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革命的で異端児な新ジャンル『超特急』

一見で概念を覆す。not食わず嫌い

あなたは「超特急」というグループを知っているか。この投稿を読んでくれている人の中には「名前くらいは聞いたことがある」「ああ韓流グループだよね?」と思う人もいれば、名前すら聞いたことがない人も恐らくいるだろう。現に私も一昨年の秋までは「ももクロと同じ事務所の男性アイドルのことだよなぁ」くらいの認識であった。
 

元々、中学生のときから今まで約10年以上ロッキング・オン・ジャパンを定期購読し学生時代はロックに育てられ、社会人になっても毎年夏冬は必ずロックフェスに行く自分にとって、超特急とは触れることがない別次元の世界でさえあったのだ。アイドルについても、フェスで見かけるももいろクローバーZやでんぱ組.inc等はライブが楽しく曲も好きではあったが、あくまでも「ロッキンやサマソニに出ている」というステータスを持つ彼女達を好きな部分があり、自ら好きな若手を新たに探し出すほどアイドル文化にハマっていたわけでもなかった。
 

そんな中2016年の秋、多くのアイドルが出演するフェス“@JAM”に「でんぱ組も出るしフェスだからご飯食べながら楽しめればいいか」くらいの軽い気持ちで会社の先輩に連れられ参加したのだが、そこで初めて超特急に出会った。
 

ここでそもそもの超特急の説明を手短ながらさせていただく。超特急とは、日本の音楽グループ、所属事務所はスターダストプロモーションでレコードレーベルはSDR。ダンサーが前方、ボーカルが後方でパフォーマンスを披露する「メインダンサーバックボーカル」スタイルや楽曲毎にセンターを務めるダンサーが変わることが特徴(Wikipediaより参照)。Wikipediaの説明のままでも充分だが少し補足させてもらうと、今年で結成6周年なのだがグループ名に基づいてメンバーは2号車~7号車となっており、それぞれ担当や担当カラーまである。ファンは8号車と呼ばれ、メンバーとファン全員が合わさって8両編成の超特急なのだ。(元々は1号車がいて7人グループだったのだが、2018年4月に超特急脱退を発表し現在は6名で活動中)
その中で5名がメインダンサーで1名バックボーカルという立ち位置である。「メインダンサーバックボーカル」スタイルとはなんじゃそりゃ、と感じると思うが、簡単に言うとEXILEの逆バージョンと考えていただければ分かりやすいだろう。
そして元メンバーの1号車コーイチこそが本来はここで私が紹介したい超特急の魅力を語るのに必要不可欠で、ロック畑から別次元に私をひきずりこんでくれたきっかけでもあったため、ここでは当たり前のように名前を出していくことを了承いただきたい。
 

では、@JAMに話を戻すのだが、初めて超特急を見たとき掴みのOVERTUREで一気に惹かれた。OVERTUREとはアイドルのライブでは当たり前に使われる登場曲のことなのだが、超特急の場合、電車とかけて「ご乗車ありがとうございます」のアナウンスが流れ汽笛音とともにガッタンゴットンという車両の走行音が流れる。これだけで今まで味わったことのない何かが始まる期待と少しの緊張がこみあげてきた。そしてメンバーが登場し、ライブが始まる。私は前提知識がなかったのでボーカルよりもダンサーがセンターで目立っている姿にびっくりしたし、何よりボーカルの歌が本当に上手い。アイドルのことをよく知らなかったので口パクを疑うこともあったし、歌わされているイメージがテレビを見ていてどうしてもあった。しかし、超特急のバックボーカル2名が歌うところを見ると、歌詞を変えてみたりフェイクをかけたり見ているこっちが苦しくなるような気持ちを込めて歌う姿もあり、感情が揺さぶられ続けた。特に1号車コーイチの歌い方は、アレンジがきいて生のグルーブを本人が一番楽しんでおり、見る者を惹きつける才能がある。彼から音楽への愛情がダイレクトに伝わってきて、私の知っているアイドルの歌唱力を遥かに超えてきた。
また、歌唱力だけでなくメインダンサーの魅力も私には体験したことのない未知との出会いであった。バンドが好きな自分にとって音がすべてでダンスには全く興味がなかったのだが、超特急のライブはダンサーがいることで成り立つ。メインダンサーというだけあって曲によって振りだけでなく表情までガラリと変わり、盛り上がる曲では全身全霊をかけて踊りながら叫ぶ。ここでいう叫ぶ、とは意味が分からないと思うが気になった方には一度“バッタマン”という楽曲でライブ映像を検索してみてほしい。メンバーが口を揃えて「自分たちにとってはライブがすべてで、魂を削るほど常に全力で取り組んでいる」と断言するほど、彼らにとってライブとは踊る場所であり、叫ぶ場所であり、命をかけている場所でもあるのだ。また、8号車(ファン)もその想いに応えるように全力でコールし振りを完コピしながら盛り上げる。男性アイドルの現場でイメージしていた双眼鏡片手にうちわを手に持って応援、という姿はそこにはなく、女性ファンがほぼ8割であっただろうにペンライトを手に声を出しながら踊り続けている。そんな超特急を初めて見たとき、なによりもロックを感じたし単純にライブがとても楽しかった。
  

