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誰よりも無責任で、誰よりも心強い

「関ジャニ∞」というヒーローのかたち

きっと、誰にだって「ヒーロー」はいる。
それは周りの大人たちかもしれないし、過去に生きた偉人かもしれない。場合によっては、フィクションの世界の住人ということもあるだろう。「ヒーロー」の形は、実に人それぞれだ。

私にとって初めての「ヒーロー」は、テレビの中で色とりどりの魔法を操る女の子たちだった。出来れば彼女たちのようになりたかったのだが、親から魔法の会得は難しいらしいと聞かされ、泣く泣く諦めた。
それから少し経ち、ランドセルを背負うようになった私は、身近にいる大人に憧れるようになった。父や母、学校の先生、習い事の先生…。身長140cmから見た世界、そこに居る大人たちは誰しもが「ヒーロー」だった。将来の夢の欄には、父の職業か学校の先生と書いた。私もいつかは、思い描いた理想の大人になれる。そう思っていた。

結論から言うと、私は思い描いていた「ヒーロー」にはなれなかった。
どちらも諦めたのだ。一つは、大学受験に失敗して。もう一つは、あまりに大きなトラウマが出来たために。
前者は自分でも驚くほどすっきり切り替えられた。進学し、新しい環境に慣れるにつれて未練はなくなった。
問題は後者だ。暫く立ち直れなかった。未だに思い出そうとするだけで具合が悪くなる。
生まれて初めて突き落とされた、深くて真っ暗な谷底。それまでの人生で味わったことのない、もう金輪際味わいたくない、そんな心地だった。
「夢を叶えられなかった自分に、この先一体何が出来るのだろう」
「これから何をしていきたいのだろう」
そればかり考えていたような気がする。

そんな私を救ってくれたのは、関ジャニ∞だった。

あれは確か、去年の年明け辺りのことだったと思う。たまたま観たバラエティ番組で、テンポよく笑いを生み出すチームワークの良さに心惹かれた。そこからグループのことを調べていくうち、気が付けばその魅力の虜になっていた。

中でもとりわけ魅力的に感じたのは、その多様な音楽性だった。演歌や歌謡曲、ポップスにバラード、そしてロックというふうに、そのジャンルは実に幅広い。それぞれ個性が際立つメンバーの歌声は、重なると立体的で豊かな響きを作り出す。その上、バンドスタイルで演奏を披露することもあるし、さらには作詞作曲まで手掛けることもある。音楽に対して情熱を持ち、誠実に向き合うからこそ生まれる、色鮮やかな世界。私はその世界にどんどんと引き込まれて行った。

その頃はちょうど、私の進路の雲行きが徐々に怪しくなってきていたときだった。漠然とした不安を抱えながら、それでも前を向かなければいけないというとき、何度も何度も繰り返し曲を聴いた。

“行くべき道は そう、君の踏み出した先にある
君、行けばこそ道は開く!”
[NOROSHI]

“言い訳と弱音をやめたら あとはドアを開けるだけ”
[なぐりガキBEAT]

いよいよ決定的な出来事があったときも、歯を食いしばりながら何度も何度も繰り返し曲を聴いた。

 “がむしゃらラララ進もう 答えはその先に・・・
みつからない事もあるさ それでも「一歩」先へ”
[がむしゃら行進曲]

 “まだまだ終わらないから”
[LIFE~目の前の向こうへ~]

明るさの中に滲む、過去に味わった悔しさや湿っぽい未練。何があっても前を見据え、進んでいく力強さ。現状に満足することなく、新たな挑戦を続けるエネルギー。
彼らのかつての歩みと重ね合わせながら、歌詞にある言葉を一つずつ噛み締めていくと、不思議と力が湧いてきた。苦しいときの支えはいつだって音楽だったけれど、あの時の私を救ってくれたのは、他でもない、関ジャニ∞の音楽だった。
 
あれから1年が経った。
今の私は、モラトリアムの残り時間を気にしつつも、修士論文の研究と就活への準備をのんびり行っている。将来への不安が完全に消えたわけではないけれど、それよりも楽しみを見つけることのほうが圧倒的に多くなった。思い描いていた「ヒーロー」にはなれなかったけれど、歩みを止めなければ必ず道は開ける。そう信じている。
 

必ず、誰にだって『ヒーロー』はいる。
形は人それぞれだけれど、人はいつだって、誰かに憧れ、誰かに救われて生きている。

“笑っておくれよ なるようになるさ”
 [無責任ヒーロー]

無責任そうに見えて誰よりも信頼できる『ヒーロー』。あの時どん底の私を救ってくれたように、これからも沢山の人々を救っていくのだろう。
多少無理が利かなくなるかもしれない。もしかしたら形が変わるかもしれない。予想だにしなかった事態に直面することだってあるだろう。ただ、どんなことがあっても、その姿は決して色あせることはない。
関ジャニ∞は私にとっての、そして誰かにとっての、”最高で最強の”『ヒーロー』なのだ。
今までも、そして、これからも。

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