバッターは主催者であるラックライフ。DIY精神溢れるジングルが開幕の合図となり、会場は拍手喝采。LUCKステージにアコースティックセットを構え、2曲だけ披露した後、ボーカル・PONのアナウンス。「GOOD LUCK大阪編、はじまりはじまり〜〜!」
 

余韻に浸る間も無く次々と、個性豊かなバンドたちがステージで熱いライブを繰り広げ、ラックライフとの馴れ初めや思い出を語る。それを聞くたびにラックライフはこんなにもたくさんのバンドに囲まれ、支えられ、憧憬されてきたのかと、その関係性が少し羨ましくなる。中盤ではこのイベント恒例であるプレゼントタイムで、ドラム・LOVE大石が女装し仲間を引き連れ、ダンシングヒーローをお披露目して会場を沸かせた。このコーナーにしてもMCにしても、関西人ならではのノリと遊び心がたっぷりなのもわたしがこのバンドを好きな理由の一つ。

長丁場なこの一日もあっという間で、いよいよラスト、ラックライフのステージ。いつも通りSEではお馴染みのとあるバンドの曲が流れメンバーが登場。オーディエンスの待ってました感がひしひしと伝わった。「大阪高槻のラックライフ、始めます!」の掛け声とともに、会場のボルテージは一気に上がる。

一曲目『サニーデイ』からのスタート。ラックライフのハッピーソングNo.1である(と勝手に思っている)この曲は、文字通り「ハッピーになろうぜ!」というメッセージがふんだんに詰め込まれている。
 

《 誰もの心の中に / 大切な人がもしいるなら / この世界は愛で満ちてる / みんながみんな幸せにならなくちゃな 》
 

理想や綺麗事に聞こえてしまってもおかしくないフレーズ。しかしこの言葉は、作詞を担うPONさんが本当に心から思い、紡いだ詩なのだ。その心に嘘偽りは微塵も無い。
ラックライフの歌は殆どがノンフィクションであり、実体験を通して作られている。独特な言い回しや難しい表現がなく、真っ直ぐすんなりと頭に入ってくる歌詞はこのバンド最大の魅力だと思う。
どうせ生きるなら幸せになりたいと願う。自分も、そして誰もが幸せになれたらそんな素晴らしいことはない。しかし口に出すのは少なからず憚られることで、バンドがごまんといるこのご時世でもそれを歌にする者はそうそう見ない。彼らはその思いを臆することなく大声で、一人ひとりの目を見て、伝えてくれる。この曲に何度も元気を貰った。この曲を聴くと自然と笑顔になる、胸が温かくなる。
 

「待ちくたびれちゃった〜」とPONさんが笑う。その気持ちが音に乗り、ラックライフのキラーチューンがフロアに鳴り響く。

ライブの定番曲であり、新しいことに立ち向かう人の背中を押してくれる『初めの一歩』。行け、飛べ、でも、“できるだけ” でいい。自分らしく、ありのままでいいんだと、この曲がいつも教えてくれる。
 

そして「大きな夢を叶えさせてくれた」という、このバンドの代表曲である『名前を呼ぶよ』。

わたしはラックライフのメジャーデビューを知らない。10年10年というけど、出会ったのはつい1年半ほど前で、彼らが今まで味わった苦労や挫折も凡人のわたしには一握り程度しか想像できない。

「いつ出会ったとか関係ない、今こうして会えてるやん。そしてここでまた次の約束をしよう」

過去を悔やんでも後の祭り。周りと比べて、自分ももっと前から応援してたかったなんて今更言っても仕方がない。振り返るぐらいなら、この先その気持ちを超えるぐらいの思い出を作ってやろう。昔より前向きな性格になったのも、ラックライフの音楽があったから。
 

本編ラストは2月にリリースされた曲、『僕ら』。
 

《 いつだって僕ら強くなれなくて / 少しずつでしか進めないから / 不安になるけれど / これからもきっと / 大丈夫 / 僕らは生きる 》
 

彼らの戦友であったバンドがまた一つ解散した。約束は永遠じゃない。いつ誰かがいなくなるか、いつ糸が切れてしまうかなんて、明日があるという確証は無い。でもPONさんが “大丈夫” だと言ってくれるなら、全てが大丈夫なんじゃないかと思えてくる。足並みはゆっくりでも、メンバーが誰一人変わることなく続けて来れたのは奇跡なのかもしれない。いや、その奇跡は4人の闘魂と絆が生み出したものか。
 

「あなたを入れて、“僕ら” です。今まで一緒に戦ってくれてありがとう。これからは俺らがあなたと一緒に戦えるように」

感謝を伝えたいのはこっちのほうだ。毎日満員電車に揺られる憂鬱さに耐えられるのも、日々の疲れを癒してくれるのも、明日への活力をくれるのも、全部ラックライフの音楽だ。いつも側にいてくれて、そこで変わらず歌ってくれて、幸せにしてくれて、ありがとう。
 

アンコールでは5月9日にリリースされる新曲が初披露された。共に戦い未来を語り合った仲間たちと、それぞれが成長し強くなった先でまた次の夢の話ができるように込められた歌。
この『シンボル』には彼らの悔恨、嫉妬、闘争心、内に秘めた想いが爆発している。これまで見たこともないギラついた表情と、くらくらするほどのオーラに気圧され、全身が痺れた。同時に、色んな顔を見せてくれる彼らに、膨らむ期待が抑えられなかった。
 

このイベント最後を飾ったのは『フールズ』。“ fool ” とは直訳すると “馬鹿者” という意味。この曲でいつもわたしは顔がぐしゃぐしゃになるほど、アホみたいに笑ってしまう。この日は何故だか涙が出た。それはたぶん、幸せすぎたからだ。これから先つらいこと、立ち直れないこと、乗り越えなきゃいけないことが山程待ち構えているに違いない。そんな時にここで見た美しい景色を思い出して、また一歩ずつ進むのだろう。彼らが今日までずっとそうしてきたように。
 

《あんたもたまに思い出して / 僕らのこの終わらない歌を / あんたも一人じゃないから 》
 

今年の夏にアルバムをリリースすること、それに伴いワンマンツアーを開催することが発表された。10周年イヤーの波に乗った彼らの勢いは止まらない。まだまだ叶えていない夢がいっぱいあるとPONさんは言った。わたしにも夢ができた。それは彼らの夢が叶うこと。そしてその念願の未来の上に立つ彼らを近くで見ていたい、なんて我儘を一つ言っても良いだろうか。
こうして笑顔と希望に満ちた宴は盛況のうちに幕を閉じた。
 

GOOD LUCK。どこを切り取っても、そこには深く強い繋がりがあった。愛があった。そして自分の生活にはラックライフの音楽が不可欠なんだと、彼らの存在が生きる糧になっているんだと改めて気付かされた。10年、20年と、どんどん大きくなっていくラックライフに、わたしはこれからもついて行くのだろう。彼らがどんな風に未来を作るのか、この目で確かめたいから。
 

「死にたくなったらライブハウスにおいで」
ステージの去り際、PONさんが残した言葉。

ふと毎日が嫌になったら。心が折れそうになったら。あなたの時間を少しだけ頂戴したい。ラックライフがあの手この手できっとあなたを幸せにしてくれるはず。彼らの世界に魅せられ、まんまと幸せにされたわたしが、保証する。

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