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ポップってなんだ?

クアイフが証明するもの

僕はポップミュージックが好きだ。しっとりとしたバラードでもなく、体と心を激しく揺らすロックでもない。ワクワク、ウキウキするようなポップミュージックが好きだ。ただポップってどう表現すればいいのか。イメージとしては色とりどりの風船や虹、ドーナツはなんとなくポップな感じがする。ポップと辞書で調べると「大衆向きであるさま」と出てくる。それは僕が好きなポップミュージックは万人受けする音楽ということになるのだが、十人十色という言葉があるように音楽に限らず、万人受けするのは難しい。そんな中で“絶対的、鍵盤系ドラマチックポップバンド“を掲げるのがクアイフである。

名古屋を拠点に2012年に結成し、2017年にメジャーデビューを果たした彼等だが、最近04 Limited SazabysやCHAIなど名古屋出身バンドの勢いが止まらない。ただクアイフはその波に乗れているとはまだ言い難い。僕が彼等を知ったのは約3年前の春、リリースに伴うインストアライブが行われており、ふと足を止めた。当時はまだQaijff名義で活動しており、その名前も曲も知らなかったが、きれいなピアノの音色とそれに乗る爽やかな歌声が耳に残って家に帰ってから彼等のホームページにアクセスした。まだCDを買うほど好きなわけでもなく、レンタルできるお店もまだない。ひとまずYouTubeにアップされていたMVと彼等がラジオの番組を担当していたため、その番組を聴くようになった。それから名古屋グランパスのオフィシャルサポートソングの担当、サーキットイベント出演時には会場に入場規制がかかるなど水を得た魚のように力強く成長していき、メジャーデビューをきっかけにQaijffからクアイフへとバンド名を変更した。

僕にとってのポップとは“引き立て役“だと考えている。音楽という生活を支える一部のものがあり、その存在をより輝かせる存在である。料理なら刺身につけるワサビや揚げ物に添えられるパセリ、ファッションなら耳元にキラリと輝くピアスやイヤリングと言ったところだろうか。クアイフの音楽には軽くシュワっと弾ける炭酸のように軽やかなピアノの音色と紅一点の女性ボーカルの歌声がベース、ドラムのサウンドに乗ることで万人受けしやすいポップを作り出していると感じていた。
あるラジオ番組のインタビューでクアイフにとってのポップの定義を問うものがあり、彼等は迷うことなく「あなたのものになること」と答えた。それは僕の考えるポップからは想像もつかないものだった。人それぞれポップのイメージは違い、自分が好きになったものがポップという認識を持ち、その人の好きになることがクアイフにとってのポップだと言うのだ。少なくとも人間関係においては好きになるよりも、好きになってもらうことの方が労力等を考えても難しいだろう。元々の好みがある上に、まず出会うことがなければ「あなたのものになる」きっかけすらない。

それを振り返ると僕とクアイフの出会いはたまたま見かけてインストアライブだった。桜の季節に聴いた春風を感じる“Wonderful Life“に胸高まった。他にも初夏の眩しい光を感じる“organism“、大切な誰かを想う気持ちを歌い、その哀愁漂うサウンドが寂し気な秋にぴったりな“愛を教えてくれた君へ“、切ない冬の恋愛を歌った“snow traveler“とその季節に合う音楽をクアイフは届けてくれるから、生活を支える音楽の一部としてふと聴きたくなる。今やテレビ、ラジオ、雑誌、YouTube、Spotify…と音楽を知り、それと出会うきっかけは格段に増えつつある。そんな彼らは6月に「POP is YOURS」というアルバムをリリースし、それはポップで満ち溢れている。僕にとってクアイフは引き立て役、つまりポップで自分のものになりつつある。これからクアイフの音楽がより世間に届く時、あなたはポップになるかもしれない。

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