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聴くほど心に染み込んでいく、心からの唄。

「浅く深く」だった私を変えてくれたBUMP OF CHICKEN

私は音楽に対して「浅く深く」という感じだった。
1つのアーティストやバンドに熱中するということが無かった。
テレビ番組やCMで聴いた曲が気になって、
そのバンドを調べて、そのバンドが好きになって、気付いたら冷めていて、また違うバンドを見つけて、また好きになって、の繰り返しだった。
CDをレンタルしてそのバンドのアルバム全体を聴いてみても、やはり初めに「いいな」と思った曲が目立ってしまったり、他の曲が自分の好みと合わなかったりして、
そのバンドに対しての熱意が冷めていってしまっていたのだ。

そんな中である日突然、BUMP OF CHICKENという1つのバンドに出会った。出会ったきっかけは、同じ部活の友人が、彼らが好きで、CD(アルバムはほぼ全て貸してくれた)やLIVEDVDを借りたことだった。共通の話題を作りたい、という目的もあった。
だから、そんなに期待していなかった。

BUMP OF CHICKENと言えば、やはり知名度の高い
「天体観測」のイメージが強く残っていた。
ギターを多様に使ったサウンドと、思春期ならではの苦しくて、切ない、でも前を向いていこうとするあの絶妙な歌詞が好きだった。
だからこそ、また同じことの繰り返しで、1度ハマっても冷めていくのだろうと、なんとなく悟ってしまっていた。

そして借りたCDを全て、ひととおり聴いてみた。今度こそ、私をハマらせてくれ。私を満足させてくれ。というささやかな期待を抱きながら。

聴いてはみたが、案の定「天体観測」以外の他の曲が霞んでしまった。やっぱり、と思った。
私はその後、友人にCDを返そうとした。しかし友人に
「返すのはいつでもいいよ」と言われて、すぐに返すのも気が引けて、またCDの曲を聴き始めた。何度も何度も。
無理矢理にでは、なかった。なくなっていた。とにかく、何度も聴き続けた。

だって、彼らの曲は、聴いているうちに、味が出てくるから。曲と向き合っているうちに、心にどんどん染み込んでいき、私の中で鮮やかに色を変えていくような、そんな感覚を味わせてくれるから。藤原のセンスに、脱帽した。1本取られた、という感じだった。
聴いた中で特に、「orbital period」の「才悩人応援歌」のこのフレーズが印象に残っている。

「死にたくなるよ なるだけだけど」

「死にたくなるよ」という絶望のようなネガティブな感情を、しっかりと肯定して、
「なるだけだけど」という言葉で、僅かながらも前向きな意志が伝わってきた。
私の耳と心には少なくともそう届いた。

「絶望を肯定すること」は、難しいかもしれない。
でももし、絶望を否定してしまったら、綺麗事に聞こえてしまうかもしれないと私は思っていた。
だからこそ、その歌詞はとても魅力的に見えて、彼らは綺麗事じゃなく、本当の心からの「唄」を歌っているのだと痛感した。

また、LIVEDVDも借りていたので、それを鑑賞した。
BUMP OF CHICKEN史上最長ツアー「PATHFINDER」。新木場でのLIVEのものだった。
私はついアーティストに対して、CDの時の歌声と、音楽番組やLIVEの時の歌声を比べてしまうという癖があった。また、曲にアレンジを変に加えたりするのもあまり好みでは無かった。しかも最近はそんなことが続いていたため、一抹の不安を抱えて見始めた。

しかし、そんなものはいとも容易く覆されてしまった。
PIXMOBの美しい演出、安定したVo.藤原の圧倒的歌唱力、メンバー一人一人の技量、自然なアレンジ。
本当に圧倒されてしまった。凄かった。本当に。
開いた口が、塞がらなかった。比喩的表現ではなく。
DVDでこんなにも鳥肌が立つなら、実際に肌で体感したらどうなるのだろうと考えた。初めてLIVEに本気で行ってみたいと思えたバンドだった。「あぁ、このバンドはきっとずっと好きになれる、間違いない」とDVDを鑑賞してから確信した。
BUMP OF CHICKENという「1つのアーティスト」に初めてハマった瞬間だった。もっともっと彼らが好きになっていった。

隠しトラックも彼らの魅力。他のバンドとは一味違うな、思った点である。
くだらないと思われるような事を全力でやってのける彼らの明るさと心意気、普段の曲とのギャップに惹かれた。そしてメンバー皆が仲が良い。私もバンドを組んでいるのだが、そういう面も含めて彼らの様になりたいと
憧れを抱いている。

BUMP OF CHICKENは、「浅く深く」だった私を変えてくれた。熱中させてくれた。そんな彼らに出会わせてくれた友人、変革をもたらしてくれたBUMP OF CHICKENに、心からの感謝を込めて。また、音楽が好きな人が、どんなに小さなきっかけでも、自分自身の好きな音楽に出会えることを願って。

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