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高校を卒業した今、改めて感謝を伝えたい

BUMP OF CHICKENの音楽は、いつだって弱い人間の味方だ

私はこの春、高校を卒業した。高校二年生からの辛く、苦しかった二年間を、ここに記録として残しておこうと思う。

BUMP OF CHICKENを聴き始めたのは、彼らが初めて紅白歌合戦に出場した頃。紅白歌合戦に初めて出場する歌手を調べていた時に、「ray」のMVを見て強く惹かれた。かっこよかった。あれから、ほぼ全ての楽曲を聴き込んだ。高校二年生になってから、彼らの音楽は今までとは違った形で私の心に響いた。すごく、自分の日常と気持ちに重ね合わせやすくなったのだ。藤原基央が紡ぐ歌詞と、BUMP OF CHICKENというバンドが奏でる音楽が、真っ直ぐ私の心へ刺さってきた。
 

私の家族は、家庭の事情で、私が高校二年生になった春、引っ越した。一学期の頃は、新しい家庭に慣れようと必死だった。そして段々と、歯車が狂い始める。

〈どうにかやってこられたけど 避け様のない石に躓いて いつもみたいに起き上がれない そんな日が遂に来た〉(透明飛行船)

私は学校を遅刻するようになった。そして、だんだんと休みがちになっていった。

学校では、みんなから普通に見えるように明るく振る舞わなければ、と思っていた。そのせいか、学校では授業中も、お弁当を食べていても、友人と喋っていても、ずっと緊張していた。

〈君は 精一杯 精一杯 笑ったでしょう 皆の前 あの子の前 取り繕って 誰も気にしない様な事 それでも自分には大ゴト〉(透明飛行船)

家に帰る頃には疲れ切っていた。毎日、眠るのが嫌だった。また朝がやってくるから。

〈震える足でも進めるように 自動的に空が転がるように 次々襲いくる普通の日々 飲み込まれないでどうにか繋いでいけるように〉(トーチ)

学校に行きたくない。それでも、高校を卒業するためには、学校に行って、授業に出席しなければならない。私が学校に行くのを渋る日は、母が最寄り駅まで一緒に歩いて送ってくれた。

〈遅刻でもいいから 行こうかな〉(ホリデイ)

母と一緒に歌いながら、私は陽が高く昇る頃に、重い足を一歩一歩前に進めながら、学校へ向かった。

担任の先生は、そんな私にとてもよくしてくれた。私が学校に行ったら、必ず声をかけてくれた。学校を休んだら家に電話をかけてきてくれた。私が学校に行きやすいように、たくさんの配慮をしてくれた。

私は高校三年生の六月、クラスのみんなに、なぜ自分が学校を休みがちなのかを伝えることにした。隠して普通に振る舞うことも辛くなってきたからだ。泣きながら私は話をした。それを聞いて泣いてくれる友人もいた。みんなは私が元気になるまで、気遣ってくれた。
 

高校三年生の一年間は、自分の進路について悩み、そして決断する、大切な時期だ。私は大学に進学したくて、塾にも通っていたが、全然、勉強していなかった。それを、家族のゴタゴタのせいにしていた。

ある日、私が一人でとぼとぼ歩いていると、一緒に帰ろう、と後ろから声をかけられた。普段はあまり話さない別のクラスの友人だ。その友人は、私の悩みを知らない。その友人は笑顔で、早く大学生になりたいね、と話してくれた。その帰りの電車の中、私の目には涙がたまっていた。私の穴ぼこだらけの心に、ぽーんっと入ってきてくれたのが嬉しかった。それに、将来への希望で満ち溢れた彼女が羨ましかった。

〈僕の事なんか ひとつも知らないくせに 僕の事なんか 明日は 忘れるくせに そのひとことが 温かかった〉(ベル)
 

高校三年生の秋、あともう少しで卒業という時、私は学校を辞めようと思った。もう、教室に入ることさえ辛かった。学校には私の居場所はない、そう思っていた。学校に行っても辛いだけだから、それならいっそのこと辞めてしまおう。二学期が始まった次の日から学校を休む私を心配した親友は、LINEで「大丈夫?」と聞いてくれた。学校を退学しようと真剣に考えている、とメールで返信したところ、一時間してその友人から電話がかかってきた。「メールじゃ追いつかなくて、電話した。一緒に卒業したい。」そう言われた。私は電話を握りしめながらボロボロ泣いた。その友人は、私が「友達になろう。」と言って友達になった、数少ない親友。

〈見つけたら 鏡のように 見つけてくれた事 触ったら 応えるように 触ってくれた事〉(アリア)
 

部活動が同じだった別の親友には、彼女も話を聞いてもらっているという先生に、悩みを相談しよう、と言われた。最初は嫌だったが、何度か勧められるうちに話に行こうかなと思った。一度、話を聞いてもらうと、胸が軽くなった。そしてある日、こう言われた。あなた、将来は学校の先生になりなさい、声がいいから。びっくりした。先生という職業は、全く頭になかったから。私に大きな夢ができた。
 

〈僕らの間にはさよならが 出会った時から育っていた〉(アリア)

先生方、クラスのみんな、同級生のみんな、そしてBUMP OF CHICKENに支えられて、私は卒業の日を迎えた。

私は名前を呼ばれると、「はい」と返事をして卒業証書を受け取った。一緒に写真を撮ろう、と言ってくれるクラスの友人がいて、私は嬉しかった。たくさんの先生に本当にお世話になったので、お礼を言ってまわった。どの先生も「おめでとう」と心から喜んで祝ってくれた。涙がとまらなかった。担任の先生には手紙を書いた。その場で開けて読んでくれた。
 

〈本当のありがとうは ありがとうじゃ足りないんだ〉(supernova)

みんな、今まで本当にありがとう。
私は人に恵まれていたと思います。
みんなと一緒に卒業できて、本当に嬉しかった。

「また会おう」そう言って別れた。
 

「BUMP OF CHICKENのテーマ」という曲がある。私はこの曲を、BUMP OF CHICKEN 結成20周年記念 Special Live「20」のDVDを買った時に付いてきたLive音源のCDで知った。

〈あー僕らは 寂しい雨の日に 君の横で うるさい音を 優しく鳴らす へなちょこの4人組〉(BUMP OF CHICKENのテーマ)

私は思う。全然、へなちょこなんかじゃない、と。こんなにも私を助けてくれた。どんな時もそばにいてくれた。私は寂しかったんだと思う。両親には大事に育てられてきたが、私はいつも寂しかった。甘えるのが下手だった。そんな時に、彼らは私の耳元で、それはそれは優しい音楽を奏でてくれた。
 

私はBUMP OF CHICKENの歌詞が好きだ。藤原基央が書く歌詞は、いつだって弱い人間の味方だ。ここまでかってぐらいに、心にぴったりと寄り添ってきてくれる。
私はBUMP OF CHICKENの4人が奏でる音楽が好きだ。
私はBUMP OF CHICKENの4人の人柄が好きだ。

私は、BUMP OF CHICKENが大好きだ。
 

私は今、予備校に通っている。来年の今頃は、大学生になれているだろうか。

〈失敗しない 雨も降らない人生なんて ない〉(ホリデイ)

将来は、英語の先生になって、生徒に希望の光を灯したい。私がそうしてもらったように。

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