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こんなアジカンを待っていた!

ASIAN KUNG-FU GENERATION「BONES&YAMS」6月8日の東京公演に行って

以下は概ね、アジカンは最高だ!という話である。
セットリストについて、ひたすら語っているが、具体的な曲名は出していない。

さて、アジカンを好きになって幾星霜。待てど暮らせど、あの曲を演奏してくれない。
そんな日々を過ごしていた。
もちろん好きな曲は沢山あるので、どのツアーもライブも、いつも楽しいし感動するし、大好きな曲が、その空間を震わして私に直接届くことが嬉しいし。社会人生活でボキボキに折れた心が救われて泣いちゃうし。

しかし、である。

ふとネットを見ると、アジカン同じ曲ばっかやってる、なんて評価がフッと湧いていた。ライブでアルバム全曲再現など「普段やらない曲」もしっかりツアーごとにやってきたにも関わらず、だ。

そして、私も実は、すこし、思っていた。

それはおそらく、セットリスト毎回毎回固定曲(ひとつのツアーだけでなく)または微固定曲ゆえではないかと思う。聴き覚えの多さ、とでも言えばよいのか。
無茶なことを言っているのは分かっている。そりゃ沢山の曲を常に覚えているのは大変だ。覚え直すのも大変だ。普通、同じ曲をやればやるほど良くなるだろう。機材のセッティングの関係もあるだろう。あと私の勘違いかもしれない。

しかし、ここ最近のセットリストを眺めてみると、考えてしまう部分がないとは言えない。
「定番の曲」があるからこそ一本、筋の通る安定したライブをお届けできる面もあるだろう。
むしろアジカン、ちゃんとツアーごとに少しずつ選曲を変えている、ような気もする。新曲がライブ常連曲へ成長し盛り上がっていく姿も見た。

もう少し、今までのセットリストと、自分の感覚を眺めてみる。

オリジナルアルバムツアーの場合、私にとって、そのアルバム曲は「滅多にやらない曲」には含まれない。そこに、セットリストのラインナップとしては、毎回毎回固定曲、微固定曲がリストインしてくる。残された枠へ「滅多にやらない曲」が入るのだろう。そして、その枠は1~2曲あるかどうか程度なのではないか。その枠を数十曲が争うのである。

そんな私が抱えていたごちゃごちゃを、鮮やかに吹き飛ばしてくれたのが今回のツアーなのだ。ああ、だからアジカンは最高なんだ。

今回のツアーはすごい。本当にすごい。単純に、「滅多にやらない曲」が沢山セットリストに入っている。
開演前に、ああ、あの曲やってくれたらなあと夢想してしまうような、大袈裟に書くならば、ああ、この曲を聴けたら、この1曲だけでも聴けたら、今日ここに来た意味がある、とまで思ってしまうような曲を、1公演で5曲ぐらいやってくれたのだ。
その曲を待ちわびた4万時間の報われる瞬間が。5曲も。(5曲は多いという意味の比喩であって、本当に5曲ということではない)

とはいえ、今回だってアルバムのツアーじゃん?と思われるかもしれない。
ただ、ひとまず聞いて欲しい。この芋盤と骨盤、リリースされた経緯が面白いのだ。

時は遡り2012年のことである。アジカンから初めてのベスト盤がリリースされることになった。
しかし、それをあんまり納得していないゴッチ。(良い曲が多く1枚には収まらないと思ったため)
彼は、自身の日記に芋盤、骨盤としてゴッチセレクトの曲を公開した。

そして時は流れ2018年、ベスト盤2と同時に芋盤、骨盤がCDとして発売され「BONES & YAMS」ツアーが決定した。
この流れによって、今まで滅多に日の目を見ることのなかった素晴らしい曲たちが、私の目前に現れたのだ。
ちなみにベスト盤2のほうには、近年の定番曲が多く収録されているため、その曲たちがしっかりとライブを支えてくれる。
当人はここまで想定していなかったのかもしれないが、お見事としか言いようがない。いや、一歩先を見る人なので、射程内の流れだったのかもしれない。ゴッチの先見の明には感服である。この流れを作り出してくれた方々にも感謝だ。

今回のライブで面白かったことがある。
それは「よくやる曲 」と「滅多にやらない曲」のギャップだ。
ずっと演奏し続け、一緒に歳を重ね、変化を伴ってきた曲の頼もしさに対比したとき、それは浮き上る。
突然、時を飛び越え久々に演奏された曲の瑞々しさに心臓は高鳴った。当時の青い煌めきが放たれる瞬間を垣間見た。まるで時間を真空パックしていたかのようだった。思わず頬が緩んでしまった。今でも、あの時間が脳裏に浮かぶと幸せな気持ちになる。

今回の公演、選曲がレアというのだけが見どころならぬ、聴きどころではない。
オープニングアクトのニックによる色鮮やかな音楽。
心を震わせてくる新しい曲たち。
思わず口ずさんでしまうリフを奏でるロックスターのギター建ちゃん、
不動だからこそリズムに身を委ねる姿を見ると嬉しいベースの山ちゃん、
ダイナミックに進化する目の醒めるようなドラムの潔、
自由に楽しむ萌芽が見え出した観客、
いつも優しく頼もしく導いてくれるサポートのシモリョー、あなたの鍵盤もアジカンに寄り添って刻むリズムも大好きだ。
そして、ライブが出来ることを幸せだと言ってくれるゴッチ。その歌声とギターの音色は真っ直ぐ届く。
アジカンは今もなお、留まらない。

以上を簡単にまとめると、つまり、私はこういうアジカンのツアーを待ちわびていた!のだ。

眩い白光のなかで、ゴッチが歌いながら両腕を掲げ、指差した先に、私は帰って行く。
アジカンのくれた灯火が、私の歩む先を照らしてくれる。疲れた身体とは対照的に、ずっと心は軽やかだ。

次のアルバムは秋頃に出ると言っていた。
具体的で明確な胸踊るお土産を持たせてくれるのも、アジカンが最高な点のひとつである。

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