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青年記

BUMP OF CHICKENはそこにいる

BUMP OF CHICKENを好んで聴くようになって、同じく彼らを応援するひとたちの存在を
知って、分かったことがある。

この世につらいことなどありふれていた。
この世に孤独などありふれていた。

見ず知らずの誰かが、「学校に居場所がない。」と書いていた。
遠くのどこかで、「毎日ただ漫然と過ごしていて退屈。」とつぶやいていた。

そうして、このウェブサイトには「バンプの歌詞は弱い自分を肯定してくれる優しいものばかり。」「落ち込んだ自分に寄り添ってくれる曲。」とのフレーズがいくつも浮かんでいて、人生を支える光であったといろんな人が言う。

わたしは、学生時代に複雑で面倒な人間関係に苦しんだ。打ち込んでいた部活に挫折し、落ちこぼれのレッテルを貼られ、自分でもべたべた貼りつけ、やりたいこともなく、ただ朝が来て空腹を満たしては床に就く生活にうんざりしていた。

これじゃあまるで、わたしは量産型みたいだ。

わたしは、どこかの誰かと同じような窮屈と憂鬱を抱いて、どこかの誰かが惹かれたのと同じようにバンプに慰めてもらったみたいだ。

わたしは、特別でありたかった。

彼らへの感謝を綴るファンがいやだとか、そういうことを言いたいわけじゃない。
わたしだって同じなんだから。

顔も知らないひとと彼らとの出会いや物語を知って深く共感し、涙を流したことも1度や2度ではない。

それでも、誰よりもつらい思いをしたのはわたしで、一番苦しんでいて、そのわたしを救世主のごとく救い出してくれたのはBUMP OF CHICKEN。誰よりも彼らに救われたのはわたし。それはわたしのアイデンティティを司る、一番柔らかくて大切なものだった。

大人気ない。きたない。青臭い自意識でべたついた恥ずかしい感情。

BUMP OF CHICKENがいて、その優しさを享受してもなお、わたしはきれいな人間になりきれない。

それでもどうだ。イヤホンから鼓膜を揺する聴きなれた声は「皆アンタと話したいんだ 同じ高さまで降りてきて」(ハンマーソングと痛みの塔)と、はるか上空まで上りつめたわたしに叫ぶ。

「明日生まれ変わったって 結局は自分の生まれ変わり 全部嫌いなままで 愛されたがった 量産型」(Butterfly)

彼らは、ほんとに、ダサい人間にやさしい。

日常に傷ついて、その傷がすっかり治りきるまで隣にいた彼らのことが大切になって、彼らと自分の関係を躍起になって他と比べては鼻を高くしたわたし。そこに自分の価値を見出そうとした浅はかなわたし。そのあんまりの卑しさに悲しくてしゃがみ込むと、彼らはいつものようにそこにいる。

「まともな奴ってどこだ 普通の人って誰だ 隣にいるのは僕だ 隣にいるのも君だ」(大我慢大会)
そう耳元で口ずさんで、じっと動かないわたしの隣にいる。

つくづく、ダサくてかっこ悪いひとの背中をさするのが上手い。

「おとな」にもなって、思春期の中学生みたいなことで自尊心を満たそうとしていた自分が恥ずかしくて仕方がないけれど、彼らは「失敗しない 雨も降らない人生なんて ない」(ホリデイ)と優しく肩を叩くから。

「あと 3回 寝返りしたら 今度こそ起きてやろう」

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