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白黒の世界に絵の具を落とす

UNISON SQUARE GARDENが私にかけた"わからずやには見えない魔法"

UNISON SQUARE GARDENとは?と聞かれたら私は間違いなく、”私に魔法をかけてくれたバンド”と答える。

中二の私が見ていた景色は白黒だった。女子特有のいざこざに巻き込まれ、その他の人間関係にも悩んだ。そしてある日を境に、私はうつむくようになり、世界からは色が消えたように思えた。

7月のある日、前から気になっていた
UNISON SQUARE GARDEN のアルバムDr.Izzyを買った。
正直、シュガーソングとビターステップと事前にMVが公開されていたアトラクションがはじまるが聴ければいいと思っていた。

だがそうはいかなかった。今まで個人的にあまり聴いていなかったバンドサウンドと独特な歌詞の虜になり気づけば何度も何度も繰り返し聴いていた。あの日、私の視界に久しぶりに色がついた。そして、あんなにもCDジャケットの水色が綺麗だと思ったことはない。

私はユニゾンの魔法にかかってしまったようだ。

とは言っても学校での暮らしは変わらない。今思えばたいしたことはないが、14歳の私には辛かった。

「私、洋楽しか聴かないの。日本の曲なんか嫌い。」
と、クラスメイトに自慢げに話された。
「そんなに言うなら邦楽の悪いところばかり上げてないで、もっと洋楽の良さを伝えてよ。オススメされたやつは聞いてみるからさぁ。」なんて言えないので、大音量でマイノリティ・リポートやシャンデリア・ワルツやらを一通り聴いたあとに
「日本語の歌詞でこんなに面白い言葉遊びをしてるかっこいいバンドを知らないなんてお前ら損してるよ。ざまみろ。」と1人で呟いた。

結局、人に合わせようと努力して疲れている自分に気づいた時はマジョリティ・リポートを朝まで聴いた。

なんかよく分からないがイライラする時は、天国と地獄とパンデミックサドンデスとCheap Cheap Endrollを気が済むまで聴いた。

私の生活にはユニゾンの曲が寄り添っていた。

するとあることが起きた。「○○ちゃん、ユニゾン好きなの?」と尋ねられたのだ。初めての同士にテンションが上がった。それからその子とは音楽の話をよくした。そして卒業まで仲良くすごした。

そんな卒業式の日。春が来てぼくらのフルサイズのMVが限定公開された。

”また春が来て僕らは新しいページに絵の具を落とす 友達になった、おいしいものを食べた、たまにちょっとケンカをした”

”筆を踊らせる僕らはこの時を止めてしまいたくなる”

ユニゾンの曲の中でもこれ程までに私の気持ちを代弁したものがあっただろうかと感じた。クラスメイト達と別れるのが辛い。そう思った。

だが、それと同時に気づいた。ひとりぼっちの白黒の世界がだいぶ鮮やかになったことに。

私はユニゾンの魔法にかかっていたのだ。”わからずやには見えない魔法”に。

中二の頃のネガティブ思考を極めた”わからずや”の私には見えなかったのだ。世界の色彩が。

だがゆっくり、ゆっくり魔法を感じることが出来るようになって、1年半前の私なら何も思わなかったであろう歌詞に涙しているのだと思った。

世界に色がないと嘆いていたのに最後には絵の具で日々を描いていくという歌詞に共感するとは皮肉なものだ。でも悪くは無い。

高校生になった。
おかげさまで世界はとても鮮やかだ。そして高校でもこう尋ねられた。「○○さん、ユニゾン好きなの?」

きっとこれからもUNISON SQUARE GARDENの魔法は、私の青春を彩り続けていくだろう。
 
 
 
 

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