それからというもの、超特急の音源や映像を片っ端から購入しメンバーのこともだんだんと知るにつれすっかりハマってしまい、今ではロックバンドのワンマン、フェスに行くより超特急のライブに行く回数の方が倍以上に増えている。超特急に出会って1年半が過ぎ、元々アイドルには興味もなかった自分が以前からは想像もできない(学生時代の友人には変わったね、と最近よく言われる)ほど、超特急にのめり込んだ理由の一つとして彼らの人間性・ストーリー性も挙げられる。

所属事務所のスターダストにはももいろクローバーZや私立恵比寿中学、チームしゃちほこなどロック・イン・ジャパン・フェスにもお馴染みの女性アイドルが数多く所属し、男性グループでもEBiDANと呼ばれる、簡単に言うとスターダストの男性若手集団が存在する。超特急はそのEBiDAN発足時の初期メンバーである。先輩がほとんどいない中でインディーズデビューをしたのだが、デビュー当時は「リスペクト韓流ジャパニーズPOP」というコンセプトのもと活動していた時期もあり、本人たちもインタビューの中で前例がないため試行錯誤しながら必死に進んでいた、と語っていた。
アイドル文化自体はAKB48が2010年頃に爆発的に売れたことにより、アイドル戦国時代とも呼ばれ社会現象にもなっていたが、それはあくまでも女性アイドルの世界であって、男性グループにはまだまだ厳しい世界だった。そんななかで、他のグループに負けないためにメンバーは自分たちで居場所を探し試行錯誤しながら超特急を作り上げていった。リーダーが活動途中で交代するというグループとして前代未聞な出来事や、6号車ユースケは変顔で叫び続ける自分のパフォーマンスに悩んだ時期もあった。続けることの意味を見出し、ようやく「超特急」が見えた彼らには幾つもの壁があって、そこにはフェスに出るようになってから知った私では分からない苦労があっただろうし、そんな時代から支え続けたファンがいたからこそここまでこられたのであろう。
メンバーも誰よりもそれを分かっていてファンのことを8号車のメンバーとして常に一番に考え大切にし、ファンも応え、そうして今のみんなで作り上げ一体感のあるライブが生まれてきたのだ。

また、超特急は元々「非アイドル」を謳っており、先ほどのリスペクト韓流のコンセプトと比べ、割と最近までCDのジャケットにも非アイドルのシールが張られ自分たちのことをアイドルではない、と言い続けてきていた。だが、近年のリリースでは非アイドルのロゴもなくなり、本人たちもアイドルも非アイドルも関係なく、「超特急」をまずは多くの人に知ってもらい新しいジャンルとして確立したい、と話していた。ライブでは生声で歌い、派手な演出や衣装替えがない中でどんなに盛り上げても、顔が良いし曲も自分達で作っていない限りはアイドルと呼ばれることがあるかもしれない。それに抗うのではなく、受け入れたうえで超特急として認めてもらいたい、という彼らの意思はとても強く、想いが伝わってくる。超特急のツアーとしても、年々キャパが広がり去年の年末年始には幕張メッセ、横浜アリーナ、大阪城ホールのアリーナツアーを成功させた後に今年は春に再度アリーナツアーを行い、12月には超特急の今年の目標であった念願のさいたまスーパーアリーナ公演も決定した。また、男性ファンのみを対象とした“男祭り”というライブも毎年開催しているのだが、こちらも年々動員数が増え今年の3月には渋谷クラブクアトロでソールドアウトさせ800人を盛り上げることに成功した。
 

メンバーが公言している「Mステに出たい」「紅白に出たい」という夢はまだ先かもしれないけれど、確実に8号車の数は増えているし男性グループの概念を変えているのは間違いない。
バックボーカルは7号車タカシだけになってしまったが、先日のアリーナツアー武蔵野の森総合スポーツプラザ公演での彼1人の歌声を聴き、変わらないどころか歌がさらにうまくなり、ダンサーも以前に増して満身創痍で迫力がありライブの楽しさは変わっていない。超特急にとっていきなり訪れた最大の困難1号車コーイチの脱退を乗り越え、パワーアップした彼らの今のライブをぜひ一度生で体感してほしい。まだ社会的にも認知度が低い男性グループの壁を、今度は乗り越えようとする超特急の姿に心が掻き立てられるだろう。どうせアイドルだから~の理由で避けられるのは悔しく、自分達で曲を作っていなかろうがビジュアルが良いだろうが、制度のある中で全力でパフォーマンスし社会に存在を主張し続ける彼らは間違いなくロックだ。
 

最後になるが、4月に脱退した1号車コーイチのことも宣伝させていただきたい。この投稿を読んでくれているロック好きの方には彼の歌声は確実に届くだろうし、実際コーイチは超特急メンバーのときにも作詞作曲をしておりボーカル2人だけのライブでは披露したこともあった(YouTubeには本名での「吉野晃一チャンネル」が開設されている)。
彼が好きなブラックミュージックに影響を受けたであろう、ここの曲はこれからもっと多くの人に聴かれるべきであるし、曲自体はまだ数曲しかアップされていないが一聴するだけで吉野晃一の人間性が伝わるはず。今後の具体的な活動は6月上旬時点ではまだ発表されていないが、恐らく歌い続けるだろうし音楽に愛された人なのでここで終わることはないだろう。
また、超特急7人体制のときでも彼はいつでもライブに全力で、圧倒的な歌唱力の他にダンスもMCもうまかったので興味があったら見てほしい。いつだって嘘のない1号車コーイチがそこにはいる。

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