1437 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

特別が存在しない横浜アリーナという会場でのワンマンライブ

UNISON SQUARE GARDENのツアーの中の1公演の話

1月にアルバムをリリースし、4月から11月にかけて32公演のツアーをUNISON SQUARE GARDENは行っている。
現在もそのツアーの真っただ中だ。そのツアーにはライブハウス公演も、ホール公演もあり、アリーナ公演もある。
6月13日に2か所あるアリーナ公演のうちの1か所目にあたる横浜アリーナ公演が行われた。

アリーナ公演というと広いステージに趣向を凝らしたり、銀テープが舞ったり、ゲストにストリングス隊を招いて曲に厚みを増したりとプラスアルファの特別を与えてくれるバンドやアーティストも沢山いるだろう。ただ、UNISON SQUARE GARDENはその特別を一切しなかった。
プラスアルファがあったとするならばステージを長方形に例えるならその外れた左右の脇に3つずつ照明が床側に設置されたことと、ステージ上にセンターモニターが設置されたことくらいだ。
この日もう一つ特別があったとするならドラムの鈴木は公演日が誕生日だった。それすら一切合切触れることは無かった。それくらい「普通」の「ツアーの1日」だった。

私は客席を広く見渡せる場所が自分のその日の席だった。
アリーナでユニゾンを聴けるのは初めてで、この広い会場でユニゾンが聴けるのかと時間とともに埋まっていく客席とステージを見ながらただただわくわくした。
わくわくして、恒例の入場BGMから最後まで信じられない程、目から涙が溢れていた。
既に今回のツアーのホール公演に1度足を運んでいる。その為セットリストやどのタイミングで何が起こるという事は把握していた。
けれども、互いのタイミングに合わせた駆け引きのような各々の音の重なり方の一つ一つや、一瞬でもズレたら意味合いが変わる様な些細な照明の光。そして好きなバンドが大きな会場で音を鳴らし、それに反応するように各々に指定された場所で動き回る客席。
この奇跡が当たり前の様に目まぐるしく行われる光景にひたすらに心が揺さぶられた。

「普通」のツアーだった。「普通」なくらい奇跡がこれでもかと詰まった公演だった。
アリーナという場所に偏ることのない、ベース田淵智也の言葉を借りるならいつも通りの「通常営業」だった。
セットリストも、あんなにも離れた場所から暗転の際に聴こえたエフェクターを踏む音が聴こえたのも、メンバーの誕生日を祝わなかったのも全部全部通常営業だった。

ユニゾンは日本武道館でも幕張メッセでもこれといって特別な演出はしなかったし、記事などでもそのような旨の言葉をよく見かける。
実際そのようなことは行われていないし、私自身も期待などしていない。
ユニゾンが重ねた奇跡が膨れ上がって魅せられたいつも通りの彼等だった。
その奇跡が重なって重なって横浜アリーナというひとつの大きな会場に沢山の人が集まったのを特別な事だって私は思いたい。

全部全部の奇跡をさも当然のようにやってのけるバンドの横浜アリーナというライブハウスで行われた特別という名前の普通のツアーの1公演だった。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい