1515 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

汚れなきグレー

崎山蒼志に出会う。

何もない金曜の夜。
ふとYouTubeを漁る金曜の夜。
キャプチャ画面に映る冴えないメガネの男の子。ふとクリック。
彼は4歳の頃からギターを弾いているらしい。
自転車に乗りたいらしい。
はははは。可愛らしい。今から歌うらしい。
ああご飯食べなきゃ、画面を閉じかける。

ジャカジャカジャン。〜samidare〜五月雨

?????

「裸足のまま、来てしまったようだ 東から走る魔法の夜」
 

彼が唄いだした。
一気に画面に引き寄せられる。
突風を受けたような衝撃。無意識の感嘆。
なんなんだ。
さっきまでのおとぼけ少年とは打って変わった。
幼さの残る微かに震える声と彼の感性から生まれた歌詞。そしてギターの音。
それは大層ひねくれたものだったり、
汚れのない美しいものだったり。
懐かしく切なく激しく皮肉で底抜けに暗くて、儚い。

「意味のない僕らの 救えないほどの傷から 泪のあとから 悪い言葉で震える」

回りくどくて、真っ直ぐで。
とてつもない安定感と危うさ。
かっこ悪くて、最高にかっこいい。
病みつきになる。
自分自身の語彙力の無さに憤慨するが、とにもかくにも素晴らしい。
この独特の雰囲気は彼だからこそ醸し出せるのだろう。
末恐ろしい少年だ。嫉妬したくなるほどの才能である。
これを世間が放っておくはずがない。

彼にまつわる動画を見た。夢中で曲を聴く。
KIDS’Aというバンドを浜松でしているらしい。見たいな。

すっかり夕食は冷めしまった。ああ、だめだだめだ。
そっと画面を閉じた。が、ずっと頭に残る。

味噌汁をすすりながら思い出す。
日付をまたいだ土曜の夜中また思い出す。
きっと明日も電車の中で思い出す。

そんな素晴らしい音楽に出会えた金曜の夜。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい