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ロックバンドは、今日も私を照らす

真っ直ぐに歌うザ・モアイズユー

ロックバンドに、なにを求めるだろうか。
そんなの人それぞれかもしれない。
一歩踏み出す勇気を与えてくれること。
背は押さずともそばにいてくれること。

私にとってはどれも違った。
 

あの日、私はひどく落ち込んでいた。
新生活に馴染めきれないでいた私は、悪意のない言葉一つ一つにいちいち傷つき、このままじゃいけないと思うほどに、無力な自分が嫌いになっていった。
楽しみにしていた彼らのライブを、本当に楽しめるだろうかと考えるくらいに。

フラフラとライブハウスに向かい、何バンドか見るも、やっぱりうまく笑えない。
そんな簡単に勇気付けて、周りに流されるな、ありのままでいろって歌うなんて無責任だ、なんてひねくれたことを考えてしまう。
私がもっと素直だったらあの時もっと上手くいっていただろうか、なんて思い出しながら。
 
 

そんなことを考えているうちに、彼らの出番が来た。ザ・モアイズユー。

〈埃にまみれて過ぎてく毎日に僕ら何も感じなくなってた〉
〈立ち尽くす君を呼ぶために 僕ら声を枯らすよ〉 / 光の先には

沈んだ気持ちの私には眩しいくらい真っ直ぐに歌う。苦しかった。
ザ・モアイズユーが紡ぐ言葉には嘘がない。上手くいかずにもがく情けなさ、一歩踏み出せない弱さ、それでも進もうとする微かだけど確かな意思。
上手くいかないことのほうが圧倒的に多いけれど、こんな瞬間を見せてくれるなら、生きててよかったと思えた。楽しめるかな、なんて不安は無かったかのように、あの瞬間は全てを忘れて笑っていられた。
 
 

ロックバンドに何を求めるか。
私が求めていたのは、暗闇の中で、ほんの一瞬照らしてくれることだった。
明るい気持ちにしてくれなくていい、でもどうしようもなく追い詰められたとき、彼らの輝く姿を見せて欲しい。
 

ザ・モアイズユーは頑張れなんか言わないし、かと言って側にいてくれるわけでもない。

少しだけ、私たちの先を歩く。

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