460 件掲載中 月間賞発表 毎月10日

2017年4月24日

江麻 (18歳)

私とYUIの5年間

今だから言えること

私がYUIに出会って5年になる。
中3だった私は大学1年になった。

この5年間はYUIに支えられてきた。
YUIがいなかったら今の私はなかっただろうと思う。
 

YUIとの出会いは中3の6月だった。
大好きだった父方の祖父が小3の時に亡くなって、中1の時に祖母が亡くなった。
北九州にあった父の実家を売ることになり、私たち家族は羽田から北九州に飛んだ。

私は飛行機の機内プログラムを毎度楽しみにしていた。月ごとにアーティストの誰かが特集されていた。
私が乗ったその時期、ちょうどYUIが特集されていた。
2度目の活動休止の為だ。
YUIのことは前から知っていた。
だから、何気ない気持ちで聴いてみた。
 

驚いた。
そんなもんじゃない。
何か、背中をバットで殴られたような衝撃だった。
「again」はその時の私の心そのものだったから。

ーー世の中にこんな曲作れる人いるんだ。

そう思った。
 

私は中2の頃にいじめを受けた。
授業中も騒がしい教室に苛立ち、うるさい、と怒鳴った。
それから半年、いじめを受けた。

誰も助けてくれなかった。
友達も、担任も、親も。
何度、死にたいと願ったか。
何度、人生なんて早く終わればいいと願ったか。
いらない正義感だと思った。
「お前が悪い」と
どうして言い切れるんだ?

中3になって、当時のクラスは解散したものの、主犯たちに廊下でバッタリ出くわすことも多々あった。
味方は誰もいない。
次第に人が恐くなった。

そんな時に出会ったのがYUIだった。

シンガーソングライターっていう職業もあるんだな。
自分の将来も見えないまま、ぼんやりとそんな風に考えた。

将来の夢は特になかった。
ただ、興味で歌詞を書き始めた。
中3の9月だ。

今日あったこと。
ムカついたこと。
悲しかったこと。
ノートに書き連ねて4年半くらいになる。
リングノート4冊分が埋まっていた。
そして、少し本気でシンガーソングライターというものを追いかけてみたくなった。
 

親はとにかく分からず屋だった。
自分たちの価値観を押しつける人たちだった。
憎みたかった。
大好きだけど大嫌いだった。

父親はいつも警察官になれと言っていた。
私の行き先はいつも親の押し付けだった気がする。
父親は短気で、怒りだすと収拾のつかない人だった。夜中に叩き起こされて怒られたことが何回もある。母親は気が変わりやすくて物事に対して極端に無関心だった。そのくせ変なところで関わってきて、そのタイミングの悪さが私を苛立たせた。

YUIが音楽を習った「音楽塾ヴォイス」
西尾芳彦という人はどんな人なんだろうか。
1年ほど前にヴォイスに見学に行ったことがある。
ただ、音楽をやりたくて仕方なかった。

西尾という人なら、私のこと分かってくれるかも知れない。
ヴォイスの存在を知ってから私はそんなことを考えた。でも、壁は厚かった。

中3の終わりに親にギターが欲しいと言った。
お年玉を貯めていたから自分で買う気でいた。
あとは許可だけだ。

人が恐いまま、私は受験生になったが、集中出来ず第一志望の公立に落ちた。
併願していた私立の進学校。
高校生になっても親はギターを買うことを許可しなかった。軽音学部もあったが、気の進まないまま空手部に入らされた。空手部は結局、対人関係が上手くいかず半年で辞めた。
クラスという塊も苦しかった。友達も出来ないまま私は不登校になった。
別に勉強したくないし。
音楽だけやりたいのに。
学校がひたすら退屈だった。
親は、大学に受かれとだけ言い続けた。
大学出れば社会に出てから有利だから。
そんな事分かっていた。
洗脳のように分かっていた。

愛や感謝って自分に無理に思い込ませるんじゃなくて自然と悟るものだと思っていた。
私が登校を拒否すれば父親が怒る。
悪循環だった。

高2になって友達は出来た。でも、みんな頭がよくて、私は常に劣等感を抱いていた。
高校生になって楽しいとやっと思えるようになった。
でも、また一人ぼっちになるのが恐かった。
みんなが私のこと、また置いていってしまうんじゃないかって恐くなった。
不本意に周りから距離を置くようになっていった。
 

「again」が耳から離れない。
私は、何のために生きてるんだろう?
やりたいことやるためじゃないの?
過去に囚われるばっかりじゃ何も変わらない。
そんなの分かってたのに。

夢くらい、自分で追いたいんだ。
錆びた父親のギターで「Am I wrong ?」を弾いた。
歌う度に涙した。
初めて弾けた曲。
ただし、親のいない時だけだ。
バレて酷く怒られたことはしょっちゅうだった。

人に怯えて、視線に怯えて、幻聴が聴こえて、眠れなくて。
「生きることに疲れた」以外表現しようがなかった。

そんな時でもいつもYUIの音楽が側にあった。
音楽にすがっていた。
人に怯えることは今でも変わらないけど、YUIがいたからここまでこれた。
YUIをひたすら聴いて、生い立ちを知って、ちょっと羨んで、妬んで。
私のなかではまだ何一つ変えられてない。
この状況を打開するきっかけが欲しかった。
無力な自分が嫌だった。
 

高校時代に自分のギターを買うことは叶わなかった。
大学に入学してからやっとその夢が叶った。
ヴォイスに行って西尾という人に会ってみたい。
その願いは今でも変わらない。

ただ、あの時のYUIのように、誰かに勇気を与えられるような曲を作ってみたい。
書きためてきた叫びを曲にしたい。
砕けたっていい。
そんな甘い夢じゃないのは分かっている。
だけど、夢に向かうことを阻む必要が何処にあるのだろう。
認められたい。
ただ、それだけなんだと思ってる。
私はこれからも憧れのYUIを追い続けるだろう。
 

長々と書き連ねました。
ご精読ありがとうございました。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
音楽について書きたい、読みたい